前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

31.新しい年

激動の年が暮れ、新しい年が始まりました。私にとってこの年は前厄に当たります。その年に癌の治療をするとは夢にも思っていませんでした。昔からの言い伝えが現代社会にも生きているのですから、このような厄の時期に苦しんでいる人はたくさんいるんだろうなと思いました。私は早速、妻と一緒に厄払いで有名な川崎大師へ参拝に行きました。前に来た時は42歳の時でしたから、早いものであれから17年も経ったんだなんて少し感傷的になりながらお祓いを受けました。その時も、会社での人間関係に苦労して本当に大変な時期でした。この参拝している人の中にも病気や怪我やストレスで、厄祓いに来ている人がたくさんいるのでしょう。私はお祓いを受けながら、絶対に治してまた元気になれるよう頑張ろうと決心をしていました。お寺はいつもと同じように凄い混雑で活気がありました。川崎大師といえば参道での飴を刻む包丁の小気味いい音。この音につられるかのように、活気が活気を呼んでいるようでした。このところ自分の病気で家族が沈みがちだったので、この活気は元気を与えてくれました。今考えると、こんな時こそこういった活気があり元気な場所に繰り出し、気分転換する事はとても大切だと思います。私の場合は幸い生活についての制限も無かったので、この辺りは幸運だと思いました。今年は新しい元号になる記念すべき年でもある、これからも続くであろう長い人生の為に治療をしっかり受けて、心機一転頑張って行こうと自分を奮起させ、お寺を後にしました。

参拝で賑わう川崎大師f:id:x-japanese:20210316084347j:image