前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

477.私の会社員時代、やってらんない記憶111

これも、会社員生活の終わりの頃の悲しかった話。私は、本部でお店の業務支援のような仕事をしていたのですが、そんな中で、他社がこの業界で先駆けて営業に取り入れていた、ある業務があったのです。少しマニアックな業務でしたが、私はこの業務を弊社にも取り入れたいと思っていました。そして、外で行われるセミナーに出た時とか業界のイベントに行った時などに、その会社の連中を捕まえて、その業務の情報を収集していたのでした。この会社とはあまり営業エリアが被らず、また弊社の事をあまり競合会社と思ってなかったようで、割と好意的に対応してくれたのでした。

するとある日、この会社が顧客向けに開催した説明会に誘ってくれたのです。私は部長と一緒にこの顧客向け説明会に出席、この業務のノウハウ、メリット、デメリットをまとめました。これは中々画期的でした。しかし全く新しい業務となるので、規定から事務要領などもゼロから作らないとなりません。もちろん役員会にプレゼンテーションをして決裁も取らないとなりません。プレゼン位なら当部署でやってもいいですが、規定や事務要領などは事務の部署やコンプライアンスの部署も協力してもらわないとなりません。中々大変だと、その説明会が終わった時に思ったのでした。すると、その会社の担当者が我々の所にやって来ました。

その担当者は何と、規定や事務要領の叩き台を我々に持って来てくれたのでした。この業務は業界全体で取り入れたいと思っているので、逆に弊社にも積極的に取り入れて貰いたいとの事でした。私はこの話に感動しました。自分達の会社の発展だけではなく、この業界の発展を考えてるなんて、なんて素晴らしい会社なのだろうと思ったのです。この時私は弊社に対して、「うちの会社はそれに対してどうなんだろう」と思うと、とても悲しかったのを覚えています。我々はこの好意に感謝してその資料を頂き、早速帰って中身を吟味。そしてその後、プレゼン資料を作り、部長と共に企画の部署に持ち込んだのでした。

企画部からは数名が参加、当部署からは私と部長、約2時間位のディスカッションを行いました。結論はとてもいい業務であり、弊社でも新規業務として取り扱う方向で進めたいとの事でした。しかし、その後が進みません。私はとしては、プレゼンが済んだら、この規定や事務要領の資料を渡し、あとは関連する部署でチームを組み進めて行くものと思っていました。それを統括するのが企画部だと思っていたのです。しかし何か風向きが違います。

その後の話が、この部署が中心となってやるような流れになっているのです。これに私はビックリしたまま、この会議は一旦終了。そしてその後、何の音沙汰も無いのです。部長も困り果て、ある日、企画部に聞きに行ってくれました。すると、この業務は当部署がやる事になっているのです。これには私は冗談じゃないと思いました。この部署はただでさえ店の支援で手が一杯なのです。企画が中心となってやるのが筋というものです。試しに私が事務部やコンプライアンス部に尋ねてみます。すると案の定、非協力的です。弊社は相変わらず、セクショナリズムが横行しており、他の部署からの依頼などは中々重い腰を上げないのです。コンプライアンスの部署なんかは、規定の確認は当部署で弁護士に相談しろとまで言いました。これでは何の為にこの部署が存在するのか分かりません。

事務の部署も同じような物でした。既に叩き台を貰って来ているので、それを確認すればいい話のはずです。結局、この部署も非協力的。こんな事に時間やパワーを使っていたら、店の支援が後回しになります。この時に、ある後輩を思い出しました。294回目のブログのあの後輩です。この後輩は一人で新規業務を立ち上げたのを知っていました。その苦労は並大抵では無いと思っていましたが、こんな馬鹿げた非協力的な抵抗に合うとは思っても見なかったので、後輩はどんな気持ちで新規業務の立ち上げに取り組んでいたのだろうと思ったのでした。

私は既にこの時は退職間近でした。なので若い頃の熱い情熱や粘り強さも無くなって来ていました。その後も部長を通じて、この業務の事を確認しましたが企画部はとうとう動かず、当部署に投げられたままとなりました。私はこの現実にとても悲しくなり、この会社は、そしてこの本部の人間達って何なんだと思ったのでした。そして、この事は、自分に対しても悲しい気持ちになったのでした。自分に、この後輩のような熱意やバイタリティがあれば、この業務は日の目を見るのでしょう。そんな事が出来ない自分にとても情けなさを感じたのでした。時間的にもちろん足りないのもありました。しかしそれ以上に、やはり、それを専門とする部署があるのに、その仕事をやらないと言う態度は、本当に納得出来なかったのでした。

結局この業務はお蔵入りになりました。しかし、この業務は、最後に私の相談案件に関係してくるのでした。ある店の顧客の相談へ行った時、正にその解決策がこの業務だったのでした。私はこの業務はかなり勉強をしていたので、今の弊社の規定や事務の範囲で対応できるやり方を考えていました。少し専門家の助けが必要ですが、それをクリアすれば弊社でもギリギリ対応出来るノウハウを考えていたのです。そしてこれを自分の最後の案件とすべく、専門家と相談し、審査の部署に掛け合い、決裁を取ったのでした。私が退職するわずか1ヶ月前の出来事でした。

まあ何とか、この業務の概要が案件に残せたのは良かったと思いました。その後、この業務がどうなったのかは知る由もありませんが、未だにあの時の事を思い出すと、悲しかさとやり切れなさを感じずにはいられません。

セクショナリズムという考え方は本当に最低。しっかり部署の仕事を全うして欲しいと思います😤f:id:x-japanese:20230204231224j:image