前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

42.入院当日

随分と長い間待ち焦がれていた入院の日がやってきました。前立腺癌と診断されてから約9ヶ月の歳月を費やしここまで辿り着いたのです。

その日は朝から感慨深かった、と言うよりは「やっとここまで来た、本当に長かったな」と思った事を覚えています。特に最後の入院までの3ヶ月が精神的に本当にキツかった。それに加え、いよいよ始まるが本当に治療が上手く行くのか、癌の進行具合は大丈夫なんだろうか、等、どちらかと言うと不安の方が大きく、今までとは違う心境になって急に行きたくない気持ちになりました。しかし賽はすでに投げられています。本来なら希望に満ちた重粒子線治療の開始の日ですが、心の動揺で重い気分の中、妻と一緒に指定された時間に病院に行きました。

受付を済ませて看護師さんに案内され、4階のスタッフステーションに行きました。入院施設は病院棟の4階と5階にあります。一瞬緊張で身が引き締まる感じがしましたが、そこは明るく清潔な感じで、入院の不安を取り除いてもらうにはいい環境でした。そこで入院担当の看護師さんに引き継ぎされ、部屋に案内されました。

そこで驚いたのは自己紹介をした女性の看護師さんの名前でした。その方の名前が先日亡くなった父と同じ漢字の名前でした。父の名前は「美」という字が入っているのですが、それを「よし」と読むので漢字では女性の名前とかぶる事はよくありました。しかし、まさかこの病院の担当看護師さんが父と同じ漢字の名前の方というのは、やはり父が天国で見守ってくれているんだと感じずにはいられず、こんな事があるんだ!と、とても不思議な感じがしました。看護師さんにもこの話をしたところとてもビックリされて、「何かの縁ですね、治療頑張りましょうね!」と言って微笑んでくれました。

この看護師さんのお陰で今までの不安や緊張が一気に解け、落ち着いてこれからの入院、治療の説明を聞く事が出来ました。

群馬県、夏の四万湖の四万ブルーf:id:x-japanese:20210320171658j:image