前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

23.治療方法の提案

検査結果の説明の後、すぐに先生は手術を勧めました。前立腺を取ってしまうという単純且つ効果の高い治療です。早期の癌は、病巣を取ってしまえばその他の臓器へのダメージも少なく再発リスクも少ないのが通例です。最近はダヴィンチというロボットを使い、失敗も格段に少なくなっているとの事。メリットの説明を多く受けました。私は治療方法については少し考えたい意向を話し、その場を離れました。ここで私が思った事は、医療関係者は毎日のように患者に接し、手術なんてごく当たり前の話なのでしょうが、患者からすると手術なんて不安で仕方ないという事。針生検の手術程度であれだけ大変なのですから、これが伝わらなかった事がとても信じらませんでした。デメリットや失敗した時の話を冷静にして欲しい。失敗率が低いからと言って、その低い方に入ってしまったらどうなるのか? これは妻が調べてくれていた手術のデメリットですが、例えば尿漏れ。この年でオムツみたいなパンツは勘弁して欲しい。男性機能だってそう。いい歳してと思われるかもしれないけど、これだって失われるかもしれない。「しなくなった」と「出来なくなった」では雲泥の差がある。医者からすれば病気を治す事が一番の目的であり、それを実現させる事に注力します。またそうじゃないと困る事も事実ですが、こんな患者の心の葛藤なんて医者には分からないんだろうと思いながら、少し考えてから再度先生の所に行き、改めて返事をする事を告げ帰りました。その後、妻と公園を散歩しながら、今後の事を考えました。もう木々も紅葉し出だしていました。前立腺のアラームが分かってから約1年半、時は確実に経って行くのを今まで以上に感じ、少しずつ心が焦っているのを感じました。

埼玉県航空公園の紅葉f:id:x-japanese:20200912185222j:image