前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

40.再診から固定具の作成

先生から検査結果が悪かった為、入院まで例のホルモン療法を行うとの説明がありました。結局、このホルモン剤は約6ヶ月飲み続ける事となり、因みに、私の頭髪は結構復活してきましたが、その後は悲しいかな胸の膨らみも含め元に戻ってしまいました。良かったのが悪かったのか😅。そして最後に照射の時に使う固定具の作成の説明をされて終了です。今回は予想外の悪い診断に2人して沈んだ気持ちになり、診察後に飲みに行く気分では無くなってしまい、稲毛駅の喫茶店で少しお茶をしてそのまま帰りました。その後の3ヶ月間は、中リスクという診断であったため精神的にとても不安でした。癌治療は早期発見早期治療と言うけど、早期発見したはいいがこれでは早期治療にならないではないか、癌が進行して手遅れになるのではないか、やはり早く手術してしまえば良かったのか。もう既に法医研でも治療の準備に入ってしまった為どうする事も出来ないのですが、この日から今までの楽観的な気持ちは影を潜め、ひたすら時が過ぎるのを待つ日が続きました。この固定具は入院の10日くらい前に作成します。入院前にまた病院に足を運ぶので、ちょっと手間でした。固定具は病院棟では無く、重粒子照射を行なっている新治療研究棟で作成します。時間は待ち時間も含め1時間程度だったと思います。6月の月末近く、会社に半休を取り午後から病院に向かいました。新治療研究棟は病院棟の手前を左に折れ、ちょっと工場みたいな所を通って行きます。その奥に朝顔で覆われた綺麗なビルが見え、それが新治療研究棟でした。全体的に白っぽい学校のような建物が多い中、この建物は逆に異様に感じる程お洒落な物でした。中に入ると、そこは近未来的な内装でとても斬新な空間でした。入口に受付があり、固定具の件を伝えると地下一階へ行くように指示されました。そこは重粒子治療の受付と待合室があり、そこに隣接した場所で固定具の作成を行なっていました。そこで暫く固定具作成のビデオを見ているようにと指示されました。その後、呼び出しがあり、部屋に入り、着替えをしてベッドに横たわり、固定具の作成を行います。この作成についてはストレスは全く無く、ビデオの内容そのもので直ぐに終了します。法医研のホームページでも詳しく紹介されているので参考に是非見て下さい。この時は呆気ないくらいでこれで終了。いよいよ入院を待つのみとなります。帰りには、前回再診の時、思わぬ悪い診断で意気消沈し飲みに行かなかったので、少し遠回りして豊洲の方まで繰り出し、海を見ながら食事をしました。妻と二人でこんな所に来るのは久しぶり、今までの苦労の労いと治療の成功を祈り乾杯しました。

初夏の千葉館山の海沿いのレストランにてf:id:x-japanese:20210413180858j:image