前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

168.私のぶらぶら旅8

今回は若い頃からよく行っている柴又です。ここは言わずと知れた柴又帝釈天があり寅さんで有名な場所で、既にさまざまな雑誌やネットで情報が溢れて返っていますが、私はここに敢えて年末に行くのが好きなのです。新年を迎える準備にお寺も商店街も大忙し。反面、参拝者は少なく、このアンバランス感が大好きなのです。

昔は上野から京成線の直通の金町行きがあり、日暮里からのんびりと各駅停車で行ったものですが、今は高砂駅が高架化したため、本線とは完全に独立した路線になってしまい、高砂駅で乗り換えなければならなくなりました。京成電車というとオレンジ色にクリーム色のツートンカラーで銀色の帯のイメージでしたが、今は私から見ると、車体が銀色でどこの電車か分からないような車両が走っており、寅さんの映画のイメージも壊れる感じがします。

私は初めて行った時が年末近くだったので、それからは可能な限り年末に、社会人になっても年の終わりに仕事の残務処理をしに休日出勤して、その午後、電車に揺られて柴又までやってくるのが、その年を締めくくる行事みたいになっていました。

早速柴又駅で電車から降りると、懐かしい構内踏切がお出迎え。乗って来た電車が出発するまで踏切を渡れず駅の改札から出れないのも、懐かしい感覚です。そして改札を出ると寅さん像がお出迎え。私は、像が無い時の時代の方をよく知っているので、何かまだしっくり来ない感じです。駅と反対の方を向いてますが、最近はその相向かいにさくら像も建てられ、映画のシーンのようになっています。因みに、さくら像が出来てからはまだ柴又には行けていません😵。さくら像が出来たのが2017年と聞いてますので、もう5年以上行ってないんだと思うとちょっとビックリでした。

そこではいつも、また今年も来れたなあと暫く感慨に浸っていました。そして心が落ち着くと、早速駅から直ぐの右側にある、ハイカラ横丁とおもちゃ博物館に寄ります。ここは既に開店して20年近く経つのでしょうか?。柴又では比較的新しいお店です。思えば、ここが出来る前は、寅さん記念館に行ったりしてましたが、そのもっと前は本当に観光地と言うより、お寺と参道しか無かったように思います。本当に寅さんの映画そのままを感じに来ていたんだと思います。

目立たないですが水路の橋を渡り、そこからは嫌でも目に入って来る異様な建物が見えて来ます。ここは見るからに古い物を扱っているんだと分かるお店です。まずはここに寄り、ひとしきり昔を懐かしみ、色んなおもちゃや駄菓子、ゲーム等を楽しみます。50歳を過ぎる辺りからは、中年オヤジが1人でゲームをしてたり駄菓子を買ったりしている光景は、ちょっと異様に見えていたのではないかと思っていました。

そう思って、最近は妻に一緒に行こうと声掛けをしているのですが、妻は特に興味ある訳でもなく、家からだと都心を跨いで反対側に行くような感じなので、それなら銀座とかに行きたいと言って断られてしまい、それがここ数年、来れていない原因なのかも知れません。

中を見ていると本当に飽きません。私の子供の頃のお菓子はもちろん、寅さんの女優さん達のブロマイドも面白いです。若い頃は凄い大人の女性に見えたのに、今見ると、可愛い〜なーとか、結構タイプだったなとか、そうでもないなみたいな勝手な事を考えているのも面白いです。あと気のせいかもしれませんが、確かプロマイドと書いてあったような気がしましたが、また確認の為に行かないと、と思っています。また私の苦い思い出のインベーダーゲームもありました。今でもあると思うので、学生の頃、このゲームのせいでお金を使い過ぎ、旅行先で宿泊出来なくなった苦い思い出に浸れるかなと思っています。

