前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

58.照射2回目

すっかり気合が無くなっていた私は、1回目とは違い本当にダラダラ歩いて新治療研究棟に向かいました。間違い易い地下一階の通路を何とか抜けて、エレベーターの所まで来ました。

と、何か前回と違った雰囲気を感じました。もう一度今来た通路を引き返してみると、その地下道の両サイドにはたくさんの絵や写真、文章などが飾られていました。これは治療、退院して行った患者さんが作成した作品のようでした。初回の時は全く気がつきませんでした。

結構古い物もあり、中には感謝の言葉と共に飾ってある作品もありました。これにはちょっと感動しました。この重粒子治療は現在でも最先端な治療なので、最後の望みでここに来られた患者もたくさんいたのでしょう。今でこそ一部の癌が保険適用になってきてポピュラーになりつつありますが、当時の癌患者にとっては最後の救いの神のような存在だったんだろうと思うと、つくづくいい時代になったな〜と思いました。

その当時は我々のような一般市民が果たして治療を受ける事ができたのか、情報自体が無かったかもしれないし、金額だって大変だったろうし、治療期間だってもっと長かったろうと思います。今の時代だからこそ、色々な治療方法があり、またその情報があり、且つ、治療を選べる時代になったからこそ、自分がこの病院で治療ができるようになった事に感謝をしつつ、新治療研究棟に向かいました。そして、忘れていた朝方の気合をもう一度思い出して治療に向かおうと決心しました。

X-JAPAN、Toshlのコンサート前の東京オペラシティf:id:x-japanese:20210326154528j:image