前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

76.最終日

朝起きて最後のウォーキングをして、最後の朝食。そこで皆さんに今日で退院の挨拶をしました。仲良くなった方達とは、連絡先の交換まではしませんでしたが、お互いの頑張りにエールを送りあいました。

今まで退院していった患者さん達には、本当にこの治療で良くなっていつまでも元気でいて欲しいと思ったものですが、今日自分が皆さんから同じようにされてみると、本当に感慨深いものがあります。殆どの方が前立腺治療なので、同じ苦しみを持ち同じ治療をしてきたので、何となく連帯感ができていて、少しこの場を去る事が寂しい気分になりました。

皆さんに別れを告げ、そして、後は照射のお呼びがかかるのみ。病室に戻り、排尿記録カードを準備してお呼びを待ちます。この排尿記録カードもあと一つ空欄があるのみ、こんなものまでが懐かしく感じます。

すると私の声掛けが効いたのか、今までで一番早い10時半位に看護師さんがやってきて、「最後の照射ですね、長い間お疲れさまでした」と、声を掛けてくれました。病院の気遣いなのか、偶然なのか、かなり早い時間に少し戸惑いましたが、最後の照射に向かいました。

長い地下道、少し古いエレベーター、ちょっとお洒落な地上通路、近未来的な新治療研究棟、その全てを懐かしく思いながら、受付へ向かいました。最後は医師、重粒子の機械、その他の全てに感謝を込めて、照射を受けました。

最初の頃、あれだけ緊張したのに最後はあっと言う間に終わってしまいました。そして、先生達にも今日で終了する旨の報告をし感謝の言葉を言い、新治療研究棟を後にしました。もうこの通路を通る事は無いんだろうなあ、と思いながら病室へ帰って行きました。そして最後に先生の診察です。診察は同じフロアの面談室で行いました。

夫婦で毎年参加している千葉館山のマラソン大会のゴール地点f:id:x-japanese:20210330175607j:image