昼も食べていないので、お腹が空いたらこの店を出る感じです。そしてその後はいつもの天丼です。店を出て門前の商店街へ向かいます。その商店街を入って直ぐ右の大和屋の天丼が私は大好きで、またこの店のビジュアルもたまらないのです。寅さんの時代の雰囲気そのままと言うより、私の小さい頃は皆、こんな店ばかりだったなーと言う感じの雰囲気なのです。店の入口の所で天麩羅を揚げているので、いつも違う物を食べようと柴又にやって来るのですが、ついここの天丼を食べたくなり入っていまいます。店に入るとメニューは単純、天麩羅系の食事しか無く、あとはビールとお酒。昼も大幅に過ぎているので店内はガラガラな事が多く、席に着くといつも天丼と瓶ビールを注文。これを食べながら、今年の振り返りを行っていました。

そして次はいよいよ帝釈天にお参りです。参道には寅さんの実家のだんご屋のモデルと言われる高木屋があり、その先にはそのものズバリ、とらやという店も並んでいます。皆さん、寅さんのだんご屋のモデルは後者の方と思っている人が多いと思います。この辺りの映画との関係や馴れ初め等は、色んな情報誌やネットに書いてあるので参考に見てみると面白いと思います。その他にも煎餅屋、佃煮屋、等々懐かしい風景が並び、暮れゆく年末と迎える新年の間で忙しそうにしている中、ぶらぶら歩いている自分が何故か申し訳無く感じてしまいます。

そして帝釈天に到着。ここも明日の初詣の準備におおわらわ。そんな中、参拝を済ませます。こんな時に参拝に来ているのは自分位だろうといつも思って来るのですが、大体チラホラいます。私と同じような感覚で来ているのでしょうか。あちらも自分の事をそう思っているのかと思うと、何だか可笑しく感じます。そして休憩室で小休止、お茶をご馳走になりトイレを借り、いよいよクライマックスの江戸川へと向かいます。

寺の裏口のような所を抜けると、江戸川に続く道路へ出れます。すると有名な老舗料亭の川甚が見えます。いつかはここでゆっくり食べようと思いながらも、いつも天丼を食べていた私。また後悔先に立たずをやってしまいました。最近その夢が叶わなくなってしまいました。コロナ禍で閉店してしまったと言うニュースを聞き、これはかなりショックでした。帝釈天以外で柴又のランドマークと言えたこのお店。本当にコロナ禍を恨むばかりです。

その川甚の先に土手が見え、その向こう側が江戸川です。結構交通量の多い道路を横断し土手を登ると、雄大な江戸川の景色が姿を現します。この光景を見に、毎年来ているのです。既に夕方、暫く土手に立って気持ちいい景色を眺めます。そして矢切の渡あたりまでぶらぶら。いつも船には乗らず見てるだけ。何とものんびりしたいい風景です。河川敷ではスポーツをしている人がいたり、犬と散歩をしていたり、ランニングしていたり。今年も平和だったなあという光景が広がっており、来年も平和でありますようにと感じるられるこの場所が大好きです。

多少暖かい日などは、広場の椅子に腰掛け読書などしてみたり、暫くのんびり過ごします。そして夕陽が綺麗になる頃、そろそろ家路へ着きます。約半日の柴又のぶらぶら旅。他にも、もちろん寅さん記念館や山本邸など、見どころはたくさんあるのですが、いつもこのコースを既に何回来ているでしょうか。そして驚く事に毎回ほぼ変化を感じないで、同じ景色を味わう。寅さんの映画のような、こんな安心感がこの柴又の魅力ではないでしょうか。こんなぶらぶら旅もいいと思います。いつもそこに行けばある景色は本当にホッとします。それにしても川甚の閉店は本当に残念。また年末柴又詣は必ず復活させたいと思います。

それにしても、ぶらぶら旅にはなぜかネコちゃんが似合うな〜😊。人懐っこいのは茶トラが多いと思うのは私だけでしょうか?f:id:x-japanese:20220210075027j:image