11月28日、HEATHのお別れ献花式に参列して来ました。突然の訃報の後、バンドのリーダーであるYOSHIKIの主催という事で、献花形式のお別れ会を開催するという情報が発信され、これに絶対に参列したいと思っていました。そしてその献花式の詳細が発表され、内容は事前申し込み制で代金は無料。何とYOSHIKIの全額負担との発表がありました。そのチケットは最近の流れで電子チケット。HIDEの葬儀の時のような混乱の防止や、転売等の対策もあるのでしょう。最近はこのようなネット関連にも随分と慣れて来て、情報の収集を初めとして、世の中の流れに付いて行けてると思っています。
そして当日は、もちろん妻も一緒。仕事が終えてからの遅めの時間を予約して、会場のある渋谷までやって来たのでした。献花式会場はライブ会場だけあって、かなりの繁華街の中にありました。時間は夜の8時前後。お酒の入った会社員や若者でごった返す駅前を抜けて、さらにクラブやバーが並ぶ繁華街の奥へ進みます。賑やかな街で楽しそうな人達の中に、寂しそうに歩く人がチラホラ。多分、HEATHの献花式から帰って来る人や、そこに向かっている人なのでしょう。その対照的な姿に何とも言えない気分になりました。そしてその先に会場はありました。
既に我々の予約した時間帯の受付が始まっており、係員が案内をしています。その前にはたくさんの人だかり。既に献花をされて来た人も多くいて、係員は立ち止まらないように促しますが中々その場を離れない人が多く、中には泣いている人もおり、騒然とした雰囲気でした。
そして受付を済ませ入口を進むといきなりの案内板。これには何とか耐えていた涙腺が崩壊。周りの人達も同じような状態。シクシク泣き出す人も多く、それがまた悲しみを増長します。周りには、若い女性が中心でしたが、男性や私のような年配者も多く、幅広い人気があったんだと実感します。
中に入ると、生前のライブでのプレーをしている大型の写真が並べられており、皆、その前で立ち止まっています。本当に死んでしまったのか、またライブがあったら元気に出て来るのではないか、本当にそう思う写真が飾ってありました。妻はこの写真を見て号泣。献花式に来ているのだから彼の死を受け入れるしか無いのですが、これが嘘であって欲しいと何度も言っていました😢。
続いて生花がたくさん並んでいました。YOSHIKIを始め、錚々たるビジュアル系のロック界の人達からの生花でした。HEATHの人柄と偉大さがよく分かります。確かにX時代に前任のベース、TAIJIが抜けて、その後任としてメンバー入り。ただでさえTAIJIの後という重圧に加え、いきなりの世界進出を目指すバンドに加入したのです。その後、初のレコーディングがあの超大作の「ART OF LIFE」、そして、初のライブは東京ドームの「RETURNS」、さらに初めてテレビが紅白歌合戦という、とんでも無い経歴の持ち主です。それを黙々とこなしていたのですから、今更ながらその偉大さに敬服してしまいます。
この生花の中で、私は直ぐに気になる事がありました。ToshIの名前が無く、生花の中に一つ白地の立札があったのです。PATA、YOSHIKI、SUGIZOと来て白地の立札。これにはかなりの驚きがありました。真相は定かではありませんが、何か理由があって白地の立札になったのでしょう。私にはそれはToshIの立札であり、何かがあってこのような形になったのだと思ったのでした。これにはX-JAPANももう終わりだと感じたのです。HEATHと一緒にこのバンドももう終焉なのだと思うと、尚更悲しくなってしまいました😔。
ここから先は撮影はNG。大ホールへ向かうとそこが献花式会場になっていて、一輪ずつの赤い薔薇が配られています。舞台には、たくさんの白い花と一緒に、HEATHの大きな遺影と10本の彼のベースギターが飾ってありました。啜り泣く声が響く中、参列者は騒いだり取り乱したりする人も無く、整然と献花をしていました。私もしっかりとその薔薇を献花。今までの感謝と、安らかに眠ってくださいと祈り、最後には遺影に手を振ってお別れしました。
出口に向かう通路では、止まらない啜り泣く声や、嗚咽の声が響き、我々も涙が止まらず、しかしお別れ会に参列出来た事に感謝して、この会場を後にしたのでした。外には今日の最終の献花式に参列する人がたくさん並んでいました。翌日のニュースに寄るとこの日参列した人は約1万人との事。たくさんの人に送られてHEATHは旅立ったのだと思うと、朝からまた泣けて来てしまいました😢。
そしてまた渋谷の街を通り抜け、駅まで向かいました。先程の静寂と悲しみの会場が嘘のよう。街は先程に増して人混みが多くなり、歓楽街の様相を呈して来ました。この、静寂の後の喧騒に、またしても何とも言えぬ感情が湧いて来ました。正に「一つの時代が終わった」😔。20代でXと出会い、それからずっと自分の人生と共にあったこのバンド。様々な場面で助けられ勇気をもらい、その都度元気が出て頑張って来れたと思っています。それは再就職をしている今でもそう。しかし、私ももうそんな年代では無いのでしょう。妻はもう少し現役で頑張る必要があるようですが、私は既に、励まされる年齢ではないのだと感じました。
若い頃、よく遊びに来ていた渋谷の街。随分と景色も変わってしまいました。そんな街を見てると、時代が変わったんだと言う実感が、否が応でも感じてしまいます。私も自分の終焉をそろそろ真面目に考える時期なのかと、強烈に感じてしまったのでした。HIDEの葬儀の後に、たくさんのファンが後追いでこの世を去った報道があったのですが、この時に、自分はとても分かる気がしたのです。一つの時代が終わった事を強烈に感じ、そして新しい時代に、自分はどんな風に生きて行けばいいのか。そして「老い」に向かって生きて行く自分はそんな現実に、耐えられるのだろうか。いっその事、HEATHと一緒に旅立ってしまいたい。でもそんな事をしたら、HEATHは絶対に悲しむでしょう😢。
やっぱり、HEATHの死や、X-JAPANの悲観的な将来に、少し感情がおかしくなっているのだと思いました。これを書いている間も知らずに涙が溢れて来たりします。今までは忙し過ぎた自分でしたが、暫くはゆっくり生きて、少し自分を休ませてあげようと思ったのでした。そして心が落ち着いて来たら、また色んな事に挑戦するのもいいかと思ったのでした。
