前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

149.私の夫婦でゴルフ体験記14

その後は、私の人生においてとんでもない事象が発生します。このブログのテーマである、前立腺癌が見つかったのです。これではゴルフどころではありません。マラソンX-JAPANも全て一旦中断、治療に専念する事になりました。これには本当に参りました。肺炎に続き前立腺癌とは、自分の人生はもう終わりかと思い、自信が無くなって行くのを感じました。エントリーしていたつくばマラソンも辞退。しかしその後、初期の癌である事が分かり重粒子線治療専門の病院であるQST病院で治療をする事が決まり、気持ちも少し落ち着いて来たので、まだキャンセルしないでおいた、つくばのホテルに泊まりゴルフに行ってみる事にしました。

妻は憔悴している私を見て、色々と気を使ってくれていました。ゴルフに誘ってくれたのもそうですが、当日のつくばマラソンの雰囲気だけでも味わおうと、朝早く起きて現地まで行きスタートするランナーを見る事もしました。とにかくやる気や希望を持ってくれるようにと、色んな所に連れ出してくれました。つくばのスタートを見た後は、普段はあまり見ていなかった即席の店舗でスポーツ用品を見たりして楽しみました。その後は日本でも有数なパワースポットである御岩神社にもお参りして来ました。そしてその後、その頃話題となっていた日本で最大級の龍神大吊橋に行ったりしました。そして翌日は、つくばからでも少し遠かったですが、ロックヒルゴルフクラブに行きました。天気も良く紅葉も綺麗。ここまで来るとさすがに平日だと空いてます。ここで人を気にせずのびのびゴルフが出来るよう、選んでくれたようでした。

しかしさすがにまだ治療も開始していないし、そんな気分に中々なれず、ゴルフにも気持ちが入らず、スコアは全く振るいませんでした。とにかく立て続けに病に侵され自分に自信が無い状態になっており、ゴルフのトラウマも加わり、やる事が全て上手くいかないような心理状態でした。また、妻が楽しみにしていた正月の親戚コンペの出欠確認もその頃ありましたが、こんな精神状態では参加は無理と断ってしまいました。

その後は、QST病院の予約が確定し、重粒子線治療のスケジュールが大体分かりようになりました。当時は初診で約5ヶ月待ち、そして入院治療まで約4ヶ月待ちという状況でしたが、そんなに待つのかと不安になりながらも、少し将来が開けた感じがしてちょっとだけ前を向く事が出来るようになりました。治療まではただひたすら待つしか無いと思うようになり、妻も色々と私に元気出してと気を遣ってくれています。何とか気持ちを立て直すよう頑張りました。妻はその後も、一泊で金沢に行ったり、伊豆の伊東温泉に地ビールを飲みに行ったりと、私を連れ出してくれました。お正月には娘が孫を連れて里帰りをしてくれました。これには娘の夫に感謝しました。そしてこんな風に家族に励まされながら、何とか元の精神状態に戻る事が出来ました。

そして新年の1月には恒例の館山若潮ラソンがエントリーされていました。つくばはその時のショックもあり断念しましたが、これは何とか参加しようと思うようになっていました。精神的には戻れたけど身体的にはどうかとても不安でしたが、ダメなら棄権でもいいと行く事にしました。そして、翌日の月曜日の有休の日はゴルフもやる事を決めました。昨年と同様、南総ヒルズカントリークラブを予約しました。とにかく闘病は気持ちで負けてはいけないと思い、とにかく元気になろうと頑張る事にしたのです。

そしてゴルフの日。ランニングの練習不足の感は否めず、前日のマラソンのダメージが結構残っていましたが、それでも2人でやって来ました。ゴルフ場は今回もそれ程混んでなく、のんびりしたゴルフをする事が出来ました。プレーして行くうちに、いつまでも妻と2人でマラソンやらゴルフやら、こんな事をしていたいと思うようになり、癌との闘病には絶対に勝って、また戻って来ようと心に刻みながらゴルフをしていたのを覚えています。

その後はひたすらQST病院の初診の日を待つ暮らしが始まりました。ゴルフの練習程度ならそれほど身体にダメージは無いだろうという事で再開。毎週の練習場通いを再開、ひたすら短いクラブでの内から外のショットの繰り返し。暫くはコースに出る予定も無いのでひたすら練習をしていました。しかし本当に良くなったり悪くなったりの繰り返し。真っ直ぐ飛ぶようになって来たと思うと翌週はまた左へ引っ掛けたり、またはシャンクの連続。癌のお陰でランニングは出来ない、ゴルフは行けないとストレスは溜まるばかり。その上練習も上手く行かない。益々自分の力量が情けなくなってしまいました。

そして待ちに待ったQST病院の初診の日です。そこで入院治療の日程が決まり、それまでの生活の注意もありました。気にしていた激しい運動については殆ど問題は無いとの事。ゴルフも別に問題無いとの事でしたので、ランニングを初めゴルフも再開しました。早速4月に小田原城カントリー倶楽部、5月のGWに妻沼ゴルフ場、6月に一泊で軽井沢のホテルを取り晴山ゴルフ場へ行きました。両方とも天候は良くこの開放感は最高な気分でしたが、まだ治療が始まってもいないのでどこか気持ちが重く、晴れやかな気分でゴルフという訳には行きませんでした。

小田原城カントリー倶楽部の最高地点。景色は最高ですがアップダウンは覚悟が必要ですf:id:x-japanese:20211115090119j:image