前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

2021-01-01から1年間の記事一覧

88.再就職とその後の経過観察

再就職先は以前の会社とは全く違った業界で、しかも知識があるとはいえ未経験の部署。この仕事が結構なストレスを生みました。その為、小さい頃からの持病でしたが、このところは鳴りを潜めていた喘息の発作を起こしてしまい体調を崩してしまいました。また…

87.退職とコロナ

3年に及ぶ治療、最後に大腸検査を終え、私は退職を迎えました。退職を迎える前に前立腺癌の治療と経過観察を一通り終了できました。退職をすると健康保険を初め、色々な物を変更する必要があり、結構まごついたり空白の時間ができてしまったりするので、退…

86.大腸検査結果と誕生日

病院に行くと、検査室へ案内されました。するとそこには病院で検査の準備をしている患者が結構いました。私が朝やっていた水を飲んでトイレに行って、という奴です。中には小柄なお年寄りの女性がいて、なかなか水を飲み切れずとても大変そうでした。その他…

85.大腸検査

大腸検査の病院はネットで随分調べました。もう病院で嫌な思いはしたくない、とにかく患者に寄り添ってくれるような病院はないか探しました。ネットの情報は本当にたくさんあり、クチコミも確かに役立つ情報なのですが、逆にその情報が多すぎて中々判断がつ…

84.術後の人間ドッグ

愛犬の死で、家族が1人欠けてしまった我が家は暫くは火が消えたような静けさでした。そんなストレスからか、途中腰の両サイドの照射部分に違和感が出ましたが、その後のQST病院の4月の経過観察は順調との診断、次の経過観察は随分先の11月、ストレス…

83.続く悲しみとコロナ禍

昨年は父が、今年は愛犬がこの世を去り、自分の治療の成功とは裏腹に悲しい出来事が続きました。そして追い討ちをかけるように、愛犬の死の少し後に母が旅立っていきました。母の死は本当にショックでした。と、言うのも、原因がコロナ禍だったからです。 母…

82.新しい年と愛犬の死

治療を終え経過観察も順調、久しぶりに平穏な年末年始を迎える事ができました。長女家族と次女と年末年始は過ごし、賑やかな時を過ごせました。しかし、前から少しずつ気になってはいたのですが、ここに来て愛犬の様子が心配になってきました。 この2年近く…

81.治療後の経過観察

QST病院の経過観察は当然平日、今年は治療でたくさん休みを取っているので、ちょっと後ろめたい感じがありましたが仕方ありません。最初の経過観察なので一日休みを取り検査結果を持ち、一人で病院へ経過観察に向かいました。 診察では、持ってきた検査情…

80.治療までの総括

約2年の闘病の末、私は完璧とは言えないながらも社会復帰を果たしました。まだ50代の若さでこんな事になるとは夢にも思わなかったというのが正直な気持ちです。 癌になる原因は様々ですが、やはり若い頃の不規則な生活、睡眠不足、暴飲暴食は良くないよう…

79.術後の経過観察に向けて

7月下旬に退院した私の最初の経過観察日は11月中旬でした。経過観察はPSAの値を追い、生活状況のヒアリングだけなので、予約した時間に行けば殆ど診察時間はかかりません。しかし、前述の通りQST病院では検査はしてくれないので、他の病院で検査し…

78.職場復帰

会社には退院の翌日、いきなりフル出場で出勤したものですから、会社の同僚達はかなり驚いておりました。本当に昨日まで治療していたのか、という、悪く言えば本当に病気だったのか?という顔を全員がしていました。癌の治療という事を考えるとかなりセンセ…

77.退院

最終日、妻には前日に、昼前には病院に来てくれと言っておきました。予想と違い照射が早々と終わってしまったので妻が来た時には診察を残すのみという状態でした。照射が終わった後、最終診察は奥様と受けますかと、看護師さんが聞いてくれたので、妻が来る…

76.最終日

朝起きて最後のウォーキングをして、最後の朝食。そこで皆さんに今日で退院の挨拶をしました。仲良くなった方達とは、連絡先の交換まではしませんでしたが、お互いの頑張りにエールを送りあいました。 今まで退院していった患者さん達には、本当にこの治療で…

75.退院に向けて

病室へ戻ると、看護師さんから、このまま行けば最終照射後の退院は予定通りとの報告がありました。いよいよ終わりが見えて来ました。このベッドともあと2泊でお別れか、などと思いながら少しずつ退院の準備を始めて行きました。と言っても、最後の一時退院…

74.いよいよ最終週

金曜日の夜10時半くらいに家に着いた私は、何とかお孫ちゃんと会う事ができ、土日も近所の公園で一緒に遊んでお孫ちゃんからパワーを貰って、いよいよ迎える最終週の治療のエネルギーを蓄えました。最終週は月曜日から照射がありました。なので日曜日に娘…

