前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

275.私の会社員時代、やってらんない記憶.27

コンプライアンスについてもう少し書きたいと思います。私は今、再就職で中小企業に勤めていますが、とても快適に仕事をしています。もちろん社内規則や就労規則も備えていますし、事務要領やマニュアルもあり、セクハラパワハラ系のコンプライアンスもあり信賞必罰もあります。そして、数十人の会社ですからそれなりに顧客も多く事務量も多く、間違いがあったり顧客からの苦情もあったりします。大きさとしては、ちょうど前に勤めていた会社の営業所位のイメージです。しかし、様々な規定が私が思う程度の運用であり、それで従業員はしっかりと働いています。何かあった時の報告だけにはとてもうるさく、問題が起きれば社長が率先して対応に当たっています。それで事故や事件は、私が就職して2年間、何も起きていないのです。確かに業種は全く違いますが、世間的から見れば、仕事の分類的にも事務的にも店の人員的にも、大差無いと思います。退職してからなおさら、前の会社はやり過ぎだったと、改めて思っています。

私は今、事務の仕事をやっています。時折、経理や庶務の手伝いもしていますが、異常な程のコンプラはもちろんありません。そして毎月、顧問の税理士さんが経理の点検にやって来ます。そして経理を中心に事務や庶務の点検もして行きます。そして間違っている所や、不正を疑われるような物を発見すると、責任者に指摘をして帰って行きます。その後、特に叱責とかもありません。そして指摘された箇所を直し、それを税理士に報告します。そして翌月そのチェックがあり、それで終了です。これで十分だと思います。

当初、私はこの顧問税理士の訪問がとてもストレスでした。前の会社の検査部が来たように感じて、ここでもこの検査があるのかと、精神的に参ったのを覚えています。この税理士がああだこうだと指摘しまくり、コンプラ違反だと社長に報告、そして始末書など作らされるのかと思うと、本当にウンザリしていたのでした。しかし、毎月の訪問は前述の通り。特に責め立てられたり嫌味を言われる事はありません。間違いが数度続くと、指導を受ける程度です。他の事務の人達もストレスを感じているイメージはありません。私が若い頃働いていた職場環境より、少し縛りがキツくなった程度の今の職場は、従業員もとても働きやすそうです。これが本来のコンプライアンスだと思っています。確かに社長や古株の部長や課長などは、パワハラやセクハラがうるさくなって、部下達に何て言っていいのか分からないなどと愚痴を言っていますが、これ位でいいのでは思っています。

しかし、大きな会社のコンプライアンスは益々異常な増殖をしているように感じた事が最近ありました。コロナが落ち着き、先日久しぶりに、前の会社の時に仲良くなった人達と飲みに行った時の話です。その人は、上場会社に勤めている当時営業課長の人でした。久しぶりに会えるので楽しみにして行った所、何やらその課長はあまり元気の無い様子。そしてお酒が入って来ると、その人の愚痴が始まりました。何と最近、コンプライアンスで謹慎していたとの事でした。その内容が、私が経験した事案と一緒だったのです。

ある日、仕事の事で女性の部下を注意した所泣き出してしまい、それを他の部下が見ていて、パワハラだと本社に通報されてしまったとの事でした。以前の会社にもあった「ホットライン」という奴で通報されたそうです。ホットラインとは法務部に直接繋がる内線で、パワハラセクハラ問わず何でもおかしいと思った事は直ぐに報告せよ、という物なのです。前の会社でも数名これで犠牲になった奴がいました。そしてこの人の会社は、私の以前の会社よりもっと凄く、このホットラインに入って来た事案は全て社長と弁護士に報告され、その後、人事部長と弁護士の面談になるとの事でした。そしてその内容は正に一方的。注意した内容など関係無く、それをしたのかと事実確認だけ。さらに他人がしたホットラインなので、本人に確認して欲しいと言っても全く取り合わなかったとの事でした。そして直ぐに謹慎処分になり、半年間、本部の所謂窓際に居させられたとの事でした。そしてもちろん降格。私は思わず息を飲み聞いてしまいました。私も一歩間違えればこうなっていたのかと思うと、複雑な気持ちになりました。その内容はこのブログの270回目を読んで下さい。

この人は50代前半、まだまだ営業バリバリな時期です。しかしこの一件で全てやる気が無くなったとの事でした。どこかいい会社があったら紹介して欲しいと言う始末。とにかくこの会社に残る気は無く、再就職活動を始めているとの事でした。私はこの人に本当に同情しました。この人の言い分を全く聞かないコンプライアンス。一方的な話だけを聞いて処分を下す、これは何故なんでしょう。そして本人がホットラインで電話してきたらまだしも、その時の状況もハッキリ分かっていない第三者からのホットラインで、このような処分をされるなんて、全く有り得ないと思います。これはまさに事故そのものです。いつ自分がこんな目に合うのか、誰が見ていて通報されるのか、正に疑心暗鬼の世界。そして一生懸命やっていた実績などお構い無し。この事故のような通報で一方的に責められ、言い訳も聞いてくれず、一瞬に出世の道も閉ざされ、その結果やる気を失い、廃人のような人にさせてしまうこのコンプライアンス。どこかの共産主義の独裁者がいる国のような気分になってしまいます。

この国の代表的な会社である上場会社が、おそらく全てこんな感じで、コンプライアンスがますます増殖していると思いました。そしてもしそうなら、本当にこの国の未来は無いと思ってしまいました。益々やる気のある人や、本当に頑張っている人が割を食うこのコンプライアンス。何とか軌道修正を出来ない物でしょうか😫。

この国は外圧が無いと何も変えられないのですかね〜😵f:id:x-japanese:20221021101153j:image