前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

26.治療方法の決定 

病院の担当医の意見、専門家の意見、自分達の勉強で分かった事、自分達のこれからの希望や目標等を総括し、さまざまなメリット、デメリットを勘案したうえで、我々は「重粒子治療」を選択する事に決めました。メリットは身体へのダメージが少ない事と尿漏れ等の下半身のトラブルが少ない事でした。反対にデメリットは周辺臓器へのダメージでした。これについては怖い部分がありましたが、しっかり照射を受ければ最小限に食い止められるという情報がありましたので、それに賭ける事にしました。この判断は人それぞれだと思います。自分の希望と照らし合わせ、何を取るか何を捨てるかは患者がしっかり決めて、治療に立ち向かう事が大切だと思います。くれぐれも他人任せにする事は止めた方がいいと思います。その重粒子線治療ですが、この治療を行っている病院はまだ少なく、関東圏では3っしかありませんでした。その中でも比較的自宅からも近く、放射線医師が豊富にいるという、千葉県稲毛の「放射線医学総合研究所病院(放医研)」に決めました。放射線は12回照射で通院も入院もOK。通院するには少し遠いし、一時退院もできるようなので自分は入院する方を選択しました。ここまで来ると、不安やら悩みやらはかなり少なくなっていました。これからは治療に向かい爆進するのみ、と覚悟を決めました。かと言ってすぐに行く訳には行きませんでした。調べによると、今通院している病院からの紹介状が必要でした。これが思った以上に一苦労でした。早速病院に行き、治療についての自分の意見を話し、重粒子治療を受けたいので放医研に決めた事を説明し紹介状をお願いしました。すると担当医は仕切りに手術を勧めます。関連の病院の切除スキルの信頼性は抜群であるとか、最近の切除は失敗はまず心配する必要はないとか、かなりしつこく勧めるので段々険悪な雰囲気になって行きました。最後には諦めたのか、渋々と言った感じで「紹介状」を書いてくれる事になりました。病院を出た時は、何とも言えない気分でした。何でこんなに嫌な思いをするのか、病人にプレッシャーをかけてくるのか。先日の保険の担当の方が言っていたのはこの事なのかなって思いました。全く患者に寄り添わない病院の態度には、辟易するばかりでした。

長野県姥捨の夜景

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