前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

152.私の夫婦でゴルフ体験記17

ゴルフが上達しない原因、緊張する原因、気負ってしまう原因、これは全て自分のメンタルが原因なのではないかと思うようになりました。ある日ネットに、ゴルフの心理テストがあったのでやってみると、「周りの視線が気になるか」「遅いと思われているのでないか」「良いところを見せたいと思う」「上手く当たらないのではないかと思う」「一つの失敗を引きずってしまう」「スコアが気になる」等々、殆ど全てのものが当てはまっていました。当てはまらなかったのは「コースが違うとダメ」と「口撃されるのが苦手」位でしょうか。この2つは恐らく会社でお客さんのコンペによく出ていたので、色んなコースに行っていたり、お客さんによく揶揄われたりと、慣れていた事でした。うちの妻はこの口撃に弱そうだと笑ってしまいましたが(失礼)、話を戻します。逆に言うと私は直に言われるのは平気だが、あのショットの時の静けさの中で何か言いたげな視線がダメなのかなと思いました。これはメンタルを鍛えないとどうしようもないと思いました。その後も色々読んでみると、何やら自分の精神鑑定をされているようになり、自己嫌悪に陥ってしまうようで気分が暗くなってしまいました。

心理テストの結果は、自分は自己顕示欲の塊であり、いつもいい格好をしたいという意識を持っていて、反面どこか自分に自信が無い、というものが出ていました。これは最低な人間だなと思いました。今まで自分と向き合った事などは高校生の時に太宰治の本を読んだ時位であり、改めてこのような結果を見ると、私はなんて薄っぺらい人間なんだろうと思ってしまいました。しかしその中でも平気なものもあり、それは長年ゴルフの会をやっていた慣れから来るものである事に気がつきました。ならば、たくさん場数を踏み、また一生懸命練習もして、そんな事を感じないようになってしまえばいいと思いました。どうせ癌を患って昔なら死んでいた自分です。いっその事こと開き直ってやってみればいいと思うようになりました。またこの年になって色々性格改造もできる訳も無い、そんな自分を受け入れてみるのもいいかと思うようになりました。それからはペースを倍に増やし、月一ゴルフを目指して練習するようにしました。

この頃は私の退職まで一年を切り、いよいよカウントダウンといった感じで仕事も昔のように大変ではなく、自分のペースで仕事が出来る体制になったので、それも幸いでした。しかしゴルフの腕前はそんな簡単に上達する訳が無く、特に私の癖のあるフォームは中々直らず、先生も苦心していました。スクールでは色んな事を試していました。ペットボトルのキャップを置いた練習、背中を向いて振る練習、出前持ちを意識したバックスイングの練習、わざと右に飛ばす練習、右手首のグリップを効かせた素振りの練習、左手を引きながら手首を回す素振りの練習、等々。それを全て9番アイアンかピッチングでやりました。それでも中々上達せず、悪い癖は直ぐに戻ってしまうようでした。先生は根気強く教えてくれましたが、後で聞いたら「途中で辞めちゃうと思った」との事。その辺は私の良い性格で、あまりよそ見はせずこれと決めたらずっとやるのが良かったようです。

その後、毎月のように、玉村ゴルフ場、富岡倶楽部、またメイレイクヒルズ、吉井南陽台、春には御殿場の時の栖に泊まり、ベルビュー長尾、富士の杜と行きました。自分のメンタルと闘いながら、ルーティーンを忘れず先生のスイングを心掛ける事を徹底しました。しかしスコアは変わらず、メンタルも変えられず、苦しいゴルフが続きました。妻もそんな悩んでいる私を見ると辛そうにしていました。妻は相変わらずマイペースなゴルフで少しずつですがスコアも上がってきており既に120をたたく事は無くなっていました。飛距離は中々伸びていませんでしたが、ドライバーやアイアンは確実に真っ直ぐに飛び、そんな妻を少しやっかむ事もあり、時には当たっている自分がいました。こんな時は険悪な雰囲気となり後で後悔するのですが、妻の悲しそうな顔を見ると本当に済まないと思ったものでした。

特に富岡倶楽部では酷かった。朝からスタートが遅れておりスタート時間になっても全く前のカートが動きません。後続組には私と同じ位の夫婦がいました。やっとの事でスタートしますが、その後その夫婦が追い付くと夫がやって来て近くで何やら話し掛けるものですから、本来気にならないはずの他人の口撃にまでバタバタするようになってしまいました。これでは治るどころかもっと悪くなっていると思いまた意気消沈してしまい、スコアも120以上たたいてしまい妻にも初めて負けてしまいました。プレー中には溜息や愚痴が多くなり、妻もそれにはイライラしていました。時には温和な妻も私に向かって「いい加減だまって」とか「打つ前に溜息つかないで」等々言い出し、終いには「こんな事が続くなら、今後あなたとゴルフに行くのは考えもの」位の事を言われました。

その後のゴルフ場でも同じような事の繰り返し。情け無い事に、朝ゴルフ場に着き、そこの駐車場を見て空いていると妻が安堵するような、そんな感じにもなってしまいました。そんな自分を情けなく感じるのですが、どうする事も出来ず悶々とするしかありませんでした。

紅葉が綺麗だった富岡倶楽部。しかしスコアは散々。いつかリベンジしたいですf:id:x-japanese:20211115111052j:image