前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

167.私のぶらぶら旅7

今度のぶらぶら旅は九州の門司港という所です。今まで我々2人とも九州に行った事が無く、たまたま寄った旅行会社でいいレンタカープランがあった為、行ってみようという事でやって来た、北九州。その中日に、以前から行ってみたかった門司港という所をぶらぶらした記録を書こうと思います。

この門司港という街の歴史は古く、明治時代に遡ります。貿易の重要な港として政府から指定された事により、北九州の商業の中心として栄えて来ました。その後は交通が船から鉄道、トラック、航空と変化するに従いこの街は通過地点となって行くに伴い、街の中心部は小倉に移って行きました。しかし街には昔の繁栄した姿がそのまま残っている所が多く、その後、門司港レトロとして観光地化されました。

とにかくこの街は見所がギュッと詰まっている感じで、行く前から調べているととても面白そうでした。この日は門司港のホテルに2泊して中日を1日ぶらぶらする計画を立てました。当日は前日の雨は止んでいいぶらぶら日和、鉄チャンの私はまずは朝、妻をホテルに残し1人で門司港駅に行きました。門司港駅は行き止まりの終着駅というムード満点の駅です。駅の構えも重厚な造りです。私が行った時は残念ながら改修中で駅は堪能出来ませんでしたが、入場券を買い駅構内に入りました。すると数本の電車が行き止まりのホームに停まっており、中々いい雰囲気です。ここから旅が始まるんだな〜、と思う旅情感たっぷりの駅です。

しっかり門司港駅を味わった後は妻と待ち合わせ、鉄道博物館へ行きました。ここは門司港駅から直ぐ近くにあります。ここも重厚な煉瓦造りの本館が目を引きます。ここには丁寧に保存されている貴重な車両が展示されており、お目当てのSLもピカピカの状態で保存されていました。九州のSLは現役当時からよく磨かれていたと言われていましたが、これを見ると一度でもいいから九州にSLを見に行きたかったなあと思ってしまいます。f:id:x-japanese:20220121080909j:imagef:id:x-japanese:20240125075205j:image

こんな所にいるとあっという間に1日過ぎてしまうので程々にして、次の場所へ向かいます。ランチの予約がしてあったのでその前に、門司港が如何に栄えていたかが偲ばれる建物、三宜楼を見学。ここは昭和6年に建てられた木造3階建の元料亭です。既に廃業して久しく、その後北九州市が保存している建物です。ここも駅から10分弱。ここは今でも2階の大広間は貸し出しが可能という現役の建物です。昔の人は本当にスケールが違うなと実感する建物です。そしてその中の三宜楼茶寮で昼食。昔の偉い人の気分を味わうべくちょっと頑張って、ふく御膳をいただきました。関門地域ではフグの事を縁起を担いで「ふく」と呼ぶそうです。

ふく料理を満喫した後は、港方面に向かいます。港と言ってもここから10分もしない所にあり、門司港レトロ地区としてお洒落な観光地になっています。港に向かう道すがら、栄町銀天街等の懐かしい感じの商店街をぶらぶら。その後メイン通りを歩くと重厚な建物も目立ちます。少し北海道の小樽に似た雰囲気です。そしてレトロ地区の港に到着です。

こじんまりまとまった港は初めて見る感じの形をしており、横浜とも函館とも違う何とも異国の雰囲気。ハーバーデッキと呼ばれる広場には椅子が並べられて、その向こうでは何か演奏をしている人達がいます。その横の海沿いのガス灯通りと呼ばれる歩道にはいくつものパラソル付きの椅子とテーブルが並べられ、そこで食事も可能です。この日は車に乗らないので思わず一杯生ビールを買い、港を見ながらちょっと一服。昼の暑さが厳しい時間帯でしたが、パラソルの日除けの下で飲む冷たいビールは最高のご馳走。これはたまらない、私にとってはパラダイスのような所です。

