前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

155.私の夫婦でゴルフ体験記20

翌日は草津温泉ゴルフ場が取れたのでそこでプレーしました。ここはコロナ禍というのに結構な混雑でした。温泉に近く殆どが宿泊者のようでした。ここはおまけに温泉施設の無料券のサービスをしてましたので、帰りに大滝の湯に入って来ました。この時も自分のゴルフスタイルを考えながらプレーをしていました。残る「何か」を探すのですが中々見つかりません。ここは結構混んでいたので、緊張感を試す事も出来ました。バタバタゴルフもその対応のお陰で何とか影を潜め、ルーティーンをしっかりやる事によりミスショットも少なくなっていました。妻に対してもあまり口は出さず、いいショットをした時だけ、「ナイスショット!」と言う位にしてプレーを続けていました。スコアは100ちょうど。まずまずの結果にホッとする自分がいました。その後は温泉三昧。夏の終わり頃とはいえ都心はまだ暑い最中ですが、この草津温泉は本当に爽やかな気候です。しかし湯畑の周りはガラガラで寂しい限りでした。こんな現状がいつまで続くのか、早くコロナが収まって欲しいと思いながら、妻とぶらぶら散策していました。

そして2度目の緊急事態宣言も明けて、いよいよ私の退職の月がやって来ました。驚く事に、その後も会社からは残って欲しいとの依頼が続いていたのです。この対応には少しうんざりしました。私はこの会社では本当に一生懸命に頑張って仕事をしたと自負していました。後輩からも慕われていたと思います。仕事をしない上司には遠慮なく意見を言ったり時には喧嘩さえして、この会社を良くしたいという気持ちで頑張っていました。後半はそんな無理が祟ったと思います。肺炎と前立腺癌と身体を壊し、最後の方は満身創痍状態でした。家族にも随分と迷惑を掛けました。そんな私に対して会社は決して報いてくれているとは思えませんでした。今更そんな事を言われてもという感じで、決心は動きませんでした。後輩達からは、私が退職するという噂を聞いたのか随分と電話が掛かって来るようになりました。しかし、決心はもう変わりません。その後は会社に対しても恨み節はもうやめて、再就職はこの会社があってこそ実現したものだし、また行きつけのゴルフ場もそう、悪い事ばかりでも無かったと思うようにしました。色々と考える事は多かったですが、最終的にはしっかりと面談を行い双方納得の上、退職の運びになりました。

そして9月最後の日曜日、思い出のメイレイクヒルズに行きました。この頃になると、値段は少し高いけど一番プレーし易いのは日曜日と感じていて、日帰りゴルフは殆ど日曜日にしていました。あまり初心者もおらずコンペも少ないからでしょうか。何故だか、あまり詰まったイメージが無い事が多いのでそうするようになりました。初めて来た時の事を思い出しながら、いつものインコースから第一打を打ちました。今回も丘を越えて行き、この日は98で上がる事が出来ました。この時も妻にはあまり言葉を掛けないようにしてプレーしていましたが、何かそれも味気ないなあと思っていました。

そして退職、再就職。新しい会社も週休2日なので、勤務日数は同じ。しかし前の会社はサービス残業が当たり前な会社でしたから、朝9時から午後5時でピッタリ来て帰れるのは新鮮でした。距離的にはさほど変わらないのに、朝は出る時間が約1時間遅くなり、帰りは前の会社の退社時間には既に家にいるような生活になりました。これは身体には本当に助かりました。ゴルフのスクールも一つ早い時間を取る事も可能となり、その他にも生活にかなり余裕が出てくるようになりました。しかしやはり再就職は簡単ではありませんでした。中々仕事には慣れず、また業種も変わり企業文化も違う。従業員は皆いい人達でしたが、毎日の全く違う事務作業に結構参ってしまいました。さらに引き継ぐ人が今年で退職する事になってしまい、またまた大きなプレッシャーとなって、少し体調を崩してしまいました。持病の喘息が出てしまったのです。毎日咳が続き痰が絡み、通勤電車の中では周りからはコロナを疑われ露骨に嫌な顔をされました。こんな状態が2ヶ月殆ど続きました。

喘息のせいでランニングも出来ずモヤモヤする毎日が続き、フラストレーションも溜まってきました。そして月も変わり少し体調が落ち着いて来たので、気分転換で週末にゴルフに行ってみる事にしました。翌日の空き具合を見ていると、割合といいコースが直前割引で安い料金で出ていました。私は岡部チサンカントリークラブを選びました。ここはその昔、私が若い頃に行ったゴルフ場の一つで、当時としては珍しく近く、その代わり凄く高かった思い出がありました。そしてその時のリベンジもしたいと思って取ったのでした。早速翌日に行きました。朝着くと、人がかなりいて受付がごった返していました。ここは36ホールあるのでそうなるのでしょうが、妻はこんなに混んでいるのは初めてで結構引いてしまい、私が大丈夫と言い聞かせていました。事前に割といいゴルフ場だと言ってしまったのも、少し緊張させてしまったようでした。久しぶりに緊張する妻を見て、自分も久しぶりに緊張してきました。

温泉とゴルフの組み合わせは最高です。コロナ禍でも草津温泉ゴルフ場はまずまずの入りでしたf:id:x-japanese:20211115144559j:image