前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

413.私の会社員時代、やってらんない記憶.83

暑い夏も終わっちゃいそうですが、今日は台風。本当に今年は天候に参っちゃいます😅。今朝の電車は空いてます。テレワークが推進されてるのでしょう。昔はこんな台風でもお構い無しに出勤でした😅。今はいい時代になりましたね😵。因みに私は敢えて出勤です。今の会社は無理して来なくていいと言ってくれますが、長年の会社員生活のサガか、こんな天気の時こそ、出勤しなければという気合いが沸いて来るのです。これは永遠に抜けないのかな〜😵。まあ、そんな事はどうでもいいです。続けてやってらんないシリーズ、勉強会での事例を書こうと思います。

これらは、退職する前に付き合いで出た勉強会の内容です。なので最近の事例です。相続税は、単に所有する財産に税率を掛けるだけで計算されるのでは無く、様々な特例という物があります。例えば、一番ポピュラーなのが、自宅に関する特例です。住んでいる自宅に関しては条件さえ当てはまれば、何と80%も財産の価値を引いてくれるのです。これは都会になればなるほどメリットが出て来る特例です。そしてこの特例を使った相続対策を専門家が勧めて、大変な事になった事例を書こうと思います。

山手線の内側と言えば、少し広めの住宅なら、軽く億を超える財産となってしまいます。そしてこれが相続税に関わって来る訳ですから、住んでいる人にはたまらないと思います。こういった人達が相続対策で専門家に相談すると、大体がこの特例を使う事を勧められると言うのです。この特例が使えれば、例えば1億円の財産が80%減って2000万円となる訳ですから、こんなうまい話はない訳です。

しかしこの特例は、数ある条件で一番簡単だったのが、相続人、所謂、子供が同居するという事だったのです。それも自分の自宅を持っていない子供という事が条件だそうです。所謂、賃貸住まいの子供ですね☝️。まあ、よくこんな細かく決まりを作るモノだなあと、この時は感心してました😵。

この時の事例の依頼人は都心に住む老夫婦、子供達は既に独立して他の所に住んでいるというシチュエーションでした。そしてこの老夫婦が専門家に相続対策を依頼したのです。そして提案された物が、まさにこの特例。そしてこれを使うには相続する子供と同居しないといけないと説明したのです。それからが相続対策の始まりでした。

住まいは、都心の閑静な住宅街。昔から住んでいたので、自宅の価値が億を超え相続税の試算も税金が掛かるとの見解に老夫婦も驚き、取引の銀行に相続税の試算をして貰った所、思った以上の税金が掛かる事が判明しました。そこで銀行に紹介された専門家に対策を依頼する事になったのです。そして、例の如く、専門家はこの住宅の特例を使う事を提案します。しかし、この頃はこの特例の条件がコロコロ変わっていた時期のようでした。これについては国も、もっと大らかに考えてくれればいいのにと思うものですが、税金を取る国側からすると、そうは行かないようです。

そして、専門家が言うには、子供夫婦が同居すれば、この80%の減額が使えるとの事でした。二世帯住宅では全て適用出来ないので、同居しかないとの提案でした。早速、老夫婦は長男夫婦に同居の相談を持ち掛けます。しかしこれが家庭争議の元になってしまったのです。長男夫婦はまだ賃貸マンションに住んでいたので、長男としては渡りに船の格好になりました。都心の一等地に住めるなんて、妻も賛成してくれるだろうと、二つ返事で快諾したのでした。しかし妻としては、二世帯ならまだしも、今ある住宅に同居は勘弁して欲しいと反対します。さらにもう1人の兄弟が異議を唱えました。弟夫婦でした。同居となれば億を超える財産を引き継いだとも同然。弟の場合は妻に説明のしようが無い、「それは酷いんじゃない?」との異議でした。

私はこうなるともう収集が付がないと思いました。税金を安くする為に取った行動が家庭争議の元となり、今までいい関係だった家族間がギクシャクしていまったのです。これも、節税だけに目を向けた一方的な対策をした結果、こうなってしまったとの事でした。節税第一で、息子達、そしてその嫁の気持ちなど二の次にした結果が、トラブルを招く事になったと言うのです。それではどうやって行えばいいのか。

この勉強会では相続対策は時間を掛ける事が必要と言っていました。単発の対策では、こういったトラブルが発生する可能性が大きいとの事でした。時間を掛けて、〇〇家の方向性を子供達に知らしめて行く事こそ、相続対策の第一段階なのだそうです。この家をどう引き継いで行くのか。引き継がないと言う選択肢も可能性の中に入れて、誰が引き継ぐのか。その為にはどうすればいいのか。この気持ちを共有させる環境作り、環境の醸成が必要なのだと説明していました。

こういった相続関係の仕事は本当に大変だなと思いました。しかし我々の仕事も、このように一方的に見てしまうと、大変なトラブルや苦情に巻き込まれるのは周知の通りであり、やはり計画性とコミュニケーションが必要と、改めて思ったものでした。

そして、この勉強会は、久しぶりに参加した事もあって、中々興味深い話が多かったのです。以前、営業の勉強会で、「失敗事例を聞いて何になる!」と言って、成功事例のみ聞く事を推奨していた人もいましたが、こう言った相続対策や節税は失敗事例は大変為になり、とても興味深いと思いました。なので続けて何例か書こうと思います。

都心に住むのも大変なんだなあと、最近は思っています😅f:id:x-japanese:20221025090050j:image