前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

47.いよいよ重粒子照射、1回目

照射室の前で椅子に腰掛けていると、部屋の前に何やら電気式の出力計のような物がありました。例の電子音も聞こえています。この施設はやたら興味深い物が多く、何の機械なのか、何の音なのか等聞きたい事がたくさんあるのですが中々聞けない状況なのがとてもフラストレーションが溜まります。緊張しながらも、何だあれは?と思っているうちに扉が開き人が出てきました。間髪入れずに直ぐに名前が呼ばれ、照射室に入るよう促されました。

いよいよ、本当に重粒子治療が始まるのです。椅子から立ち上がり、部屋に入ります。中はクリーム色基調の手術室のような空間で、右にコントロール室らしき部屋、照射室は左奥にあります。左奥へ案内され入って行くと簡易な着替えスペースがあり、そこで下着の着替えは済んでいるか質問され、用意してある照射用のスウェットに着替えるよう指示されます。着替えが終わると照射台へと案内されます。

ここで照射室の全貌が見えたのですが、映画のような初めて目にする設備であり、何がどうなっているんだか分かりませんでした。まるで「2001年宇宙の旅」のクライマックスに出てくる部屋のように見えました。どこから重粒子が飛び出して来るのか周りを見ていると、照射台に早く乗るよう促され、先生達の介助を受けながらゆっくり照射台に乗りました。

すぐさま固定具の取り付けが始まります。10日足らずで太る訳もなく、特に息苦しさもなくぴったりとフィットしました。動こうとすれば動けるくらいのフィット感でした。固定具を付け、さあいよいよだ、ここまで来ると多少緊張しながらも覚悟も出来てきて、自分に気合を入れました。しかし中々先生達が居なくなりません。私の身体の位置を調整しているのです。初めは3人位で左の腰辺りを持ち上げたり、足を引っ張ってみたり。何をやってるのだろう?と、ここでもまた暫くの間、待たされ感がありました。

真っ青な空と東京スカイツリーf:id:x-japanese:20210325081706j:image