前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

351.私のまた行きたい温泉、関東近隣編10

第9回目は那須温泉です。特に湯本にある鹿の湯という入浴施設が最高なビジュアルで、温泉があまり好きではない方もぜひ一度は入って欲しいと思います。この地域を車で走っていると一番感じるのは「お洒落」という感想です。軽井沢に雰囲気が似ている感じです。やはり那須御用邸があるので、皇室の影響力で貴賓がある町になるのでしょうか。

別荘地も多く、元祖リゾート地を実感する地域です。一方で鹿の湯の周辺に殺生岩という史跡があり、この周辺が草津温泉の賽の河原の景色とよく似ていて地獄のような景色であり、そのアンバランスさが那須温泉の特徴と思います。軽井沢の町の外れに草津温泉がある、そんな感じの温泉地です。

泉質も硫黄泉で草津とよく似てます。共同浴場こそないですが、その代わりに鹿の湯という、ここは東北の酸ヶ湯温泉かと思わせるような日帰り湯があります。建物も木造で趣があり、玄関を入ると直ぐに温泉に入りたいという欲求に駆られます。そして浴室へ行くとそこは目を疑う光景が広がります。まるで山の奥深い湯治場の風景に、ここは本当にあの那須温泉なのかと思います。

男性の浴室には6つの浴槽があり、全て木の世界、少し濁った薄緑色っぽいお湯にテンションは上がります。木戸を開けて入った所に入浴の心得が書いてあります。珍しいのは初めにかぶり湯という頭からお湯をかける所作です。それから入浴へと進めという事なのですが、硫黄の匂いが頭に残る為私はこれは遠慮しました。何故ならここは洗う事が出来ないのです。硫黄の成分が石鹸を泡立たさないようです。そして湯船を見るとそれぞれに温度が書かれています。最高温度は48度、眼を疑う数字です。

最初は41度のお風呂から入浴する事にしました。私が行った時はそれほど混んで無く、各浴槽に3〜4人入っていて、その浴槽の周りの木の床に休んでいる人も同じ位の人がいた感じです。心得に書いてあるように、腰まで1分肩まで1分首まで1分の所作で入浴し、一旦上がります。

立ち上がると湯気の中に湯治場の光景が広がり、その都度ここはどこか遠くの湯治場なのではと思ってしまいます。そして順番に42度、43度と温度を上げ同じ要領でお湯に浸かります。しかし、46度まで来るとかなりキツイ。48度に入っている人がいましたが、逆に身体に悪いのではと思う位でした。この浴槽、私は4っまででギブアップ。しかし冬なのに身体はポカポカ、温泉効果をもの凄く実感出来ました。

そして車でまた那須高原をドライブ。するとまたオシャレなお店が立ち並び、先程の湯治場の雰囲気はどこへやら。何か信じられないタイムスリップ感を味わう感じでした。そしてこの日の宿泊は可愛いペンション風のホテル。そこはまた変わった趣向の露天風呂があり、先程の鹿の湯とは全く違ったものでした。この那須温泉は都心からも近く、貴賓さ洗練さ可愛さの中にありながらあの湯治場の雰囲気も味わえるという、過去と現在が混ざり合っているような、そんな温泉でした。

しかし残念だったのが、銀河高原ビールを引き継いだ、「那須森のビール園」が無くなってしまった事です。私はこういった場所が大好きなので、いつか来てみたいと思っていたのです。ネットで調べると「那須高原ビール」はあるようなので、ぜひ行って来ようと思っています。

これとは別に、最近このような地ビール関係のレストランや、それに伴った宿泊施設が減って来ているように感じます。これはこの3年間のコロナの影響で、観光客が激減したのが原因なのでしょう。そして最近やっとコロナ禍から解放されたと思ったら、今度は人手不足が問題になっているようです。また最近はロシアのウクライナ侵攻から始まった燃料や農作物の値上げが、こういった業界をボディブローのように苦しめています。本当に早く平穏な世の中になってほしいと思います。

鹿の湯の先は、こんな感じの荒涼とした景色が広がっています。荒涼とした世界はこのような景色だけで十分だと思います(これは北海道の登別の地獄谷の写真です)。f:id:x-japanese:20210922174153j:image