前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

74.いよいよ最終週

金曜日の夜10時半くらいに家に着いた私は、何とかお孫ちゃんと会う事ができ、土日も近所の公園で一緒に遊んでお孫ちゃんからパワーを貰って、いよいよ迎える最終週の治療のエネルギーを蓄えました。最終週は月曜日から照射がありました。なので日曜日に娘とお孫ちゃんを家まで送って行き、その足で一人で病院へと向かいました。お孫ちゃんと少しでも一緒にいたかった為、今回も夜の8時ギリギリに病院へ着き、一人でコンビニ弁当を食べてました。

週に4回の照射は月曜日に始まったり火曜日に始まったり、何か意味があるのか不明ですが、あと3回なので水曜日には退院が可能となります。すでに9回の照射を終え、やっと慣れもあり何とかこなせるようになってきたらもう退院が見えてくる、誰もいない食堂で一人でご飯を食べながら、「何か皮肉なものだな」と思っていました。

病院に戻った翌朝、早速、看護師さんに退院の相談をしました。看護師さんは、「もう明後日は治療が終わるんですね」と言って準備してくれる事になりました。これも患者さんから聞いた情報なのですが、看護師さんに最終照射の後、その日に退院する予定なので照射を早い時間にして欲しい、と言うと早くしてくれると言うのです。本当かと半信半疑でしたが、看護師さんにそのように伝えてみました。看護師さんは、一応伝えておくけど照射は放射線の先生がやっているので希望が通るか分からない、との事でした。

そしてまたルーティンの始まりです。ウォーキングをして、食事をして、ひたすら待って、地獄の照射に向かう。しかし今回は、全くと言っていいほど緊張感がありませんでした。精神的にも落ち着いており、名前を呼ばれても静かな気持ちで新治療研究棟に向かう事ができ、受付で待ち名前が呼ばれ照射台に乗り、ゆったりした気持ちで照射を受けられました。あの独特の音も全く気にならなくなっていました。

こうなると時間はあっという間で、ちょっと肩透かしな感じ、これが何で出来なかったのか不思議な気持ちになりました。先生に御礼を伝え、いい気分で病室に戻ります。あの長い地上通路もよく見ると、ちょっとした美術館のようで色々見どころがあり、この最後の3回の照射の後はじっくり色んな所を見て、楽しみながら帰って行きました。

金沢の地ビールと金箔のおつまみf:id:x-japanese:20210330122656j:image