前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

295.前立腺癌、重粒子治療体験記、経過観察8回目

ここで久しぶりの本題、経過観察の話です。早いもので治療から3年半が経過、8回目の経過観察の日がやって来ました。経過も順調なので、大体半年に一度ペースで診察は落ち着いています。更に、経過観察では殆どがPSA値を追う事が主になるので、最近では事前の血液検査で大体の診察結果が分かるようになって来ています。あとは便に血が混じるか、夜間の尿の状態、その他体調の変化を聞かれる程度です。

そしてこの血液検査ですが、最近は血圧の薬を飲んでいるので、こちらの方でも定期的に血液の値を追う必要があるとの事で、この検査にPSAを加えてもらい、対応出来ているのです。例の病院には既に2年近く行ってなく(97回目のブログをご覧下さい)、このまま体調もいいので、暫くこんな感じで対応して行こうと思っています。その血圧も、最近は薬のお陰で110〜120辺りで推移しており、こちらも順調。先生に先日の血液検査の時に、出来れば血圧の薬を減らしたいと言いましたが、これから寒くなる時期なので止めた方がいいとの事。暖かくなって来たら考えましょうとの事でした。

この血圧、薬の効果もそうですが、最近はランニングの効果も出始めて来たのかと思います。そして、血液検査ではPSA値もそうですが、もう一つ気になる数値があるのです。それは肝臓の値のγ-GDP値です。最近ランニングを本格的にやるようなって、お酒の飲み方にも注意を払っているので、前回より改善しているのかがとても気になっていました。それとは反対に、内臓に負担を掛けるランニングなので、この数値や他の内臓の数値が悪くなっていないか、とも思っていました。

結果は、γ-GDPは念願の二桁までに落ちており、正常値まであともう少しの所まで来ていました。全体的に何とか問題無いとの先生の判断を貰い、ホッと一息。しかしその後先生から一言。「昨日、夕食をしっかり摂ったでしょう?」。確かに中性脂肪の値がかなりオーバーしていました。実は当日の朝、家を出るまで、その日の血液検査の事をすっかり忘れていて、病院に着いて気がついたのでした。昨日の夕食どころか、今朝の朝食までしっかり食べて来たのでした。これには反省しきり。先生は笑っていましたが、次回からはしっかり対応しないとと思ったのでした😅。

そして、今回のPSA値は0.277。前回が0.2程度でしたから、結構上がっている事で少し心配していました。こういった心配は本当に嫌なものです。この前立腺癌の始まりもこんな感じだったので、これは恐らくトラウマになっているのでしょう。QST病院に行くまでの間は多少のストレスが掛かっているのが分かる位でした。

経過観察当日は、午後休暇を取ってQST病院がある稲毛まで向かいました。段々と体調の心配が無くなる程、やっぱりこの病院の場所は遠く感じます。会社からは約1時間半、家からだと約2時間は掛かります。そして稲毛駅に到着、いつもの道を歩いて病院へ向かいます。すっかり整備された道路を歩き正門を入ると、前回は工事中だった建物が、すでに出来上がっていました。そして病院へ入ると、そこには結構な患者がおりました。これは結構待つようかな、と一瞬思いましたが、殆どが新患の人だったようで、所々で看護師さんが患者に説明をしていました。この光景を見ると、あの時の初診に来た時を思い出します。心配そうにしている皆さんに、治療するとこんなに元気になるよ、と言いたい位になります。

そして受付を済ますと、直ぐに呼び出しが掛かり診察が始まりました。大体いつもは1時間前後は待たされるのでこれには少しビックリ。いつもは、多少の心の準備をして診察を待っているのですが、この日はそんな事をする暇も無く診察が始まりました。診察は事前の予想通り問題無しとの事。心配だったPSA値も全く心配無いと言われ、ホッとしました。便に時折血が混じるのが少し気になるとの事で、便秘や下痢には今後も十分注意するよう指示されました。

そしてその後、医師は突然ビックリした顔になったのでした。私はいきなりの医師の驚いた顔に、何があったのか急に不安になりました。何か異常を示す数値が見つかったのか、一瞬でしたが、血の気が引いて行くのを感じました。すると医師は、中性脂肪の値が異常だけど、体調に異変は無いかと聞いて来ます。私は少し呆気に取られ、検査の前日に食事をしてしまった話をして、掛かりつけの医師の見解を説明すると、医師は苦笑いをしておりました。この血液検査は、血圧の検査の関係もある為、色々な数値が入っているので、こんな事象が出てくるのでした。医師の笑い顔を見て正気に戻った私。一瞬、また何か見つかったのかと思った時は、本当にお先真っ暗と言う感じでしたが、とにかく何でも無くて良かったと、病院を後にしたのでした。次の診察は来年の6月。次回からはPSAの数値だけを持って行こうと思いました😵。

病院から出ると、正門までの長いアプローチ部分はすっかり晩秋の景色です。この時期は何となく寂しい感じで、特にこんな曇った日は心が沈んでしまいます。こんな時期の初診は結構気が滅入るのではと思います。私の初診は春だったので、こんな気持ちにはなりませんでした。病気の治療は出来るなら春から夏に掛けてが望ましいのではないかと思いながら、家路に着いたのでした。f:id:x-japanese:20221201085229j:image