前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

353.私のまた行きたい温泉、関東近隣編12

第11回目は箱根七湯の一つ、芦ノ湯温泉です。ここは言わずと知れた箱根駅伝の往路最後の難関で、よくテレビに映る芦ノ湯の町の温泉です。ここの温泉の雰囲気が私は大好きで紹介する事にしました。そしてここに来る時は、箱根駅伝の過酷さを是非実感してもらいたいと思います。往路最終5区のランナーは箱根登山鉄道風祭駅近くの、蒲鉾で有名な鈴廣蒲鉾の駐車場で襷を繋ぎ、国道1号を箱根湯本の温泉街を抜け、その後も数々の温泉街を駆け抜けてひたすら登り続け、約16㎞でここ芦ノ湯を通過するのですがその標高差を実感してほしいと思います。

芦ノ湯から少し先がこの道路の最高地点874mに到達し、その後ゴールのある芦の湖へと下って行きます。f:id:x-japanese:20230812202958j:image小田原は早川港が近くにある城下町で、そこは海抜はほぼゼロと言っても過言ではありません。そこから徐々に山に入って行き、中継地点の風祭駅は海抜36mとの事ですから、ここから800m以上を一人で登ってくるのが、箱根駅伝の最終ランナーなのです。東京スカイツリーが634mなのでそれよりも高みを目指して走る訳です。その過酷さは車はもちろん、箱根登山鉄道でも実感出来ます。3両編成の前と後ろでは約3〜4m高度が違うというそんな坂を電車も登って来る過酷な地形なのです。

この時の旅行は会社のあるグループの旅行に連れて行かれる感じで行きました(本当この会社は旅行がたくさんありました、笑)。そして副幹事のような事をやらされ、当時はランニングを始めた頃で箱根駅伝に興味を持つようになったので、私の考案したルートで、箱根の方に行こうと計画しました。小田急ロマンスカーで小田原へ向かい、早川漁港で海鮮丼を食べ、その後歩いて風祭駅近くにある箱根ビール蔵で一杯やって、芦ノ湯温泉へ向かいました。この箱根ビール蔵は今は「えれんなごっそ」と名前を変え、バイキング形式の店に変わってしまいました。

以前は箱根は来ると必ず寄っていましたが、前の形態が好きだったので今は行かなくなってしまいました。以前は色々と飲めるメニューが多く、その中でもアジの開き等の干し魚を七輪と一緒に持ってきてくれるセットがあり、目の前で焼きながらビールを飲めるという凄く楽しいビール園だったのです。それが変わってしまったのはとても残念でした。今はその代わりに鈴廣蒲鉾に行き、店内にある蒲鉾バーや立ち飲みで箱根ビールを飲む事が増えています。

この箱根ビールは数ある地ビールの中でも私はお気に入りなので、今はこの形態が気に入っています。ここにはお土産の箱根ビールもたくさん置いてあるのでいつも買って帰り家で飲んでいます。またえれんなごっその近くにはCAFE107という、引退した箱根登山電車が置いてあるカフェが出来ていますので、そちらはぜひ行ってみてはと思います。f:id:x-japanese:20230812202729j:image

芦ノ湯への道の説明に戻りましょう。風祭駅から電車で箱根湯本へ向かい、そこから登山電車ではなくバスに乗り換えます。そして駅伝ランナーが走っている国道1号芦ノ湖の湖畔、元箱根を目指しバスは走って行きます。このバスに乗ったら、是非前の方に座りその峠道を実感して欲しいと思います。湯本の温泉街を抜け、塔ノ沢温泉を通り過ぎる辺りから段々と上り坂がキツくなってきます。

そして町並が無くなり山の中へクネクネ道が続きます。駅伝中継でお馴染みの大平台の急カーブを超え、宮ノ下温泉の交差点を左へ曲がるとあの長い急坂、そして小涌園前を通過。一体いつまで坂を登って行くのだろうという位、坂が続きます。バスのエンジンも唸りっぱなしです。これを本当に一人で走って行くのだろうか。この5区のランナーだけはなりたくないなあと思っていると芦ノ湯のバス停に着きます。f:id:x-japanese:20230812202849j:image
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バスを見送ると、バス停の直ぐ脇に温泉街へ入る少し広めの道があり、私はその道の奥に温泉旅館が立ち並ぶ雰囲気がとても温泉っぽくて好きで、暫く佇んでしまった位でした。山間のこじんまりした温泉で夏でも気持ちよく、旅館も数軒しか無くとても落ち着いた雰囲気を醸し出しています。お湯も硫黄泉が主流で旅館によっては数本の源泉を持っている所もあります。f:id:x-japanese:20230812203127j:image
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鎌倉時代から親しまれている温泉だそうで、旅館も殆ど歴史のある建物で趣があります。近隣にも石仏や石塔も多く、さすがに歴史のある箱根だなと思います。道すがら箱根駅伝の過酷な道を見て感じて感心してその興奮の中、この静かな落ち着いた温泉街に辿りつくと、何とも言えない「夏草や 強者どもの 夢の後」という一句が浮かび上がって来ます。

箱根駅伝がなぜ皆の心を打ち続けるのかの秘密がここに来ると味わえると思います。他の温泉ではだめで、バスに乗ってこの芦ノ湯に来てそれを感じて、自分は5区の走者で無くて本当に良かったと感じながら、ゆっくりと芦ノ湯温泉に浸かる、そんな気分を味わって欲しいと思います。

箱根は小田急の特急でひとっ飛び。お湯といい利便性といい歴史といい施設の充実性といい、やっぱり一流ですねf:id:x-japanese:20210923153923j:image