前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

315.私の会社員時代、やってらんない記憶.52

ランニングがいよいよ佳境に入って来たので、テーマが色々飛んでますが、続いての話は、これは私が本部の店の支援をする部署にいた時の話です。ある店から相談があり、その担当者と一緒に、顧客に訪問する事になったのです。ちょっと長くなりますが、以下のような内容だったのです。

それは、顧客が会社を立ち上げた時に世話になった人から、会社の後継者になってくれと頼まれているとの事でした。まあ同じ業種なのでハードルは低いと思いましたが、これは金融機関とかに相談した方がいいと言いました。しかし顧客は、既に取引金融機関には話をしたそうですが、資料が無いと何とも言えないと言われてしまったようでした。仕方無しに話を聞いていると、単に後継者になって欲しいのではなく、会社を買ってくれとの事のようでした。それなら尚更お金の問題となるので、銀行やM&Aの業者の出番です。しかしその土俵に乗らないので、弊社に相談をしたとの事でした。

相手の趣旨がどういった物なのかが分からないので、私がその会社の社長に会いに行く事になりました。数日後、社長に会いその趣旨を聞いた所、ズバリ後継者がいないとの事でした。そして、その会社は有名な会社と取引があり、取引口座もたくさん持っているようなのです。業歴も古く、有名な会社の社長や役員クラスのネットワークもあるとの事でした。こんな会社を閉めるのは勿体無いとの事で、弊社の顧客にこの会社を継がないかと話したとの事でした。

私は矢継ぎ早に、その後継の条件を聞きました。すると億単位のお金の話をしました。私はそんな金額は銀行が関わってくれないと無理と話しました。それにはまず御社の決算書が必要と言いました。所謂M&Aの話であり、言い値で買う人など居ないのです。買う側も決算書や資産の精査を行い買い値を出し、双方交渉の上、金額を決めるのが主なやり方なのです。そして値決めの決定権は買い手が持つ事が一般的なのです。それは買った後のリスクを全て買った方が追うからなのです。その話をすると決算書はあげられないと言うのです。私はそれなら話は進まない事を説明しました。とりあえず、その件が何とかならないとこの話は進まないと言って、その日は帰りました。

その後、電話での話し合いが数回ありました。相変わらず決算書は出さない、しかしこんな取引先があるとか、どこどこの役員とは懇意先だとか、そんな話をしています。こちらに言われても困るのですが、私はガンとして、まず決算書をと言っていました。すると最後に、弊社が取引先の顧客に対して、どれくらいの販売枠があるのか教えて欲しいと言われました。なぜかと聞くと、引き継いだ後に商売が回らなくなったら可哀想だと事でした。そんな事は弊社から言える訳が無く、顧客にその情報を伝え顧客から社長に伝える旨を説明しました。

何でこんな事までするんだと思いながら、私は店の了解を得て顧客に信用枠を教え、先方の社長にこの数字を伝えて下さいと言いました。それ以降、暫くその話は無くなっていました。すると突然電話で、怒鳴り口調で私にこの社長から苦情が入ったのです。「なぜ私に信用枠を教えないのか、いつまで待たせるのか!」という趣旨でした。私は突然の言い分に結構ビックリ。その内容は顧客に伝えてあり、その顧客から社長に伝えるようにしたと説明しました。しかし、何だか怒りが収まりません。私から直接聞きたかったようなのです。

私もこうなると負けません。こちらに落ち度は無く毅然とした態度で言い返します。「数字を知るという結果は同じだろう、大体アカの他人に顧客情報を喋れる訳がないだろう!」。こうなると相手も更に凄みます。私もどんなに凄まれようと引きません。「大体M&Aで決算書を出さない事自体、問題外だ。これ以上商売の邪魔をするな!」。すると相手も負けません。私に向かって、俺に直接話すと言ったから待っていたと言い出します。これには呆れました。その後も、「あんたが直接言ってくるのを待っていた」と、何度も言って来るのでした。こうなるとただのイチャモンで、付き合っていられません。そしてこう言った苦情は、同じ土俵に乗ってはいけません。それについては見解の相違なので、その件に対しては謝る旨の話をします。しかし、本来の会社の件については決算書が無いと進まない旨をハッキリ言いました。それっきりその社長からは連絡はありませんでした。

一体何が目的だったのか、顧客に確認してもそれ以降はその話は無くなったのとの事でした。時折、このような、凄めば何とかなるというパターンのクレーマーが現れます。こういった輩は、話術と押しと大声でやたらと煽って撹乱し、何かしらの好条件をゲットする事に躍起になります。私の会社員人生の最後の方は、こう言った輩の対応の研修が本当に多くありました。嫌な時代になったものです。何事も毅然とした態度と冷静な対応を心掛けて、最後は会社全体で対応すれば問題無いのですが、こう言ったクレームは本当に精神的にも時間的にも困ったものでした。

最後は自然と同じ摂理で動けば間違いは無いと思います。f:id:x-japanese:20221218222633j:image