前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

22.旅行

この2年あまり、前立腺の事やら娘のお産やらで2人して旅行らしいものに行ってなかったので、検査して退院したら旅行にでも行こうと妻と話していました。これには、心の変化がありました。今までは、自分の将来なんて真剣に考えた事もない、せいぜい年金大丈夫かな〜位で、自分の命が限りがあるなんてこれっぽっちも思っていませんでしまた。それがこの癌の診断によって急に将来にも限りがあるんだって思い始めました。この診断までは、旅行なんてまとまった休みじゃなきゃもったいないと思ってました。これを境に、たとえ土日程度でも行きたい時に2人で行こうと意識が変わりました。それからは、行きたかった金沢、茨城のパワースポットを始め、伊豆の温泉、千葉館山の魚三昧、秩父の汽車旅などなど、近場が中心でしたが、時間があればほぼ毎週のように旅行していました。因みに、このブログの中の写真はほとんどがこの頃に撮ったものです。そして、いよいよ検査の結果を聞く日がやって来ました。妻にも来てもらい一緒に聞いてもらいました。もちろん私の一縷の望みも完全に消え、ステージは一番軽く初期とはいえ癌の確定の診断。私は何とか「初期」という言葉にすがるような気持ちで、これからの事を聞いていました。しかし、これは後で聞いた話なのですが、初期の前立腺癌で初めての生検で見つかるのは逆に幸運のようでした。中には見つからないで、この生検を何度もやる患者もいるようです。この生検の結果が無いと治療に進めないので、それも中々辛いものがあります。私の場合、初めての生検で癌が確定した事で、その分早く治療に入れた訳です。

初秋の金沢駅f:id:x-japanese:20200909151054j:image