前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

189.鉄チャン旅行の勿体無い記憶.12

この次は冬の上越線です。身延線の翌月の2月、雪の中を走る機関車と夜行列車を撮りに行かないかと誘われて行く事にしました。水上の駅の待合室が夜中でも開いてるし待つ人の為にストーブもあると言うので、またそこで仮眠をする計画で出掛けて行きました。しかしこの時は、初っ端から想定外の事が起きたのです。この時はほぼ夜中に出発する上越線の夜行列車に乗る為に上野駅に向かいました。友人は一足先に現地入りしていて(学校サボって先に撮影地に行ってたのです)、私が一人で現地の水上駅で落ち合う計画でした。当時はまだスキーは列車で行く時代でした。スキーの臨時夜行列車もたくさん出ていて、私はその中の一つの最終列車に乗ろうと予定してました。

上野駅に着くとお目当ての列車が止まっていました。席は埋まっている感じでしたが、車内には人が立っている気配はありません。これなら最悪、水上駅まで立って行ってもその後仮眠するからいいかと思っていました。そしてそのホームへ向かうと信じられない光景が。なんと、列車の入口のデッキ部分には人が一杯で中に入れない状況だったのです。どうして?と思い客車の中を見ると、その車内の通路は横になって寝ている人でギュウギュウの状態。どこの車両を見ても同じでした。そうしているうちに発車ベルが鳴ります。私は荷物とカメラバックがあり、入れるスペースがありそうにありません。乗ってる人達も殆どがスキーヤーで大きい荷物の人ばかり。とうとう乗れずに、その列車は発車してしまいました。

「これはヤバい」。友人達は私がこの列車に乗ると思っているのです。当時は当然ケータイもありません。どうしようかと思っていると、周りにも乗れずにいたスキーヤーが数十名残っていました。するとその人たちはいきなりホームを駆け出して行きました。どうも、本来走らないはずのスキーの臨時列車があるようなのです。私の勘違いだったか、駅員に聞くと確かにもう一本走るようなので、そのスキーヤー達の後ろを着いて行きました。このまま列車が無かったら、山手線の最終電車にも間に合わなくなり、家にも帰れなくなると思うと、いきなり不安になりました。すると確かに列車が止まっていました。やはり座席は一杯でしたが、入口のデッキはまだ余裕がありました。いやー乗れてよかったと一息ついていると、その後、先程の列車に乗れなかった人達が必死に乗って来ました。程なくギュウギュウの状態になりました。駅員も、乗れない人達の為に乗れる所を案内しているようでした。そして発車ベルが鳴り発車。ホームにいた人は全て乗れたようで駅員さんもホッとしているようでした。

水上までデッキに立って約3時間弱、これから長いな〜と思っていると周りの人の視線を感じました。周りはスキーヤーの人ばかりです。思った通りの質問が来ました。「君、スキーの格好じゃないね、何でこの列車に乗ってるの?どこ行くの?」。私が「上越線まで機関車を撮影に行く」と言うと、周りの人達がオオウケします。「この寒い中写真撮るの?一緒にスキー行こうよ」とか「鉄道の趣味はモテないぞ」とか結構イジられ、その場は結構盛り上がりました。そして周りはゴツいスキーヤーばかり思ったら、女性も数名いました。直ぐ隣になってしまったお姉さんは結構可愛い人で、その人からも色々聞かれました。「いくつなの?」「鉄道が趣味なんだ?彼女いないの?」とか結構話されました。そのうちに皆さんは寄っ掛かったりしゃかんだりして仮眠をし出しました。私の隣の女性もそのうちにウトウト。私もカメラバッグに座りウトウトして来ました。しかしこんな直ぐ隣に年上の女性がいる経験は初めてで、ドキドキの傍らウキウキ。ほぼ肩を並べている状況は、何か寝てしまうのが勿体無い感じで、長いと思っていた水上まであっという間でした(笑)。

水上に着き、このまま乗っていたかったな〜、降りるの勿体無いな〜と思いつつ皆さんにお別れの挨拶をして下車しました。皆さんは石打まで行くとの事でした。水上では結構人が降りました。2月の真夜中です。そして水上は県境の駅、雪がチラホラ舞っており周りは雪景色です。その寒さに一気に現実に戻り待合室へ、友人もそこに居るはずです。そこであのお姉さんを思い出しながらもう一眠りするかと思い、待合室に行った瞬間、そこも列車のデッキ状態。ギッシリとスキーヤー達が横になって寝ていました。これにはびっくり。結局この日はあの甘い経験もどこへやら。ほぼ横になれずに一晩明かす事になりました。

上越線の下り貨物列車。この頃はカメラも2台、モノクロ写真にもハマってましたf:id:x-japanese:20211023165749p:image

これは特急はくたかです。今は北陸新幹線の名前になっていますねf:id:x-japanese:20220315220940j:image