前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

28.紹介について

紹介の依頼については結構大変だったので、少し詳細を説明したいと思います。前述の通り、法医研の紹介は中々スムーズに話が流れないので、自分でネットで調べて、こちらから積極的に依頼して行くしかありませんでした。最初は紹介して欲しい旨を告げれば病院の方で対処してくれるのだろうと思っていたのですが、それは違いました。対応の仕方から、病院も経営して行かなければならないので、みすみす他の病院の紹介などしないのだろうと思いました。私の会社人生は営業が長かったので、途中からどうしてもこのような見方になってしまいました。それと、よくセカンドオピニオンと言い、違う医療機関にかかってみる事を推奨されてますが、これも病院からの提案は無いと思っていた方がいいと思います。自分から動かないと病院は、自分の病院で治療する方向に導いて行くと思っていた方がいいと思います。私は、法医研への紹介状は病院のホームページから自分がプリントアウトして先生に持って行きました。先生は渋々受け取り、その後もまだ手術の話をしていました。「癌は早期発見、早期治療が基本。初期なのだから切除も簡単。最新の機械が導入されているから安心」等々。まるでテレビショッピングのような感じで、ここまで来ると単に病院のプライドなのか、患者より病院と思っているのだと感じてしまうようになりました。自分の病院が行っている手術が最高なのだから、なぜ他の病院を選ぶのか?というようなプレッシャーも感じました。この時は、患者として自分というものを持っていないと、ベルトコンベアのようにその病院の得意な治療方法で処置されてしまうと、少し恐怖感のような物も感じました。別にそれが悪いという訳ではありません。後で、様々な治療法を知り後悔しないよう、提案されている治療方法が自分の希望と合致するのかを、事前に見極める事は重要だと思います。それには患者自身もしっかり自分の病気について勉強し、しっかり自分の希望と合う治療法は何なのかを認識すべきと思います。これは自分が針生検手術と全身麻酔の時に感じたのと、妻からも自分の病気についてもっと知るべきといった意見をされた事から、そう思うようになりました。実際、この後、私が法医研に入院中にお見舞いに来た人から、同じ前立腺癌が見つかった人でその病院の言うがまま手術を行い、完治したはいいがその後の尿漏れに悩まされているという話を聞き、治療方法についてとても後悔しているという話を聞きました。その時は、よく勉強や情報収集をし自分の希望を通したことに対して、本当に良かったと思いました。知識を得る事は本当に大切です。この事が専門家との相談や、法医研でのインフォームドコンセントの時にとても役に立ち、悔いのない治療に辿り着けたと思っています。

家の近所の多聞院の紅葉、ここの祈願はよく効きます😊f:id:x-japanese:20210322125307j:image