前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

328.私の会社員時代、やってらんない記憶.60

バブルが弾けてその後の金融危機、日本の経済が縮み出してくると、弊社の販売枠にも影響が出てくるようになりました。土地の価格が下がって担保価値が無くなって来る事が頻発してきたのです。我々のような販売会社は土地の担保と言っても、金融機関のように有利で正確な条件で付けている事は少なく、この頃はかなり四苦八苦していた時期でもあったのです。

そんな中、変わった依頼が顧客からあったのです。その顧客は不動産を持ってはいましたが、所謂借地権というもので、土地は他人の物なので、建物だけ担保に取っていた顧客だったのです。本当は地主からの承諾を貰わないと有効では無いのですが、その辺りは見過ごされていたのです。その顧客から、家の土地を買える事になったので銀行から借入をする事になり、建物の担保を2番にして貰いたいとの依頼だったのです。

早速顧客に訪問して詳細をヒアリングしました。すると地主に相続が発生したみたいで、安く土地を売ってくれるようだとの話でした。そして銀行に相談したところ、すぐにオーケーしてもらったが、弊社に付いている建物の担保を1番で付けさせて欲しいという条件が付いたそうなのです。金額を確認すると、それほど大した金額では無く、2番抵当権でも弊社は十分担保価値が出る事案でした。今のままでは、建物だけの担保で地主の承諾も無いので、担保価値から見るとほぼ無いのと同じだったのです。これは担保の条件を改善する良いチャンスであり、もちろん土地にも2番抵当権を付ける事は構わないとの承諾も取りました。商売も小規模ながら暫くは続けるとの事でしたので、私は会社に帰り、その稟議書の資料を作り始めました。

そして問題は起きました。この時の店長が、269回目のブログのコンプラ店長だったのです。とにかく何か事を起こす事が嫌な店長だったのです。顧客からお願いされるような案件などは絶対にしなかった奴だったのです。まず事務に相談した所、すんなりOKが出ました。しかし問題はこのコンプラ店長なのです。案の定、内容も見ずに、1番抵当を2番抵当にするなんてふざけるな、と言う第一声でした。そして、絶対に決裁しないと言いまくります。私はこの経緯を話し、現状の説明もし、返って担保の状態も改善する事を説明しました。しかし全く話し合いに応じようとしません。そして終いには、土地を買ったら土地にも1番抵当を付けさせろと言ったのです。

我々はその言葉に、この横暴さはどこから来るものなのか、信じられない思いで店長を見ました。事務もこの時はさすがに私の後押しをしてくれました。今までの建物だけの担保だと、地主の承諾がないのでほぼ価値が無い。土地を買ってそれが2番になったとしても、そちらの方が価値が出て、弊社としてもメリットが出るという事を丁寧に説明したのです。しかし、店長は首を立てに振りません。

私は呆れ帰り、我が闘争を開始しました。まず、これだけ明確なメリットが出ているのに、なぜ反対するのかを説明して欲しいと言いました。しかし、店長には特に理由なんて無いのです。ただやりたく無い、それだけなのです。そして私は詰め寄ります。しかし回答は一緒なのです。とにかく余計な事はしないのです。仕方無しに、第一ラウンドの我が闘争は敗戦の形になり、顧客に連絡しました。その後顧客は銀行に相談、銀行は渋々OKしてくれたとの事で無事に土地を買える事になったのです。

そしてそれを店長に報告しました。すると、土地の抵当の件はどうした?と言って来ました。私はこの言葉にカチンと来て、我が闘争の第二ラウンドが始まりました。私が「顧客の依頼を断っておいて、こちらの依頼が言える訳が無いでしょう!」と言い放つと、店長はブチギレ気味に、これは店長命令だと大声で怒鳴り始めました。これには店内が一瞬シーンとなりました。私は「この案件については店長の否決の意味が理解出来ない。条件が改善するチャンスをわざわざ見捨てて、顧客も怒らせて、更に土地に抵当をつけろなどと、よく言えるものです。私はとても無理です。店長が自分で言いに行ったらいかがですか!」と言ってその場を立ち去りました。

その後は、それを見ていた営業の連中が、営業の部屋でやんややんやの喝采が起きました。私はこの件に対しては本当に店長を許せなかったのです。こんな横暴な対応が許されるのかと思いました。その後はこの件についての動きは無く、担保もそのまま。こいつこそ会社に損害を与えたコンプラ違反野郎だと思いませんか。あれは一体なんだったんだろうと、今思っても意味不明な店長でした。「やりたくない」のなら店長を降りて欲しかったと今でも思っています。

スイッチバックの路線のように、お互いに譲る心が必要だと思いますf:id:x-japanese:20220825231935j:image