前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

13.運命の診断

この時は、「どうせまた診断が付かないで、経過観察になるんだろう」っていう軽い気持ちでいました。いつまでも悶々とするのは耐えられないので、すぐ翌週に検査結果の予約をしました。そんな感じで待っていた診察の日、いつものように受付していつものように待合室で待っていました。そして、そして、その後まさかの検査結果が、、、。いつものように呼び出しのチャイム、そしてドアを開け先生の待つ診察室へ。今回は前の患者とのインターバルが随分長かったなと思いながら診察室へ入って行くと、そこにはいつもの先生の態度では無く、態度の硬くなった先生の姿がありました。その先生の姿を見て、すぐにピンと来ました。「嘘だろ!まさか!まさかだよね!」。そして、先生の口から、そのまさかの診断結果が告げられたのでした。「申し訳ずらいんだけど、初期の癌が見つかりました」。これにはかなりのショックで、口がきけませんでした。まるでテレビドラマそのもの、不幸な主人公の気分、これは夢に違いない、冗談ですって言ってくれ先生、頭がグラグラしました。その後、先生の画像の説明が続いたようですが、自分では殆ど覚えてませんでした。と、言うよりは、自分の死という物を初めて実感した瞬間だったと言えます。暫くは呆然としていたのでしょう。ハッと気づくと、先生がさらに詳細な検査が必要との事で、針生検という検査の説明をしていました。先生は必死に、今の前立腺癌は治療も進んでおり、初期の癌なら全く心配無いと私に説明してくれましたが、「自分はどうなっちゃうんだろう?」と先生の話など、全く耳に入らない状態になっていました。

満月と雲のコントラストf:id:x-japanese:20210314162931j:image