困った上司達には参りましたが、前回のようなやる気の失せている部下達にも本当に参りました。その参った部下達には本当に苦労させられました。しかしそれもコンプライアンスが関係していたと思います。私も含めて、それを書いて行こうと思います。
まずは心が壊れた部下。こんな上司や先輩が多かったので、やはり精神的に参ってしまう先輩や同僚、部下は多かったです。私が一番ショックだったのが、当時の私の部下で優秀な人間がいたのですが、その部下が日に日におかしくなって行くのが分かった時でした。この頃は会社全体で、顧客の財務を勉強しようと言う事で、研修があったり簿記の試験なども受けさせられたりと、営業部は仕事以外にも結構大変な時期でした。そしてその時の店長は、例の何もしないコンプラ店長でした。
ある日、その部下が私に相談にやって来ました。顧客の信用額についてでした。顧客から、売上が増えて来て販売枠を増やして欲しいと言われたとの事でした。私は「いい事じゃないか」と言って稟議を上げて増やして貰えと指示しました。その顧客は最近業績を上げているいい会社だったのです。しかしそこでその部下は無理だと言うのです。どうもコンプラ店長が、ああだこうだと言って聞いてくれないと言うのです。最後に、金融機関からの借入が増えているから否決と言われたそうです。その時に、財務の勉強をしているのにそんな事も分からないのか、と怒られたそうなのです。私はその顧客の決算書を見ました。すると確かに金融機関からの借入が今年の決算書では大幅に増えています。しかしこの顧客は去年、投資の為に賃貸アパートを購入したのを思い出しました。当然金融機関からの借入であり、所謂設備資金に当たります。
これは財務の話で少し難しい話になりますが、店長の言う金融機関借入が増えた場合は、運転資金が増えているのか、この顧客のように設備資金が増えているのかを吟味しないといけないのです。この店長はやりたくないので、この借入金が増えているだけで否決としたようです。しかしこの顧客はアパートを買っている訳です。その借入を除くと、去年より運転資金は減っているのです。所謂、日々の営業の為の資金は潤沢になって来ていると言う、一つの指標なのです。さらに今期の試算表を見ると売上も増えています。これは財務を分かって無いのは店長の方なのです。しかし、こいつは何かにつけてやりたく無いので、アラを見つけてはやりたがらないのです。
早速私はその部下と一緒に店長の所まで行き、この案件は問題無い事を説明しました。店長は反論出来ず、苦虫を噛み潰したような顔で決裁をしました。この時、またしても私の心の声が、やってらんね〜と叫びました。しかし、これを契機にこの部下も頑張ってくれるだろうと思ったのですが、その後はこの店長に目の敵にされたようで、事あるごとに否決されるようになりました。その都度私が応援に行く事が暫く続きました。そのうちにこの部下は、自信を無くして来ている感じになってしまいました。とにかく段々と元気が無くなって来るのです。最後の方には私に、どうしていいか分からないと言い出す始末。これには私は唖然としてしまいました。この部下は中堅、いや、私の次のナンバー2のような存在だったのです。
これでは、その下の部下達もやられてしまうに決まっています。他にも数人、精気が無く死んだような顔をしている部下もいました。その都度私が案件の応援に行っていました。その後はそのナンバー2は、営業を辞めたいと人事に申請を出したのです。そして転勤して行きました。その後、違う店でその部下に会う機会があったのですが、元に戻っていてホッとしたのを覚えています。これでこの部下が心を病んでそれこそ自殺でもしたら、この店長のせいだと私は人事に言おうと思っていた位だったのです。これでは立て直すのに2年かかる訳です。本当にやってられない店長でした。
仕事は出来るだけ楽しくやろうって気持ちは、こういった輩には無いのでしょうか