前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

82.新しい年と愛犬の死

治療を終え経過観察も順調、久しぶりに平穏な年末年始を迎える事ができました。長女家族と次女と年末年始は過ごし、賑やかな時を過ごせました。しかし、前から少しずつ気になってはいたのですが、ここに来て愛犬の様子が心配になってきました。

この2年近く、自分病気や孫の誕生などで、少し目が行き届いてなかった感のある愛犬。改めて見ると最近よく寝ているのが気になります。狂犬病の注射とかワクチンとか定期的に診てもらってはいたのですが、冬は病院に行く機会が少なくなるので年明け早々のある日、主治医の先生に診てもらう事にしました。すると先生から信じられない言葉が。

そうです、愛犬はもうそんなに長く生きられないとの説明。私は自分の癌の診断よりショックで、その場で泣き崩れしまいました。昔、妻の母が「犬は家族の問題が分かっていて、それが解決した頃に、自分の役割は全うしたと感じ自ら命を終える」と言っていたのを思い出しました。今のダックスの前に飼っていた犬もそんな感じでした。まさに私の治療、長女の待望の子の誕生が重なり、共に経過は順調、幸せ一杯、それを見届けたようにそれから2ヶ月後に逝ってしまいました。

その愛犬の最期の日は、とても信じられないようなタイミングでした。三連休を前にした前日、長女がたまたま休みが取れたとの事で、孫を連れて1日早く里帰りしていました。自分も妻も、娘が帰って来てるので早々と仕事を切り上げ家に帰っていました。皆で撫でたり声を掛けたりして、まだ大丈夫そうだった愛犬。その後、休み前はいつも遅くなりがちな次女が、この日は早めに仕事から帰宅しました。愛犬の身体を撫でたり声を掛けたり、愛犬を囲むように皆で少し団欒をしていると、それを見届けたように愛犬は急に息が荒くなりみるみるうちに亡くなってしまいました。

愛犬はきっと家族全員が揃うのを待っていたのでしょう。皆、あっけに取られて、現実を受け入れられませんでした。その夜は全員悲しみに打ちひしがれましたが、三連休のお陰で何とかなる位までに精神状態を戻す事ができました。

この後は、ちょうどコロナ騒ぎが大きくなり始めてきた時で、人の行き来も厳しくなってきていて、人の葬儀さえ難しい環境になって来てしまいました。ギリギリで愛犬のお葬式もする事ができて、今考えてもまさにこの日しかない、という日に愛犬は虹の橋を渡って行きました。私はその見事さに逆に感心さえしてしまい、自分もこの位カッコよく死にたいものだと思いました。

我が家の愛犬のダックスf:id:x-japanese:20210413144615j:image