そこで改めて周りを見渡すと、お土産物屋もたくさんあり、煉瓦造りのビルや、稼働式の橋も見えます。時折、観光船の時間に合わせるように橋が跳ね上がる光景は中々見ものです。ふと見ると黄色い人形像が見えます。何だろうと見てみるとバナナマン像との事。ここはバナナの叩き売り発祥の地との事でその碑もあり、こんな物も本当に面白いと思います。

そしてここはまた夕暮れ時に来る事にして、次の目的地に向かうべく、トロッコ列車に乗ります。このトロッコ列車は、廃線になった線路を利用して関門海峡の所まで運んでくれる列車です。わずか数分のトロッコ列車の旅もまた乙な物。途中トンネルもあったりして、中々面白いです。

そして着いた先にはまさに関門海峡が広がります。海と言うよりは川のようで、潮流が凄い。この狭い海峡でこの流れ、ここを通る船はさぞ大変なんだろうと想像出来ます。f:id:x-japanese:20220121124636j:image

そして目指すは関門トンネル人道です。関門海峡を挟んで本州は目と鼻の先。ここに人専用の海底トンネルがあるのです。全長は780m、その真ん中に県境が書かれているのを是非とも見たかったのです。エレベーターに乗り地下道に入ります。結構人が行き来しており、この直ぐ上は海なんだと思いながら暫く歩くとありました。これは中々興味深い、こんな物、初めて見たので思わず記念写真を撮りました。f:id:x-japanese:20220121124411j:image

そして本州へと進みます。振り返ると同じように記念写真を撮っている人がいます。皆、同じなんだなあと思うと、何かおかしくなってしまいます。本州に渡り地上に上がるとそこは下関。着いた所の直ぐ前には歴史で有名な、壇ノ浦の合戦場の史跡があります。歴史に興味がある方はたまらないコースだと思います。こちらにも遊歩道が整備され、散策も可能です。

そして来た道を戻りトロッコに乗って、門司港に戻ります。そして少し日が傾き始めましたが、まだ時間があったので周遊船に乗ってみる事にしました。船から見る門司港の景色は素晴らしく、また関門海峡の潮の流れも実感でき、20分程度でしたがとても面白いクルージングでした。

その後は、旧門司税関やかいもん市場に行ったり、先程見た可動橋を渡り、海岸をぶらぶら。そのうちに夕暮れ時になり、港の風景を入れた夕陽の写真を撮りました。f:id:x-japanese:20220121131730j:image

その後は待ちに待ったビールの時間。この時は門司港地ビール工房というお店に寄り、名物の焼きカレーをつまみながら、地ビールを味わいました。今調べてみると、どうも転居してしまったようですので注意して下さい。このお店の雰囲気も最高でしたし、飲み終わって外に出た時の港の夜景も本当に最高でした。ここが無くなってしまったとしたら、ちょっとショックです。f:id:x-japanese:20240125075236j:image

その後は先程来たレトロ街をのんびりぶらぶら。こういった夏の港の夜は本当に気持ちいいです。ほろ酔い気分に港の景色、ガス灯の優しい灯り、周りにはライトアップされた古い建物。この景色は本当にムード満点です。そして、最後の締めは門司港レトロ展望室です。ここは高層マンションの最上階を展望室として解放しています。何と太っ腹な対応かと感心してしまいます。そして、その夜景が本当にちょうどいい感じの、これぞ夜景という景色が見れます。写真が無いのが残念(その後、フィルム写真のデジタル化に取り組み、このような写真をアップ出来るようになりました😊💪)。いつまでも2人して展望室にいたのを覚えています。そして、ホテルはといえば、その展望室から直ぐ、このレトロ内にあったので、ものの5分としないうちに到着。本当に大満足なぶらぶら旅になりました。f:id:x-japanese:20240125075255j:image

私の記憶している街で、これ程コンパクトで楽しい街は未だありません。皆さんも機会があれば是非行ってみては如何かと思います。