前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

36.インフォームドコンセントについて

インフォームドコンセントについてもう少し詳しく説明します。診察が終わると、改めて地下一階の診察室で待つように指示されました。そして暫く待つと、物腰の柔らかな先生が現れ、診察が始まりました。この対応が診察とは違い、心理的に我々に寄り添ってくれるカウンセリングのように感じたので、私はあえてカウンセリングと呼びたいと思ってます。癌の発見から今に至るまでの辛さや大変さ等も聞いてもらう事ができ、こういった治療対応をして欲しかったと心底思いました。その後、改めて重粒子治療の特徴や治療方法、固定具の作成、入院について、治療情報の提供、そして最後に術後の生活について説明されました。またデメリットや術後の経過が良くない事例等の説明もされました。それに対するこちらの意見、質問にも真摯に対応してもらい、まさにインフォームドコンセントを初めて実感出来ました。しかし、ここで驚いたのが術後は自転車のサドル等の、椅子が固い物にまたがるような姿勢は絶対に取らないで欲しいという事でした。要するに前立腺の周りを圧迫するような事には今後十分注意して欲しいとの事でした。バイクもこれに準ずるようです。また長い間椅子に座る事にも十分注意する事、便秘や下痢にも気をつけて欲しい事等。この「絶対に」という言葉には、もうサイクリング等は出来なくなっちゃうのか、と結構ショックでした。また長い車の運転や、会社で長い間椅子に座る事にも注意が必要との事でした。これについては事前に分かっていましたが、実際にはそれ程でも無いのだろう、わざとオーバーに書いてあるんだろう程度に思っていたので、ここまでキッパリと言われると一瞬、治療への決心が揺らぎそうになります。しかし、ここまで来て中断という選択肢は無いと思い、覚悟を決め重粒子治療を受ける事を決めました。

埼玉秩父羊山公園にある芝桜の丘f:id:x-japanese:20210317083822j:image