前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

151.私の夫婦でゴルフ体験記16

水上の旅行で「色んなシチュエーションでもしっかり打てる位に練習をしよう」と心に誓った私。それからは心改たに練習場に通いました。妻が入ったスクールは体育会系のようにビシビシ指導するようなものではなく、のんびりした癒し系(笑)のようなスクールです。数人でひとクラス組み、一人一人我々の質問に先生が順番に応えて教えてくれるスタイルです。料金も安いので仕方無いと言えばそうですが、真剣にやりたい人はそういった人向けのコースもあるのです。もちろん値段も上がります。妻はこの形式が気に入って、このソフトな先生も気に入っているので、私も付き合ってこのスクールに入っているのです。既に1年以上、妻は2年以上練習していますが、自分は思っていた程上手くはなっていない感じです。それこそ1年も練習するとプロ級に上手くなれると思っていた私は、少し物足りなくも感じていました。もっとビシビシ鍛えてくれる所がいいのかも、とも思うようになりました。

相変わらず私の練習は内から外の小さいクラブでの練習です。これで本当に上手くなるのか、この頃は少し疑問を抱いて来るようになりました。確かに、キャリアとスコアと年齢の関係をネットで調べてみると、3年未満の経験で我々の年代だと、100を切っているのは1割程度との事が書いてありました。110未満であれば平均以上とも書いてあるので、あながち悪くも無いのかと思います。私のキャリアは自己流期間を含めると既に30年位になりますが、これはカウントしない事にして(笑)、それを見るとこんなものかとも思うのですが、それでももう少し目に見える上達がしたいなあと思うようになりました。

ある日先生に思い切って聞いてみる事にしました。初心者じゃあるまいしこんな事言えないよなと、今まで中々切り出せなかったのですが、こういつまでも治らないとさすがに絶望的です。恥を忍んで聞いてみる事にしました。「人が見てると緊張してショットが崩れてしまう」と訴えてみますが、答えは妻と同じように「気にしない事」と言います。それが出来れば苦労しないと私が言うと、先生は本当に気にしないでいいと言うのです。そして、「ご主人の場合は既に前に行くボールが打てているので、失敗してもリカバリーが可能。また、たとえ失敗してもそれ程時間は変わらないから、本当に気にしないでいい。茶化す奴がいるかもしれないが放っておく事」と、かなり具体的に説明してくれました。とにかく、「落ち着いて今の練習しているショットが出来れば大丈夫。まだやっていないドライバーだって同じ事だから、これが出来るようになれば、ドライバーだって飛びますよ」と言うのです。さらに「ご主人はキャリアはあるので、調子がいい時はもっと飛ばしたいと大振りする。そうなるとまた元の外から内という昔のスイングに戻ってしまい、この練習の効果は消えてしまう。いつも言う通り、調子がいい時こそこのショットを思い浮かべてやって見て下さい。」と言いました。初めての具体的なアドバイスに妙に納得して、それからというもの、地道に練習を繰り返しました。

またこの頃、先生から今度は私に対して、そろそろクラブを新しくした方がいいとのアドバイスがありました。新調となると結構金額も張って来ます。予算もあるので先生と相談し、私は新品ではなく中古にする事になりました。理由は男性の中古ゴルフ市場は昔から確立しているけど、女性はまだまだ少ないとの事。妻は新品だったのに、ちょっとずるいとは思いましたが、予算もある事だし、先生の忠告通りに中古品で買い替える事にしました。

そして翌月、ふと見たネットで行きつけのメイレイクヒルズが空いていたので、クラブの具合や練習の成果を試すべく、日曜日に行ってみる事にしました。この日はスタートホールの所に人があまりおらず、当初の目的の緊張克服の練習はあまり出来ませんでしたが、先生の言う内から外のコンパクトな振りを意識してスイングする事は心掛けるようにしました。スタートはいつものようにインコースのミドルの打ち上げです。周りは気にしないと自分に言い聞かせてティーグランドに入りました。しかしそんな心とは裏腹に、何とかあの丘を越したい、クラブも替えたしいいカッコしたいと雑念が出始め、今度は緊張と言うより、気負いが出てきました。すると当然力が入って来ます。案の定また左に引っ掛け、あの丘を越えられませんでした。

打った後に自分で認識しました。緊張といい気負いといい、この感覚は何なんだ?と。この時感じた自分に対する違和感は、初めて感じる物でした。周りは気にしなかったのに勝手に自分で崩れているようなティーショット。これにはまた新たな問題が発生したように感じました。しかし、その後はとにかく先生のアドバイス通り、内から外のコンパクトな振りを心掛けました。打ち急がない、ルーティーンをしっかりやる、周りを気にしない、この4つを徹底してやってみました。そして終わってみると何と98のスコアが出ていました。パットの長めのOKは見逃して貰ってのご愛嬌ゴルフでしたが、それでも久しぶり、4度目の100切りで、クラブを新しくしたのも要因かもしれませんが、自分でも信じられない結果でした。妻もまずまずのスコアで上がり、クラブのお陰かもしれませんが、この日は2人して大満足なゴルフでした。特に妻は、私の人によるバタバタゴルフが克服出来たのではないかと喜んでくれました。

しかしその後、自分は今ひとつ引っ掛かるものがありました。人に対する緊張感の他に、あの時の気負いが何だったのか、考えるようになりました。ゴルフについても色々と調べてみる事にしました。すると当たり前ですが、「ゴルフはメンタルなスポーツ」という記事がたくさん出て来ます。色々と読んでみると、その殆どが自分に当てはまっているように感じて来ました。自分のあらゆる現象はこのメンタルから来ているのではないかと考えるようになりました。

メイレイクの練習グリーンからの風景。夕暮れの夜景が最高ですf:id:x-japanese:20211115093209j:image