前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

96.初めて感じる違和感

この1年半コロナ禍が続いていますが、私のような普通の小市民が世間から冷たい迷惑そうな悪意のある視線を感じる事が増えて来たように感じています。これは皆さんにも通じる事ではないでしょうか? 例えば電車内での咳、クシャミ。特に私は退職し再就職した前後、喘息気味となり咳が出るようになってしまった時、熱も無くマスクをしているにも拘らず、まるでコロナ患者を見るような目つきで周りから睨まれたり、自分の周りから人が離れて行ったりしました。時には悪態を突かれそうな場面もあったりしました。マスクに「私は喘息です」というメッセージが書かれた物をしようかと思った位です。

さらに、ランニングです。これは当初、コロナの正体が分からずどのように感染するのかが分からない為仕方なかったとは思いますが、イメージで報道されていたように思います。最初に感じたのは、ワイドショーでのランナーに対する報道の直後でした。いつものように土曜日の夕方、妻と2人でいつもの公園にジョギングに出掛けた時に、何かと視線を感じるようになりました。あからさまに私達を避ける人も多くなり、自分達が何か悪い事でもしているような気分になって仕方ありませんでした。

その後も世間ではランニングが飛沫感染を誘発するというというような情報が駆け巡り、風当たりが信じられない程ひどくなり、暫くはランニングの格好をしてウォーキングしているだけでも周りから白い目で見られる感じがしました。テレビでもワイドショーが頻繁にランナーを映し、まるでコロナを撒き散らしているような報道をしていました。公園でも日に日にランナーを見かけなくなり、この時に初めてマスコミを初め報道の怖さを痛感しました。今までこのような自分の身に降り掛かるような経験をした事がなかった為、これから先の事を考えると本当に怖かった覚えがありました。 

また、お酒についてもやり過ぎではないかと思う位、制限や締め付けが強まって行きました。居酒屋も閉まってしまい、外で飲めなくなって随分時間も経過し、友人ともすっかり会えなくなってしまいました。また通勤帰りに、お小遣いに余裕がある時などには、たまに座席指定の特急に乗り缶ビールを買い家路につくのがささやかな贅沢でしたが、そんな時も、隣の方から凄い目で睨まれあからさまに嫌な顔をされる事がありました。近くの座席では結構な声で話している人がいるにも拘らずそちらの方には何のリアクションも無く、缶ビールを飲んでいるだけでまるで非国民のような対応をされる事に半ば諦めの境地になりました。

これらの経験をまとめると、マスコミの報道が原因になっているんだろうと思います。お酒を飲んだだけでは飛沫など飛ぶ訳もなく、おそらく「お酒=騒ぐ=飛沫」という図式なのでしょう。ランニングに対してもそうです。「吐く息=飛沫を飛ばす」という図式なのでしょう。これらはイメージで報道されているように感じます。所謂煽り報道と言われるものです。これらの報道や対応に、逆に専門家の間でもちゃんとしたエビデンスに則った説明をすべきと言う人達も最近は増えてきて、まさにその通りだと思う今日この頃です。本当の情報はどこにあるのでしょうか? これからはテレビや新聞からネットの時代になると言われていますが、この情報の見極めが本当に難しい時代になるなあと実感しています。

近所の多聞院の手水舎。コロナで使えなくなった為、花が飾られていましたf:id:x-japanese:20210826131917j:image