前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

39.再診、意外な診断

再診はほぼ予約時間に行けたので、少し待って診察を受ける事が出来ました。再診の先生は前回と一緒だと思っていたら違う先生でした。前回の時の先生とは雰囲気が違い少し嫌な感じの先生でしたが、テキパキと診察をしてくれました。そこで早速言われた事は、検査結果が思ったより悪いという事でした。

前立腺癌の診断は結構複雑で、PSAの値の他、どこまで広がっているのかを表すステージ、どの程度の悪性度なのかを表すグリソンスコア等を用いて判定し、リスク度合を低、中、高の3つに分類します。私は当然低リスクと思っていたのですが、なんと中リスクという診断でした。これにはショックを受けました。ここまで引っ張ってしまったのが悪かったのか、やはり早く手術を受けた方が良かったのか、頭の中で結構混乱しました。しかしすぐに、この診療情報は針生検の時の物だからそれは関係ない事が認識出来ました。ここまで来たらなるようにしかならない、先生の指示通り動くしか無いと自分に言い聞かせて、先生の話を聞きました。

悪性度を測るグリソンスコアが悪かったようで、この判定についてはネット等で詳しく調べられますので、是非勉強して欲しいと思います。早速入院の手続きの話となり、なるべく早くと言っても、そこから約3ヶ月後の7月が最短との事でした。この時は少し目がくらむような気分になりました。「これからまた3ヶ月待つのか、中リスクだというのにそんな時間がかかって大丈夫か?」と先生に聞きたい感情が爆発しそうでした。しかし診察と入院の手配がどんどん進んで行くので、何も言い出せずその場に座っていました。

その後には、私はまだ50代という所から、研究の協力の話をされました。もちろん強制では無く協力です。現在の前立腺癌の治療は12回照射ですが、これを4回に短縮すべく研究を続けており、協力者を募っているとの事。これも事前に調べてきたので知ってたのですが、割と最近まで16回照射だったようで、こういった研究から12回まで減らしてきたのかと思いました。協力は是非したかったのですが、それにしても12回からいきなり4回なんて大丈夫なのかと疑問に感じました。

それと尿道カテーテルを使うとの事でした。どうも、そのカテーテルで病巣である前立腺を固定させ、重粒子線を集中照射するようです。現在の治療の一番のリスクは、便の溜まり具合により前立腺の位置が動いてしまうので病巣を絞りきれず、周囲の臓器への影響の関係で、どうしても一度に強力な放射線を当てられないとの事です。尿道カテーテルを使い前立腺が動かないように固定し、そうする事により病巣だけに強力な重粒子線を当てる事が可能となり、照射回数を少なくする計画を進めているようです。尿道カテーテルは針生検の時に経験がありますが、中々覚悟がいるなと思いました。さらに回答は早急にして欲しいとの事。事前に言っておいてくれたら考えて来たのですが、その場での心の決心がつかず仕方無くお断りをしました。だからと言って態度が悪くなるとかは全く無かったです。

日光湯元温泉の湯畑、硫黄の匂いが強烈です♨️f:id:x-japanese:20210318100128j:image