73.プレッシャーの克服

こんな遅くまで頑張っている医師の前で、緊張だ何だなんて言ってられません。自分も頑張って早く照射が終わるように協力しないと、と思いました。加えて、すでに遅い時間になっており早く帰りたいという気持ちもあり、気持ちが急いてあまり緊張しませんでし…

72.最後の一時退院

そんな色々な事があった三週目も、今日の照射を残すのみ、と金曜日の朝を迎えました。今週も先週と同じで、頑張ってはいるのですがあの照射時のプレッシャーを克服出来ずにいて、既にグロッキー状態です。しかし後は楽しいお孫ちゃんとのひと時が待っていま…

71.イベント

ちょうど弟がお見舞いに来た時、一階受付のロビーで待ち合わせたのですが、そこに行くと何やら人がたくさんいて準備をしています。今まで全く気が付かなかったのですが、その日は先生や研究員、職員の方達による音楽会が開催される日でした。 ソファーを並べ…

70.お見舞い

入院も中盤に入ってくると、お見舞いの話がチラホラ増えてきます。この病院は私の自宅や会社から遠いので、入院前に会社や家族、親族にはお見舞いは遠慮する旨の連絡をしていましたし、友人にはそもそも前立腺癌の事は秘密にしていました。それでも会社の社…

69.後遺症2

入院中の後遺症については、私は必死で照射を受けていた効果か、軽い排尿障害位で少なかったように思います。そこで、他の患者の方達が言っていた後遺症をまとめてみます。 私を含め全員が排尿、排泄関連の後遺症があったようでした。大体照射が始まって二週…

68.事件

この辺りになって来ると病院生活にも慣れて来て結構話をする人も増え、談笑できる様になってきました。 その中には地方から治療に来ていて、一時退院の時は東京のホテルに泊まって観光を楽しんでいる人や、娘夫婦の家に泊まりに行ってる人とか、治療の傍ら一…

67.初めての後遺症について

この連休に入る前に体調に少しだけ変化がありました。3回目の照射の晩くらいから、尿の出が若干悪くなっているように感じました。翌朝、一時退院の話の他にその話を看護師さんに言うと、照射すると前立腺が腫れるので尿の出が悪くなるとの説明があり、薬を…

66.無事に一時退院の許可

朝、目が覚めて、看護師さんが来た時に早速一時退院の話をしました。一瞬、今?みたいなビックリした顔をしましたが、直ぐに笑いながら返事をしてくれました。 その後は昨日の繰り返し。ウォーキングしてご飯食べて、ひたすら待って呼び出しがかかり、地獄の…

65.もがく日々

3回目の照射が終了しベッドで暫く横になり、その後、今回は頑張ってウォーキングをして、その後食事となりまた同室の人と治療について話をして、またベッドに戻り今日の事を思い出しどうにかならないか悩み、妻とメールをして就寝の時間。 昨日とほぼ同じ事…

64.照射3回目

午後もまたひたすら待つ時間が続きます。同室の人はあの緊張感に耐えきれず動いてしまったと言ったたけど大丈夫なのだろか。動いてしまったと言ってたけど、意識的に動いたのだろうか、無意識的に、身体が勝手に動いてしまったのだろうか、細かい事が気にな…

63.照射前の葛藤

その後、先生の回診でも特に異常は無し。今日もまたひたすら呼ばれるのを待つ1日が始まります。今日は水曜日、先週の今頃は会社で最後の引き継ぎをしていたな〜などと思いながら、その時は気楽な入院生活を想像していたの思い出します。 ただ寝ているだけで…

62.ウォーキング

昨晩もいつの間にか寝ていて朝になりました。看護師さんがいつもの回診に来てくれて、自分は大丈夫ですという返事。外見は大丈夫だけど精神的に良くない状態だったけど、忙しそうな看護師さんを見て、昨日もそうでしたが言うのをやめました。 寝不足でだるい…

61.自己嫌悪

その後、何とか気を取り直して食事に向かいました。相変わらず20人近くの人がおり、私みたいな感じの人は見当たりません。会話をしている人、テレビを見ている人、ケータイをいじっている人、周りの人達が皆、順調に治療を受けているように見えます。 この…

60.パニック

動かないようにしているのに、動いているように感じる。本当に動いているのか、それとも止まってられているのか。止まってないとしたら、どこかの臓器にあたってしまっているのでは、当たったしまったらどうなってしまうのか、と、頭の中がグチャグチャにな…

59.静止のプレッシャー

新治療研究室に入り受付をして椅子に座りました。たった4日前に来ているのに随分経ったような感じに思えました。そして、忘れていた例の音が、奥の方から聞こえてきました。 すると急にあの時の緊張感が蘇ってきました。照射がずれると他の臓器がやられてし…