前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

47.いよいよ重粒子照射、1回目

照射室の前で椅子に腰掛けていると、部屋の前に何やら電気式の出力計のような物がありました。例の電子音も聞こえています。この施設はやたら興味深い物が多く、何の機械なのか、何の音なのか等聞きたい事がたくさんあるのですが中々聞けない状況なのがとて…

46.新治療研究棟の待合室

いよいよ始まる、とこの時はかなり緊張していました。受付に名前を告げ排尿表を渡すと、暫く待合室で待つように指示があります。 待合室と言っても受付の前にある椅子ですが、あまり患者同士が鉢合わせないように工夫されているような椅子の設置でした。前に…

45.入院2日目、治療開始

寝付けなかった夜が明け、いよいよ今日から治療が開始します。かと言って直ぐに始まる訳では無く、朝、看護師さんの回診があり、朝食の後は先生の回診があり、後はもらった記録表に、熱、食事の様子、排尿、排便等を記録していくだけの時間が続きます。 まだ…

44.入院初日、夜

入院の説明はそれ程大変でもなく、以前診察で聞いた事の復習と排尿表をしっかり確認出来れば、後は特に気にする必要は無い感じでした。一通りの説明が終わると看護師さんは戻ってしまい、妻と二人きりになりました。荷物の片付け等が終わり同室の患者さん達…

43.入院時の説明

病室に案内されるとまず着替えをしました。病室のすぐ脇にはロッカーがあり、ベッドの横には袖机があり物の置き場には事かきません。私は夏の入院で、途中一時退院希望だった為荷物は少なめだったので、十分余裕がありました。トイレはロッカーの向かいにあ…

42.入院当日

随分と長い間待ち焦がれていた入院の日がやってきました。前立腺癌と診断されてから約9ヶ月の歳月を費やしここまで辿り着いたのです。 その日は朝から感慨深かった、と言うよりは「やっとここまで来た、本当に長かったな」と思った事を覚えています。特に最…

41.会社への報告と父の死

癌が見つかった時点で会社には報告していましたが、その後は治療の方法や日程が決まらずスルー状態でした。法医研に決め診察に行き入院日程が決まったので、会社に報告したのはそれから半年ほど経った頃で、4月の下旬でした。7月から夏季休暇を含め約3週…

40.再診から固定具の作成

先生から検査結果が悪かった為、入院まで例のホルモン療法を行うとの説明がありました。結局、このホルモン剤は約6ヶ月飲み続ける事となり、因みに、私の頭髪は結構復活してきましたが、その後は悲しいかな胸の膨らみも含め元に戻ってしまいました。良かっ…

39.再診、意外な診断

再診はほぼ予約時間に行けたので、少し待って診察を受ける事が出来ました。再診の先生は前回と一緒だと思っていたら違う先生でした。前回の時の先生とは雰囲気が違い少し嫌な感じの先生でしたが、テキパキと診察をしてくれました。そこで早速言われた事は、…

38.初診の終了、再診

長い初診が終わりました。2人とも精魂尽き果てた感じでした。研究所内には、一般の人も入れる食堂や喫茶店もあるので、そこで少しゆっくりして帰る事にしました。緊張感の余韻がまだ残っているため食欲もあまり出ず、喫茶店に入る事にしました。ちょうど昼…

37.重粒子治療について

インフォームドコンセントの時、改めて重粒子治療について詳しく説明されます。詳しくは病院のホームページ等で見ていただければ分かるのですが、この放射線の重粒子線という種類の物が特殊な動きをするのを利用した治療法となります。この特徴は素人では到…

36.インフォームドコンセントについて

インフォームドコンセントについてもう少し詳しく説明します。診察が終わると、改めて地下一階の診察室で待つように指示されました。そして暫く待つと、物腰の柔らかな先生が現れ、診察が始まりました。この対応が診察とは違い、心理的に我々に寄り添ってく…

35.初診

思ったより少し早く着いたのですが、ちょうど受付開始となった所で、名前を告げ初診に来た旨を伝えました。一通りの書類の記載が終わり、前もって健保に申請していた「高額医療限度額適用認定書」を提出しました。これは一旦医療費を払って後で申請してもい…

34.法医研への道

3月、年度末も推し迫る中、待ちに待った初診日。この日は朝からソワソワ、診療情報は持ったか、保険の書類は持ったか、色々まとめたノートは持ったか等、はやる気持ちを抑えてました。この日は年度末が迫る中々休みが取りづらい日でしたが、有休を取らせて…

33.ホルモン療法

私の場合、女性ホルモンを投与されたので、その副作用としては所謂女性化が挙げられます。女性らしく丸みを帯びてくるようで、胸も含めふっくらした感じになると専門誌に記載されています。私は身体が大柄な方なので女性化はちょっと耐えられないかな、など…

32.診療費について

1月に入り、前回保留としていた投薬の事も含めて、指示された日に診察に行きました。またこの時は、法医研に持っていく為に、今まで検査した治療情報を準備してもらう依頼もしなければなりませんでした。これが無いとどうしようもない、これが最後だという…

31.新しい年

激動の年が暮れ、新しい年が始まりました。私にとってこの年は前厄に当たります。その年に癌の治療をするとは夢にも思っていませんでした。昔からの言い伝えが現代社会にも生きているのですから、このような厄の時期に苦しんでいる人はたくさんいるんだろう…

30.検査の次は投薬

検査に明け暮れたと言っていい程の激動の秋が過ぎ師走に入り、今年を締め括るような骨シンチなどの検査結果を聞きに行きました。もうこれ以上悪い結果が出ないようにと祈るような気持ちで病院に向かいました。幸い特に心配な結果は出なかったので、この時は…