前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

387.私の会社員時代、やってらんない記憶.70

この失敗談は、私が営業7年目位で、初めて転勤した店で起きたのでした。その年は、弊社の創立記念の大規模な行事があり、全店を上げて大々的にキャンペーンを行っていて、私も売上促進に邁進していました。その中でも他社からの協賛品があり、その条件が破格だった物がありました。他社が絡むので、販売の稟議申請の書類が面倒で、キャンペーン期間の最後の方は事務方もかなり煩雑な状態になっていました。その中で私も頑張って受注を取り、たくさんの案件を申請していました。その中の案件の一つで問題が起きました。

キャンペーンの終了が近づいている時に、一件の顧客から受注がありました。期日的に厳しい状態でしたが、事務に聞いた所、まだ間に合う感じでした。そして受注を貰いに行ったのですが、貰う書類を間違える訳にいかず、事務に聞いてモレの無いように揃え、期日ギリギリで事務に書類を出したのです。するとその時、事務の上司が出て来て、もう間に合わないから無理、と書類を突っ返されたのです。私は、話が違うと喰らいつきましたが、この事務の上司は、無理無理と言ったきり相手にしてくれませんでした。既に時間も遅く、店長やリーダーは居ませんでした。この事務の上司は、以前から自分の物差しで判断する偏った人間で、営業からは総スカンを食らっているような奴でした。そして、そんな面倒な物は数日前に揃えて持ってくる物だ、と言うのです。私は期日には間に合っていると反論しますが、その後はこの繰り返し。私は転勤して来てまだ間も無い事もあり、どうする事も出来ませんでした。

結局、この上司が受付してくれなかったので、この協賛品は対応出来なくなりました。仕方なくそれを顧客に伝えに行くと、当然、苦情になります。この顧客は、大騒ぎはしないのですが、なぜそうなったのか説明を求められたのです。それはそうです。期日に間に合い書類の間違いも無いのに、なぜダメなのか報告して欲しいと言うのです。私でもそうすると思います。夕方に営業のリーダーに同行してもらい説明をしますが、顧客は同じ事を繰り返します。その後、私はリーダーに呼ばれ、別室でこの事案について改めて詳細を聞かれました。私は、そのまま事務の上司の話をしました。自分の担当の事務はいいと言っていたのに、その上司が断って来たのだと説明しました。これにはリーダーも呆れていました。

その後、店長も含め、事務の上司も呼ばれ、この事案の話し合いが行われました。この上司は自分の部下が既にパンクしていたからだと言い訳をします。私は期日は期日だと反論します。これは堂々巡りとなり、店長も困っていました。しかし苦情は苦情です。結局、自社で同条件で商品を販売する事で本部に了解を取り、顧客にはそれを説明して納得をして貰いました。しかし、私は腹の虫が治りませんでした。何であの時、もっと強行に主張しなかったのか、それが失敗に繋がったと思いました。自分が顧客を守らないとこういった事が起きると、この時、痛切に感じたのです。

この事案は自分に落ち度は無かったと未だに思っています。この上司は部下を思ってやったと言っていますが、そんな事は無いと今でも思います。単に忙しいからやりたく無いと、受付をストップしたとしか考えられないのです。当時もそう思っていました。その上司はその後、別の仕事でも、私や私以外の営業に対しても同じような対応を取っていました。とにかく自分の係である事務方を守るというような、所謂セクショナリズムという意識が強く、他の部署や係の事などお構い無しという態度を続けているように見えました。同じ会社なのに、こいつは何をやっているのだろうと思いましたし、こんな奴が会社にいる事が、その時は結構ショックでした。

そしてその後、バブルが弾けて段々と景気も悪くなって来ると、会社として審査も厳しくなり、案件も以前のように簡単に通らなくなりました。そして事務も面倒な案件や大口の案件からは逃げるような感じになって来ます。そして流れは経費節減、働き方改革へと進み、働く実働時間が少なくなって来ます。すると益々、事務は案件を受けたがらなくなって来たのです。しかし、私はこの時の事案のお陰で、事務が案件を受付ける対応には、とても神経を使うようになったのです。案件を事務に渡せば終わり、という感覚はこの時から無くなり、案件のスケジュールを考えて、時には259回目のブログのように強行手段に出たりして、事務をコントロールして行くようになったのです。

今でも、このセクショナリズムを思い出すとやるせない気持ちになります。それは後々本部に転勤して、尚更感じたものでした。会社の為など二の次、自分達の部署の仕事が増えないように振る舞う人間が如何に多かった事か。これについては退職まで解決する事はありませんでした。これについては自分ではどうする事も出来ず、本当に諦めの境地といったところでした。

たくさんある線路も、いずれは一本に収束して目的地へと向かいます。バラバラのままではどうする事も出来ませんf:id:x-japanese:20220915121327j:image