前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

494.私の愛車遍歴の思い出、8

カッコいい乗用車に興味を持ち始めた私。そして他の会社の人もどんな車に乗っているのか知りたくなりました。すると、そのうちの1人が、とんでもない車を持っていたのです。それはロータリーエンジンを搭載した当時の高級車、コスモでした。豪華な内装、当時珍しかったエアコンも装備。そして何と言っても流れるようなボディは羨望の的でした。加速は当然ですがダットサン以上。そして、このかっ飛びダットサンの運転手が、このコスモを持っていたのでした。

この人はスピード狂だったようです。ある日、それに同乗させて貰いました。そしてこのコスモは半端なく早かった😳。信号が変わると今までに体験した事のない速さ。ロータリーエンジンを積んだこの車体は、加速ではまず他の車には負けません。車の雑誌を見てそれは知っていましたが、ここまで速いとは思いませんでした。この大きく重そうな車体をここまで加速されるのだから、余程のパワーもあるのだろうと思いました。f:id:x-japanese:20230618132933j:image

しかし燃費が超悪かった。先日、ドライブでお世話になったオースターは1600cc程度で、リッター10㎞程度は走りました。しかしこのコスモ、都内を飛ばしてドライブしたとは言えリッター3㎞程度。ロータリー車は燃費が悪いとは聞いていましたが、これ程とは思いませんでした。しかしこんな車でドライブしたら女性にモテるだろうな〜、なんて思い、貸してくれるのかと聞くとあっさり快諾。しかしこの時は一緒に行ってくれる女性が見つからず、仕方なく男友達数人で、とある日曜日、ドライブに出掛けました。

友人は、コスモと聞くと二つ返事で乗りたいと快諾。この頃は車好きな仲間も増えていました。結局3人連れて鎌倉の方へドライブへ行きました。そして、江ノ島辺りを走り快適にドライブして、家路に着こうとした時です。ガソリンの燃料計がEの辺りを示していました。距離的にこのまま帰れる燃料は無さそうに思いました。そしてガソリンスタンドを探しますが、当時は観光地では、土日となるとガソリン代が高騰する感じだったのです。

当時の東京近辺のリッターあたりの値段は150円前後だったのですが(今とあまり変わりませんね〜😳)、この湘南辺りでは180円を超えていたのです。たかが30円なのですが、これがとても耐えられませんでした。なぜガソリン代って、あんなにも少しでも安くと目の色を変えてしまうのでしょうか。私は、適当なガソリンスタンドを見つけ入り、少しだけ入れて、帰ったら近所のスタンドで満タンにして返そうと思いました。社員さんからは、遠出をすればリッター7㎞は走ると教えて貰っていたので、この時は帰るギリギリの燃料を入れようと思ったのです。当時はそれ程お金も無かったのでした😅。

当時のガソリンスタンドは、車が入って来ると元気のいい店員が走って来て車を誘導してくれます。そして決まって「満タンですか〜」と聞く感じだったのです。私は、今までガソリンを入れるのは会社と契約していた近所のスタンドでした。なので当然に会社のトラックでスタンドに行くと、「いらっしゃいませ〜、満タンですか〜」が当たり前の出迎えだったのです。そして私は考えてみると、そのスタンド以外でガソリンを入れるは初めて経験だったのです(オースターの時は会社のツケで入れちゃったのです😅。これも後でバレました😵)。

私は少し恥ずかしながら、「5リットルお願いします」と言ったのです。その時の店員の顔が今でも忘れられません。車を再度確認してから驚いたように、「5リッターですか?」。それはそうです。高級車の部類に入る「コスモ」で入って来れば大体が満タンをイメージします。それがたった「5リットル」です。私がそれに頷くと、店員は元気よく「5リッター入ります!」と叫びました。するとその他の店員がそれに呼応。「5リッター入ります」「5リッターありがとうございます〜」と波乗り挨拶です。これにはかなり恥ずかしくなりました。まるで「高級車を乗ってるくせに貧乏人が!」と言った感じで見られたようでした。ふと友人を見ると、友人も相当恥ずかしかったようで、皆うつむき加減でした。あっという間に「ガソリン5リッター入りました〜!」の声が響きます。気がつくと回りの車の運転手達も我々を見て笑っているようです。私は急いで、1,000円札を出しお釣りを貰い、思い切りアクセルを吹かしてスタンドを後にしました。

この事は友人の間で、後世語り継がれる事になったのです。未だにこの連中と飲みに行くと、この時の「5リッター事件」を話題にされ大笑いされます。そしてこれが教訓となり、資金的に余裕が出来るまでは高級車と呼ばれる車には乗らないと思ったのでした。今ではガソリンスタンドはセルフスタイルとなり、店員も出て来ず、セルフですから自分で簡単に入れられる時代になりました。そして機械で操作が行われるので、満タンはもちろん、金額優先、数量優先とかを選ぶ事が出来、それこそ「5リットル」を入れる事も簡単に恥もかかずに入れる事が出来ます。

最近、私はガソリンを入れに行った時、財布を忘れ、ポケットに500円程度しか持っていなかった時があったのです。一旦戻ろうかと思いましたが、とりあえず数リッター入ればいいと思い、3リットル入れました。すると機械は馬鹿にしたそぶりも見せず、大声を張り上げる訳でもなく、私は恥をかく事もなくせっせと補給してくれました。私はこれがあのコスモの時にもあったら、こんな大恥をかかずに済んだのにと、強烈に思ったのでした。今はいい時代になったと思いました。先日は、今度は金額優先で、1,000円で操作した所、スマートに数リットルとちょっと入って終了。これは本当にいい時代になったと思ったのでした。

このガソリンスタンドの機械。私は、これを考えた人は、昔の私のように、若い頃少量のガソリンを入れる時に嫌な思いをしたのかなあ、と思ったのでした。こう言った、「見返してやる」という感情はとても大切であると雑誌で読んだ事がありました。私もこのコスモ事件が、あのスタンドの社員に対して、「今に見返してやる」と自分の人生を頑張ろうと思ったのは間違いありません😵。