前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

487.私の愛車遍歴の思い出、2

この頃の我が家もご多分に漏れず裕福な家では無く、自家用の乗用車は無く、車と言えば会社にあるバンやトラックのみ。免許を取り立ての頃は、このトラックとかバンを休日に借りて、友人を誘いドライブへ行ったモノでした。よく乗っていたのが当時の日産の「ダットサン」のトラックでした。まず1回目はこのダットサントラックを書こうと思います。

この車は、運転席がひとつの平らなシートになっており、背もたれはほぼ垂直。お世辞にも乗り心地はよく無く、後部座席は無く後ろが荷台になっている小型トラックです。しかしボンネットもあり、運転しているだけなら乗用車を運転している気分に浸れます。また、後ろが荷台だった為、後方の視界が良かったのがとても助かったのです。運転席の後ろには窓が広がっており、振り返ればすぐに後方の視界が入って来ます。駐車場に入れる時なんかはとても助かり、免許を取ったばかりの私はこのダットサンが気に入って結構乗っていました。コラムシフトなので(当然マニュアル車です)、運転席に3人乗れるので、土曜日の夜なんかはこの車で友人の家まで迎えに行き、そのまま第三京浜とか横浜新道に乗り、江ノ島とか湘南海岸の方まで遊びに行ったモノでした。

この車、結構スピードと言うか加速がいいのです。パワーとか排気量は忘れましたが、荷台に何も積んでないのでその分パワーに余裕があるのか、とにかく早い。交差点で停車して信号が変わると、よく隣の車とスタートダッシュの競争をしたモノでしたが、普通の乗用車にはそれ程負けなかったのを覚えています。さすがに高速では時速80㎞を出すとエンジンが唸って来ますが、男友達と運転の練習方々ドライブするのには十分な車でした。時には当時付き合っていた彼女なんかも、ダットサントラックに乗せてドライブなどもしていました。よくこんな事をやって彼女も付いてきたと思います。

しかし、貨物運搬というくくりの車なので、サスペンションが硬かったのです。当然重い状況で安定する車と言う事になります。しかし荷物が無く軽いと、その分車は少しの凸凹でもガタンゴトンと飛び跳ねます。当時は舗装の悪い道は結構多く、そんな道を走ると車は上下動が激しくなり、運転席では天井に頭をぶつけるくらいに飛び跳ねてしまう事もありました。すぐ隣に友人などがいると、本当に肩や身体がぶつかりあってしまう位に上下左右に揺さぶられ、長距離などを走ると結構疲れるドライブとなったのも思い出深いです。

またエアコンは当然無く、窓ももちろんパワーウインドウでは無く、取って(手回しハンドルと言うそうです😵)をくるくる回す手動です。今考えると、夏なんかエアコンも無く、皆さんよく乗っていたと思います。また当時はタバコの全盛期。車の中の灰皿はいつもタバコで一杯。ガソリンスタンドに行くと灰皿の掃除は当たり前。しかし、タバコの匂いが車に染み込んでいて窓を開けていても消えません。私はタバコを吸わなかったので、それだけはキツかったのを覚えています。しかし、このトラック、サイズ感が免許取り立ての私にはとても使いやすく、本当によく乗っていました。

父や会社にも無断で、本当に勝手に乗って行ったモノでした。当時このダットサンは会社に3台あり、一応、それぞれ社員に割り当てられていました。夕方会社が終わると、事務所に入って適当にダットサントラックの鍵を持って来て、キーが開く車を乗って行ったのです。そしてこのダットサントラックで初めて気がついて感動的だった事が、同じ車なのに性能と言うか走りと言うか、全く違うのを感じた時の驚きだったのです。

これは鉄チャンをやっていた時にSLの話を聞いた時、同じ機関車の種類でも運転しやすい機関車と、逆に運転しづらい機関車があると聞いた事があるのです。そんな事ってあるのかなあとずっと思っていたのですが、このダットサントラックが正にそんな感じだったのです。年代も形式も同じ車なのに、ある一台はとてもエンジンが回るというか噴けると言うか、アクセルを踏むともの凄く回転が上がるのです。なので信号でのダッシュも大体が勝てるのですが、ある一台はそんな事は無く、アクセルをいくら踏んでも回転は上がらず、ちょっとかったるい走りとなります。なので信号ダッシュは勝てないのです。何で同じ車なのにこんな事が起きるだろうと不思議に思ったのでした。

しかしその原因は、色々と探って行くうちに普段の運転のせいだと分かります。エンジンが回るダットサンの運転手は所謂性格がせっかちで運転も粗い。営業や配達に出る時は、思い切ってエンジンを噴かしタイヤを鳴らして出発して行きます。見ている方はヒヤヒヤもの。片や、大人しいダットサンの運転手は、結婚もして子供もいる穏やかなおじさんでした。この人は事故を起こすまいと、ゆっくり出発。いつもとても慎重に運転をする人でした。これはブレーキが効きにも同じ事が言えました。こんな運転の違いが、車の性能も変えてしまうモノなのかと、すごく不思議だった思い出がある車でした。

その後、ある車のディーラーで、「暴走族が乗っている車はエンジンの噴け具合が最高」と言っていたのを聞いた事がありました。車も運転する人の環境によって、性能が変わるモノなんだと認識し、これは人間にも当てはまるなあと思ったのでした。同じ人間でも、環境によりその後色々と変わってしまうと言う事を、妙に思わせてくれたのがこのダットサントラックなのでした。この車はそういった意味で、鉄チャン同様、その後の人生において「環境」と言うキーワードを意識させてくれてたと思っています。f:id:x-japanese:20230802231202j:image

何か今見ても乗りやすそうな車ですね😊。