前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

279.私の会社員時代、やってらんない記憶.30

こう言ったイジメやパワハラで心を病んでいる人はたくさんいましたが、その他にもイジメられてはいないものの、何だかやる気があるのか無いのか分からない社員もたくさんいました。所謂、ぶら下がり社員と言うのでしょうか。皆、それなりの大学を出てこの会社に就職して来ているはずです。私よりいい大学の先輩や後輩はたくさんいました。しかし、その日々の行動を見ていると、この人は何をやっているんだろうと思う人間がたくさんいたのです。

一言で言うと、言われた事はしますがそれ以外の事やそれ以上の事をまずやりません。上司から指示を受ければそれはしっかりやってくるのに、それ以外は何をやっているのか不明な人が多いのです。こういった人達は特にパソコンが導入された辺りから顕著になった感じがします。パソコンに向かっていると何となく仕事をしているように見えます。大体そう言ったハング社員は、パソコンに向かって何か考えている風を装い、時間が過ぎるのを待っていると言った感じに見えました。しかし後で、上司から何をやっていたか聞かれると、返答に中身が無い事が多いのです。そんな事なら早く帰れば良いのにと思いますが帰る訳でもありません。そして、やたらと早く出社もしてきます。こういった社員は、昔の景気の良かった時代はそれ程目立たなかったのですが、失われた10年、20年となって来ると、社会の環境も変わって来て、さすがに会社も今までのような旧態依然とした事を見直すようになって来ます。

その後の経費節減や働き方改革で、働く時間に対してうるさくなって来ましたし、効率化も叫ばれるようになって来ました。ダラダラと会社にいる社員は逆にチェックされるようになって来ました。夜はもちろん、朝についても早く来させないように変わって来ていました。するとそういった社員は、近所のマックやコーヒーショップに来ていて、店が開くのを待っているのです。そのくせ業績は上がっていません。後々その理由を聞いた事がありますが、通勤電車が混んでるから早く来ているという人もいましたが、大体がそれまでのペースを崩したくないと言った事を話してました。要するにその人達は、変化を嫌っている人達なのでしょう。変化を嫌うのですから、会社としても、この人達の意識を変えるのは大変だったと思います。しかし、こう言った社員は、あまり仕事をやらないのでミスも当然少なく、コンプライアンス上はいい社員という事になります。

こういった所謂「出ない杭」には、会社や上司は本当に苦労しているようでした。出る杭は注意したり、時には打ったり出来ますが、出ない杭はどうしようも無いのです。やらせるにしても具体的に指示しないと動かないのです。営業にはそれぞれ、オリジナルのやり方があるものです。いちいち手取り足取りなど、新人でもない限り上司だって時間が無いのです。私はこういった先輩達や後輩達が本当に不思議でした。顧客や上司から言われた事をやる毎日の繰り返し。自分から仕掛けたり工夫したりする事は無く、こんな事で生きてて楽しいのかと本当に思っていました。会社は時代と共に変わっても、こう言った変わらない社員も多かったのです。今でもぶら下がり社員はいるのだと思います。これは永遠のテーマなのかもしれません。

またこう言った社員の中で、時折、評価が高く上司や店長からもてはやされている社員もいました。それは所謂、資格魔です。朝も早よからマックに来て勉強、終わってもコーヒーショップで勉強。この社員の家庭はどうなっているのか、家に帰りたくないのか聞きたい位でした。中には営業をサボって図書館とかで勉強していた奴もいました。そして業界の資格はもちろん、関係無いような資格もたくさん持っているのです。それには古い人間程、賞賛していました。

私は大学も大した事無く、頭も決していいとは思っていませんでしたので、当初、資格についてはあまり積極的には挑戦していませんでした。まだ営業も中堅位の時は、そんな社員を見て大したもんだなあと思っていたのです。しかしある日、仕事上分からない事があり、偶然その関係の資格を取った後輩がいたので、聞いてみる事にしたのです。するとその反応にビックリ。「分かりません」の一言しかありませんでした。資格を取ったのではないのか聞いた所、そんなの忘れてしまったとの事。まさに勝てば官軍とばかりに、会社の資格取得の報奨金を貰ったらおしまいとの事でした(当時、弊社では業界や国の資格に拘らず、資格と言う物を取ると報奨金をくれたのです)。

私の資格は、顧客との営業に結びつける為に結構苦労して取った資格が3つあったのですが、この社員は報奨金欲しさだけの為に資格を取っていたのです。まあそれに対しては非難をする気持ちは無いですが、何の為?お金の為と言うのも、私は寂しい感じがしていました。お金なら早く頑張って出世して稼げばいいのに、こんな数万円の報奨金を貰って満足している連中が多い事に、この会社、大丈夫かと思ったものでした。

こんな素敵な夜景も知らない社員が結構いました。それだけ会社一筋の人間が多かったのだと思いますf:id:x-japanese:20220809230545j:image