前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

400.私の会社員時代、やってらんない記憶.78

今回は400回記念。よくまあここまで書く事があったなあと我ながら感心する次第です。よろしかったら引き続き読んでいただければと思います🙇‍♂️。

続いては、やってらんね〜と言った物では無く、私が会社員時代に、「それは酷いんじゃないの」って思った事を書こうと思います。主に顧客の事案で税制に関するの事が多かったのですが、実際にあった事なのです。確かに国の決まりはそうなのは分かりますが、そんなの皆知らないって事が昔は多々あったのです。顧客から見ると、やってらんね〜だろうな、と思った出来事を書こうと思います。

今でもまだまだそんな事は多く聞きます。私でさえ、最近で言えば年金の事に驚かされています。頑張って再就職をして収入を得ると、その分公的年金を減らされるという変な仕組みがある事を聞かされました。この国は労働力が足りずに高齢者の人達にも働いて欲しいと言っているのに、収入があると年金が減額されると言うこの仕組み。何か変ですよね😵。働く事に対する仕打ち(最近では罰金などと言われてます😵)と言っていい位だと思います。この辺り、「この程度の収入があれば十分だろう」といった国の上から目線と言うか、そんな物を感じます。我々のような高齢者で稼げる人は更に稼ぎ、使ってもらって経済を回すなどという考えは、毛頭無いように感じます。

確かに我々が不勉強な部分もあります。この収入制限に引っ掛からずに公的年金が貰える方法があるようですが、この国の制度が複雑過ぎるという事も言えると思います。大体年金につても周りに聞いてもしっかり答えられる人がいないのです。これ自体異常だと思いました。やはり、もう少し国の方は国民に対して周知する努力をして欲しいと思います。伝えれば終わりでは無く、しっかり国民に伝わっているのかという目線でやってほしいと思います。

またまた脱線してしまいましたが、本題に行こうと思います。まずは皆さん、「自社株」って言葉、ご存知でしょうか?。一般的な人達にはまず馴染みの無い、また関係の無い言葉だと思います。しかし会社の経営者の方々には大いに関係のある言葉なのです。これも説明すると長くなるのですが、会社は設立の時に、元手となる資本金を募ります。しかし第三者がお金を出してくれる事はまずありません。そして大体が設立する社長が殆どを出資するのです。例えば資本金を1000万円として会社を作るとすると、殆どが設立者である社長がお金を出して、株式会社を設立します。そのお金で会社は動き出すのですが、その出したお金と引き換えに会社が株式という証券を発行するのです(発行しない場合も多いです)。

ここで相続の問題です。例えば、設立後間もなく社長が死んだ場合、この株式の1000万円はそのまま相続財産となるのですが、社長が元気でその後、この会社の事業が上手く行き、優良企業になり利益も出て会社に財産が溜まって来ると、この株式の価値はどうなるでしょうか?。別に上場している訳でも無いので、そのまま1000万円の価値で変わらないと思いませんか?。しかし、ここに大きな思い違いがあるのです。正解は、会社が成長すると上場会社と同様に株価が上がるイメージになり、株式の価値は1000万円では到底済まず、下手をすると億単位になってしまうのです。こんな事、誰が想像するでしょうか。今でさえ、自社株の話題はメジャーになっていますが、20年位前まではそれ程でも無かったのです。

そして実際、私の顧客にこの自社株問題で大変な事になってしまった会社があったのです。これは2000年になる前年のある日、世間は終末期だのミレニアムだのざわついていた頃の話で、私がある会社に訪問した時の事です。その会社はかなり高齢な創設者がまだ社長をやっていました。そして後継者は息子がおり、専務をしていました。いつものようにアポイントを取り、その時間に社長室に入った時、社長の様子がおかしかったのでした。とても話が出来る感じでは無く、挨拶だけして早々と部屋を出たのでした。その時は理由が分からずに、後日、息子と話す機会があったので聞いてみる事にしたのです。すると息子も暗い表情でした。その内容を聞くと、それは信じられない物でした。

当時、取引銀行に息子への事業の引き継ぎの相談をしていたそうで、その銀行から自社株の試算を勧められ、その結果、その価値が何と約3億円になっていたとの事でした。1000万円と思っていた資本金が3億円の価値?。一体どういう事なのでしょう。更に、相続が起きた時、この価値が相続財産の金額になるとの事なのです。すると、相続税は大変な金額になる事が分かったのです。これに社長は唖然として、それ以来、鬱状態になってしまったとの事なのです。社長は、「一生懸命に仕事をし、無駄遣いせず爪に火を点すように経営をして来た。そしてやっと世間に通用するような会社になった。その結果がこの相続の税金か!」と言ったきり、塞ぎ込んでしまったとの事でした。

これには私は唖然として言葉が出ませんでした。更に私がびっくりしたのは、この自社株は上場の株とは違い、現金にならないとの事なのです。それではどうやって相続税を払うのでしょうか?。現金をかき集めてもとても払える金額では無かったようでした。これには、「それは酷いんじゃないの!」と思いました。こんな大事な事、国とか税務署とかは、ちゃんと周知しているのかと思いました。結局、この社長は、これをキッカケに認知症のようになってしまい、社長の座を息子に譲る事になってしまったのでした。

何という酷い出来事だと思いませんか。今でさえ、色々な税理士やコンサルタントが、このような対策を行っていますが、この頃は顧問の税理士でさえ良く分からない事があったのです。そして、更に酷い事が、この息子に降り掛かるのでした。

昔の人達の色々な苦労により、今が良くなって来ているんだと思いますf:id:x-japanese:20221012164313j:image