前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

493.私の愛車遍歴の思い出、7

家にトラックがあったので、車の運転は専らこれらのトラックを使ってやっていました。お陰で随分と運転は上手になり、また配達をしていた事もあり道も随分と覚えました。そして兄の影響もあり、少しずつ色気付いて来て、デートに誘ったりする女性とかも出来たりもしました。当時の我々の年代の、女性とのデートと言えばもちろんドライブ。そして、高校の時のような「鉄チャンデート」で失敗しないように(213回目のブログをお読み下さい😅)、自分も女性とのデートでは、絶対にドライブに行こうと思うようになったのです。しかし、まさかトラックでデートをする訳には行かないです。運転には自信がありましたが、女性を乗せる車が無いのです。レンタカー等は何か敷居が高そうで、とても借りるなんて無理。何とか乗用車と言う奴を用意する事は出来ないかと、悶々として過ごしていたのです。

そんな時、救世主が現れるのです。それは会社の社員さんでした。家の手伝いで配達の準備をしていた時に、デートの話をしたのです。すると社員さんが「それなら貸してあげようか」と言うのです。当時は車の貸し借りはそれほど珍しい事では無かったように思います。今では保険の関係もあり、事故を起こしたり車をぶつけたりなんかしたら面倒な事になりますよね。しかし当時は結構車の貸し借りなんか普通に行われていたように記憶しています。私は「いいんですか?」と軽い感じで聞き返すと「いいよ」の返事。私はその時に、また付き合うようになった彼女とのデートにその乗用車を使いたいと思い、デートの日程を決めて借りる事にしたのです。

その車は、ニッサンのオースターと言う車種で、聞いた事が無い乗用車でした。当然ネットも無いのでどんな車なのか知らないし、調べようもありません。そして当日、その社員さんから鍵を貰いました。確認の為、駐車場に行くとその車は止まっていました。2ドアの中々カッコいいスポーツ車のように見えました。中を覗くと、シフトレバーもトラックとは違いコラムシフトでは無く、フロアシフトです。教習所と同じなので懐かしい感覚でした。しかし色は結構地味な薄い緑色いうかベージュ色と言うか中々微妙な色。こんな赤だったらカッコ良かったのにと思いました。(この写真は車のパンフレットから引用しました🙇‍♂️)f:id:x-japanese:20230617215725j:image

しかし贅沢は言えないので、改めてお礼をして借りる事にしたのです。そしてその時に社員さんから一つだけ注意がありました。

「セカンドギアの入りがちょっと悪いから、気をつけて」。私はその言葉にあまりピンと来ず、そのままデートの約束をした彼女の待つ学校まで出発して行ったのです。そしてドライブの定番、湘南の海まで出掛けて行きました。季節は初夏で気持ちいい季節でした。そしてその日は私は学校をサボって準備も万端。道は空いてるし湘南の海岸辺りも空いています。気になっていたセカンドギアも特に問題無く、デートは順調に行ってました。

海岸沿いのドライブはムード満点。景色はいいし道は空いてるし最高のデートとなりました。鉄チャンデートとは大違い。そして、この日は初めてのドライブデートだったので結構疲れるだろうと、ボロが出ないうちに早めに帰路に着き、家まで送ろうと思っていたのです。しかしその帰路の途中に、落とし穴が待っていたのでした。上り坂を走っていた時です。前方で急に止まる車がありました。私はビックリして減速しました。そしてその車を追い抜き、加速するために4速から2速へシフトダウンをしました。するとここでシフトが入りません。いくらレバーを2速に入れようとしても入らないのです。

車はクラッチを切ったまま(この状態を説明すると長くなるとで説明は省略します🙇‍♀️)、ニュートラルの状態ですから、直ぐに速度が落ちて来ます。すると後続の車がクラクションを鳴らしたのです。これには私は少しパニックになり、更に慌ててシフトレバーを操作。やっと2速に入ったと思ったら、既に速度は止まりそうでした。すると今度は2速では厳しい速度です。すぐにノッキングの症状(低速域でシフトが1速より上だとエンジンに負担が掛かり、車が前後動して最悪エンジンが止まってしまう現象です)、になり久しぶりにエンストしてしまいました。すると後の車からクラクションの嵐(クラクションも当時はよく使われていました😵)。

すぐにエンジンを掛けますが、今度はエンジンが掛からない。あまりアクセルを踏み過ぎるとガソリンがエンジンに供給され過ぎ、点火しずらくなるのです。私は完璧にパニックになりました。止まったまま悪戦苦闘しますが、車はびくともしません。道の真ん中に立ち往生した状態です。後の車は私を睨みながら横をすり抜けて追い越して行きます。私は呆然としてしまいました。彼女も何か言っていたのでしょうが全く気が付きませんでした。後の車が居なくなり、少し落ち着いて来たのでまたエンジンを掛けてみると、今度は掛かりました。恐る恐る1速に入れクラッチを繋ぐと車は動き出しました。そして路肩に車を止め、暫くハンドルに突っ伏していました。やっと落ち着いて来たので、彼女に話し掛ける事が出来たのでした。

「ごめんね。大丈夫だった?」と言いましたが、心の中では「またやらかしちゃった😔」と思いました。これでまたカッコ悪いと思われて、この人とはフェードアウトしてしまうのだろうと思っていると、彼女はそんな事は無く、逆に私を気遣ってくれたのでした。これには大感激😀。こう言った時に逆ギレされたりとか、カッコ悪いとかの態度を取られると、男性というモノは萎えてしまう物です。このドライブによってこの女性を改めて好きになり、その後も猛アタック。この酷い経験もいい思い出となり、これを機会にますます乗用車に興味を持つようになりました。