前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

501.私の愛車遍歴の思い出、14

彼女を落とすべく、この後ミラージュ探しが始まります。毎月の色々な車雑誌の中古車情報を必ずチェック。見つかるととりあえずその週末にダットサンで見に行きます。時には1人で、時には友人と。今ではネットで調べメール等でやり取りの便利な時代。しかし当時はそんなアナログな時代でした。そんな週末が毎週のように続きました。例の怪しい中古車屋にももちろん行きました😵。しかし中々見つからない。あっても高くて手が出ない。そして探索する地域を広げ、時には千葉県や茨城県まで行きました。

そしてある時、それ程大きくなさそうな中古車屋の情報欄に、ミラージュが載っていました。価格も今までで一番安い。それでも72万円。色はドンピシャのワインレッドメタリック。1,400ccのGLX、まずまずのグレードです。そして2ドア、エアコンも付いてました。サイドボディのMIRAGEという文字はありませんでしたが、その分、ワインメタリックボディが目立つ感じでした。そして何と言っても目についたのが、FFと言う駆動方式でした。この時初めて知った、前輪が回ると言うのが新鮮でした。

2年半落ち程度で、肝心の車検は1年半近くありました(当時は新車の車検も2年だったのです)。そして何とAT車でした。場所は千葉県。夜8時までやっていると言うので、遠かったけど夕方会社のダットサンを借りて、直ぐに行ってみました。そこは国道に面した小さな中古車屋でした。そしてそこにミラージュは置いてありました。もう夜でしたが、水銀灯の明かりの下で綺麗に映えるその色は、本当に綺麗でした。直ぐにその店の社長が出て来ました。そして色々とセールスを始めました。

この時、初めてミラージュを間近に見たのでした。FF駆動なのでその分室内が広く、小型車なのにその広さにビックリしたのを覚えています。この車は人気があり、さらにAT車なので結構希少である事。なので直ぐに売れてしまうと思うとの事。私が即金では払えない事を言うと、ローンの説明も始めました。学生だと言うと、成人しているなら大丈夫と言うのです。ローンの概算と諸経費も計算してくれ、車体価格以外にも色々掛かるんだと思いました。それにしてもローンを組んだ所で支払い切れるのかも不安でした。色々と説明されましたが、一旦保留。また今週末に来る事を約束。それまで取っておいてくれるとの約束をしてくれました。

そして帰ってから家族に相談。父はおれは知らないとの態度。その代わり、以前約束した駐車場と保険は何とかしてやるとの返事でした。母はそんな金額どうやって払うの、と心配して反対しました。兄は買ってみたら、みたいな軽いノリ。私は暫く考えました。今の私の財務状況はそれ程悪くない。飲料水会社のアルバイトも軌道に乗っており、頼りにされている位でした。学校も、今後選択授業を上手く組めば、これからはアルバイトの時間もさらに増やせる。それなら何とか支払いは可能かと思いました。

そしてその週末、ダットサンで彼女を誘い、千葉の中古車屋まで見に行きました。すると社長はもちろん覚えていてくれて、改めて説明してくれました。もちろん試乗もさせてくれました。少しバックギアの入りが悪い所があるけど、その分が安くなってると思ってくれればいいとも言いました。そして、これは掘り出し物だと彼女にも言いました。今日決めてくれなければ、また一般に売り出す事も言い出します。彼女だってこんな買い物を勧める訳がありません。逆に困った顔をして私の方を見ていました。でも、その目は、欲しいって言いたいけどそんな事言える訳無いといった、小さい子供のような可愛い目に見えました。私は悩みました。しかし彼女をゲットするにはこのミラージュが必要だと思ったのでした。そして何とかローンを組んでも支払っていけると思ったのです。後は「後悔先に立たず」の言葉が私を後押ししました。そして、決断したのでした💪。

こんな買い物、学生の分際でローンを組んで大丈夫なのか。しかしもう返事をしてしまったので、後戻り出来ません。我々は事務所に通され社長はテキパキと書類を作り出しました。まずは車庫証明代とかの諸費用の説明。そしてそこからまたまたセールスが始まったのでした。確かにカセットプレーヤーがありませんでした。これはオートバックスでも行って後で付けるかと思っていたのですが、今だったらサービス価格でやってあげるといいます。その他も色々言われ、20歳そこそこの若者などはチョロいモノだったのでしょう。価格は72万を優に超え、手持ちの貯金をはたいて、残額70万円のローンを組んだのでした。月々2万円、そしてボーナス時5万円、36回返済でした。今考えると「過払金請求」が出来そうな金利だと思います😱。

そして念願のミラージュを購入。そして彼女に再びアタック。彼女もさすがにこの行動には感動してくれたのか、正式にOKをしてくれたのでした(やっぱり男は押しですね😅)。彼女とは高校生の時から色々とありましたが、その後、こんな形でまた付き合えるとは思っても見なかったので、このミラージュは私に取って、恋のキューピッドのような車でした。そして彼女もこの車を大好きになってくれ、暇さえあればドライブに一緒に行くようになりました。私はライバルに勝ったのでした。あまりの嬉しさに、ある自動車雑誌の「愛車と恋人」とか言うコーナーに写真を応募、見事掲載された事もありました。そしてそんな事が自信に繋がって行き、人生が開けていく感覚を味わえたのでした。

しかしこのミラージュ。やはり安いだけありました。バックギアは確かに気になりましたが、それ以上に、その状態で停止するとかなり振動があったのでした。ちょっとこの辺り、事故でもあった車なのかと疑いましたが、まあ普通に走るし、それ以外は大体満足。とにかくワインレッドのメタリック塗装がとても綺麗で、それ以降も彼女が夜遅くなる時によく迎えに行きましたが、ミラージュを見つけて笑顔一杯でこちらにやって来る姿を見てると、それだけで天に昇る気分。やっぱりこの車を買って良かったと思ったのでした。f:id:x-japanese:20240302231204j:imagef:id:x-japanese:20240302231246j:image