前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

37.重粒子治療について

インフォームドコンセントの時、改めて重粒子治療について詳しく説明されます。詳しくは病院のホームページ等で見ていただければ分かるのですが、この放射線重粒子線という種類の物が特殊な動きをするのを利用した治療法となります。この特徴は素人では到底理解出来ないと思います。なぜそんな動きをするのか、ピンポイントで患部を最大照射でき、他の放射線治療とは違い、身体に入射して行く時の周辺の臓器や皮膚、筋肉等のダメージが最小限に留められるのが最大のメリットです。痛さや気分が悪くなるような事も、毛髪が抜ける等のような事もありません。こんな物をよく見つけたものだと本当に科学の世界は凄いと思いました。しかし、それでも見えない身体の内部を照射する訳ですから、その患部だけの照射は中々難しい、また周りの臓器を傷つけない事に重点を置きすぎると患部が治療しきれず残ってしまう、この辺りが現時点でのジレンマであり、解決する課題となっているようです。主なデメリットは尿が出にくくなる事、これは次第に良くなってくるので心配は無いのですが、やはり一番のデメリットは隣接する臓器に影響が出てしまう事です。こうなると不幸ですが、その為にもしっかりと治療の心構えが必要と思いました。これについては日々研究が進んでおり、その為にも治療後の情報の提供はもちろん、この治療法に対しての協力等も依頼される事があります。私が受けた時は、患部を完璧に照射する方に軸足があり、その為、患部より多少広めに照射をするので、周辺臓器にも影響が出てしまうとの説明でした。主に影響がある臓器は前立腺に隣接している直腸と膀胱です。前立腺はくるみ位の大きさと言われています。身体の中にあり見えない前立腺目掛けて照射をする事を考えると、まさに神業的な治療なんだと思います。照射は左右の腰の辺りから交互に行うようです。要するに左右から6回ずつ病巣目掛けて照射を行います。そうする事により、他の臓器の負担を軽減させているそうです。今は12回照射ですが、将来的には4回照射を目指しているとの事です。そうすると、1週間程度で治療が終わるという時代がやってくるのでしょう。

埼玉県の東川の桜並木、延々5km位あります
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