前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

473.私の会社員時代、やってらんない記憶.107

今年は年初から災害や事故が続き、心を痛める事が多い新年でした😔。もうこんな悲しい事は無いように祈りながら、またこのシリーズに戻ります。次は敢えて、この会社での悲しかった事を書こうと思います。残念シリーズでも良かったのですが、残念では済まないので、敢えて悲しかったシリーズとして書こうと思います😢。

この会社、と言うかこの国の会社の偉い人達の中には、何でこんな人がこのポジションにいるのだろうと不思議に思われる人が結構いるものです。そして弊社にも、あのバカ店長を始めコンプラ店長、方角大好き役員等、やってらんない人達もたくさんいました。こいつらが許せないのは、人間性と言うか仕事をしない、決断力が無いといった、会社や部下、また顧客に至るまで迷惑を掛ける奴等でしたから許せないのですが、ここで書くこの人は、私がまだ中堅営業になるかならないかの頃の本部の部長です。悲しいかな、人間性はとても良く仕事もバリバリこなす、本来尊敬できる人なのです。そしてこの人は上司達からの評判も良く、早々と出世もして本部に転勤、そして業績推進の部長になったのでした。なぜ悲しいのか、それは一言で言って「学が無い」のです😵。私も人の事は言えない方ですが、それにしても、です。

この業績推進の部の人達はよく現場回りをしていて、色々と劇を飛ばすものです。そして、この部長も自ら、部下を連れて店舗訪問も良くしていました。こう言った所も現場主義で、とても共感できるところです。私の店にも当然よくやって来たのです。そして我々営業部の連中ともよく会話をして、意見や提言なども聞いてくれるのです。そう言った意味ではとてもいい部長だったのです。そしてこの人、帰る時に店舗の全員を集めて訓示をして帰るのが通例だったのです。その訓示の中で、よく悲しい事が起きるのです。

ある日の事、部長の訪問も無事に終わり、夕方、恒例となっている訓示がありました。私は初めて聞く訓示でした。そして部長が訓示を話している時に、私は「ん?」と引っ掛かる事があったのです。周りを見ると、他の営業の連中もお互いに顔を見合わせたり、中には目が点になっている奴もいます。この部長、昔からこの訓示に、ことわざや慣用句、事例を入れる事が大好きなのですが、何と、その言葉が違っている事が多かったのです。

この時は、営業部の人達に向かって、些細な人との出会いも仕事に繋がるものだ、と事例を言っている中で、「振袖あうも多少の縁」と言っていたのです。それをまた何度も繰り返すものですから、何となくザワついて来たのでした。もちろん本来の言葉は「袖すり合うも他生(多生)の縁」または「袖振り合うも他生の縁」が本来の言葉です。「そですり」や「そでふり」が、「ふりそで」になってしまっているのです。また厳密に言うと「多少」の言葉も違っていて、本来は「他生」または「多生」なのですが、どうも「少しの」とか、「若干」と言った意味で捉えている感じなのです。

しかし店長は、この部長のそう言った事はよく知っており、部長に気づかれないように、必死に「静まれ」と言ったゼスチャーをします。訓示の終わり頃には皆、必死に笑いを堪えている姿に、「いい話をしているのに、何か勿体無い」と残念な気分になってしまいました。その後は営業室では、先程の部長の訓示での話で「何がふりそでだよ〜😂」と、盛り上がっており、悲しい気分になったものでした。

また他の日には、やはり訓示で、営業部の人達に向かって新幹線の話をしたのです。内容は、新幹線というのはすごいスピードで走るのはなぜかと言う問い掛けでした。それは全車両が電動車だからだ、誰かが電動車ではなく単なる付随車になっては力が削がれ早いスピードは出ない、よってそう言ったぶら下がり社員がいると店舗の力も削がれると言う話でした。私はなるほどと思ったと同時に、この人、鉄チャンだったのかと思って聞いていました。

そしてその後、やはり営業室で、先輩がこの話に突っ込んだのです。内容はこうでした。「全部が電動車だから早いスピードで走れるって、だったら都電とか市電はどうなんだよな〜。はやり一人一人の力も必要って事だ!」「あの部長、いい人なんだけど、ああいった話を顧客の前でもするんだよな〜」と言ったのです。確かに我々の前だけなら、冗談かよで済むかも知れませんが、これを顧客の前の挨拶とかで話していたとすると、それはそれは悲しくなってきたのでした。

こういった事は自分でも経験があるのです。月極(つきぎめ)駐車場を、「げっきょく」と読んでいた時期があったのです。それも社会人になってかなり経った時までです😩。ある日それを先輩から言われて顔が真っ赤になった経験があり、私はそれ以来、こう言った、漢字やことわざ、慣用句を使う時には事前に調べて使うようにした覚えがあったのです(今はネットですぐ調べられるから本当に良い時代になりました😊)。しかしこの偉くなった人には、誰が忠告出来るでしょうか。言えるとしたら社長位でしょうか。でも部長は社長に向かって訓示などしません。

結局、この部長は退任まで、こういった訓示を繰り返していました。そして、色々な顧客の会合や、新年会や忘年会の挨拶の場でも、このような言葉を使い続けていたそうです。何かいい人で立派な人格者なのに、社員達からは「学が無い」と言ってバカにされていたこの部長。仕事一筋、所謂仕事バカではやはり駄目なんだと言う事を実感させてくれたと思っています。それにしても悲しい事象でした😢。

読書は本当に大切です。私も若い頃、もっと読書をしておけば良かったです😅f:id:x-japanese:20230125085019j:image