前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

114.私のX-JAPAN奮闘記3

初めは音楽から入って行った私ですが、このアルバムを聴いていると中々詩がいい事が分かって来ました。「Endless Rain」や「Say  Anything」などは心に響いて来る詩で、私はあまり詩を重視するタイプでは無かったのですが、こちらにもハマっていました。そしてすぐに同じCDを買いに行き、車やウォークマンで毎日のように聴いていました。しかし子供が小さかった為、家族のいる場面では控えるようにしていました。その後、このXをテレビで見たのはそれっきりで、CDだけ聴く日々が続きました。そしてある日、会社のカラオケ大会でふざけて「紅」を歌ったところ、それが若い子達を中心に評判となり、私がXのファンだと言う事が会社内に知れ渡り、よく聞かれるようになりました。

するとある日、女子社員が私の所に来て頼みがあるとの事。なんだろうと聞いてみると、なんと、Xのビデオを貰ってくれないかとの事でした。???の顔をしていたら、この社員の姉が昔からのコアなXファンで今度結婚する事になりビデオの処分を考えていたとの事でした。家で先輩にXのファンがいると話していたようです。すると姉は、家に置いておくには親に反対され、処分するには偲びない、Xファンの人がいるのならその人に貰ってもらいたいとの事でした。私はもちろん承諾というか、喜んで返事をしました。すると後日7本のビデオを私に持ってきてくれました。礼など要らない、大事に見て欲しいと言っていたとの事で、自分としても気持ちだけですが御礼をし、いただくことにしました。

しかしこのビデオが自分としては超驚きでした。その日は楽しみで仕事が終わると直ぐに家に帰り、すぐさまビデオを見ました。音楽は確かにこのバンドのそれなのですが、ビデオの題名にまずビックリし、今で言うビジュアルも刺激的な派手なモノで、ライブ映像も中々強烈で、一言で言うとこのビデオを見てかなり引いてしまったのです。何だ、このドラム壊したりギター壊したりの映像は?火は吹くわ、旗燃やすわ、首に蛇巻くわ、銃で撃たれるわ、そして髪の毛おっ立てて金髪、赤髪、半分スキンヘッド、派手なメイク、荒い言葉使い等々。かと思うとお姫様の格好だったり、薔薇が飛び交ったり、クラシックな演奏をしたり、前向きな事を発したり。もう何が何だか分からない、何と言うバンドなんだと言う感情が湧いてきました。もしかしたら自分がハマろうとしているこのバンドは、とんでもない異次元の危険なバンドなのかもしれないと思うようになりました。あの女子社員のお姉さんは相当なコアなファンだったんだろうと、色んなジャンルのファンがいるものだとつくづく思ったものでした。

そして、それからというもの、あまりXのファンだと言う事は口外しないように注意するようになりました。女子社員からはその後、どうでした?と聞かれましたが、「凄いね〜」と言うしかありませんでした。もちろん家でも家族には見せないようにし、見る時は1人で見てました。しかし、見れば見る程やはり刺激的で、徐々に見なくなってしまいました。それでもやはり音楽は最高です。この後、販売しているCDは全て購入しに行き、ビジュアルは封印しサウンドのみを追う事にしました。何でこんなにいい音楽なのにあのビジュアルなんだろうと、この疑問がいつまでも続きました。

そんなこんなで一年が過ぎ、また年末がやって来ました。そしてまた紅白にXが出る事が分かりました。あのビジュアルが頭に染み付いているので、怖いモノ見たさで紅白を見ました。彼等を生で見るのは一年振り、そしてその後貰ったビデオを見てたものですから昔のスタイルが頭にこびりついており、その格好で出て来るものだと思っていました。すると、金髪や赤髪の長い髪位で割と落ち着いた出立ち、さらに歌ったのはバラードの「Tears」でした。これまでのハチャメチャなイメージが吹き飛び、この時の落ち着いた雰囲気が全く違うバンドに見えました。これにもまた超驚き、一体このバンドの正体は何なんだと、またまた頭が混乱していました。

2015ルナティックフェスの会場にて。インディーズの頃のXようなバンドがたくさん出ていましたf:id:x-japanese:20210911165439j:image