温泉シリーズはいかがだったでしょうか?。これは今後も色んな温泉に行った時にアップして行こうと思っています。それでは少し間が空いてしまいましたが、まだまだ続く、やってらんないシリーズの続きです。
お客様は神様です、と言いますが、長い間営業をやっていると、そうとも言い切れない事も多々ありました(カスハラなんて言葉もあり、最近はそれを前面に出している企業もある位です😳)。クレーマーが典型的ですが、他にもこちらが一生懸命頑張っているのに、裏では他社と天秤に掛けたりしていてあっさりと取引移行されたりすると、結構気持ちがガックリ来る事も多くありました。もちろんそれは値段や取引条件が殆どで、それは競争の世界なので仕方が無い事です。しかしその中でも、どう見てもこちらに落ち度があり、営業担当のせいで取引が移行される事も結構ありました。そんな事例を書いてみようと思います。
まずは、やはり行動が遅い事は致命的になりました。返事が遅い、連絡が無い、準備が遅い等々。顧客も商売をしており日々忙しいのです。そう言った事を考えずに、こちらのペースで仕事をしている営業には本当に困った物でした。もちろん営業だけが原因では無く、前述の通り事務方の仕事が遅い事もあり、一概には言えない部分もありますが、それをコントロールするのも営業の仕事だと私は思っていました。
これは私が中堅の頃、ある店で担当していた上顧客の話です。毎月、とても大口の受注をくれる上顧客で、このような顧客は他社との競合が激しく、いつも価格交渉が行われており、私も毎月のように交渉されるので結構参っている顧客でした。相手の社長は二代目であり、先代の社長が弊社に随分と世話になったとの事で、二代目もその辺りは承知しているようで、何だかんだ言いながら弊社と取引を続けていたのでした。弊社としても時には店長やリーダーと同行して、その他社の条件までは無理とお断りしたり、その代わりの代替案を持って行ったりと、とにかくコミュニケーションを悪くしない事に尽力していました。特に私が気にして取り組んでいたのが、弊社の中では格段にいい条件なのだ、と言う事を伝えていました。弊社は御社と良い関係を続けて行きたいと考えているといった姿勢をいつも表していました。
そして257回目のブログの「嫌な客こそ回れ!」と言う、顧客からアドバイスされた言葉を胸に、頑張って訪問していたのです。そこで私が次に取り組んだのが、車の話でした。私も車は大好きでしたが(今後、車の話題をアップする予定です😊)、この二代目は外車のジャガーを持っていて、それが自慢だと言う事に気がつきました。私は外車の事は、小さい頃のスーパーカーブームで多少は知っていましたが、それ程良く知らなかったのです。しかしジャガーと聞くと、X-JAPANのHIDEの愛車がジャガーだと知っていたので、何だか急に親しく感じるようになり、それからは私とは縁の無い外車の情報を調べ、ジャガーという車がどう言った物なのか、競合するメーカーとか車種は何なのかを調べ、訪問する度にその話をする事にしたのです。ベンツやBMWでは無くジャガーという所に何かミソがあるような気がして、色々と調べたり話題を見つけたりしていたのでした。そんな努力が報われ、よく二代目からは「俺があまりうるさく交渉すると、君の給料が出なくなっちゃうもんな!」と冗談を言ってくれるようになったのです。そんなこんなで3年程この会社を訪問していました。そして転勤が決まり、担当を変わりました。
そして数年後、たまたまこの会社の近くを通り掛かり、駐車場には新しいピカピカのジャガーが止まっていました。ふと見ると二代目がジャガーを磨いていました。私は車を降り、二代目に挨拶をしました。すると二代目は私を見て少し躊躇したようでした。私は直ぐにピンと来ました。その直感通り、取引を他社に移してしまったとの事でした。理由は、私の後も同じように弊社と取引をして条件面の話をしていたとの事でした。しかしある時から営業担当が来なくなったとの事でした。それを店に電話しても上司が来る訳でも無く店長が来る訳でも無く、仕方無しに他社にその話をしたら喜んで対応してくれたとの事でした。私は何と言っていいか分からず、ただ残念です、と言ってその場を後にしました。
これは返事が無い、連絡が無いという、顧客からすると無視されたと同じ感覚だと思います。相手から何かしらのアクションがあれば、それにはいち早く対応すべきなのです。そして今弊社が出来る最大限の条件とかを提示して、それでもダメなら仕方無いのです。とにかく連絡しない、放ってしまうという無視の状態は致命的なのです。この事案は、店に電話しているのに誰も動いて無い事に私は唖然としましたが、こういった、やってらんね〜事象は本当に多くありました。しかし、この顧客のように連絡をくれたりするのはまだ有難いのです。営業担当以外の第三者が気がつくからです。このような、連絡も無く営業担当も放ったり対応しないと、殆どは知らず知らずのうちに取引が無くなっていて、気がつくと他社に乗り換えられているパターンが多いのです。何も苦情が無い状態は本来は好ましい状態なのでしょうが、私の経験から、全体的に適度に苦情や交渉事がある方が好ましいと思います。顧客が何も言わなくなるのは、返って危ないという感覚を私は持っていました。
資本主義である限り、こういった競争は永遠に続きます。しかし283回目に出てくる店長ではないですが、単なる価格の引き下げ競争になったら利益は出ずジリ貧となり、我々の給料は出なくなってしまいます。だからこそ、価格競争に巻き込まれないように様々な努力が必要ですし、取引条件はもちろん、冠婚葬祭、義理人情の部分でも頑張る必要があるでしょう。それには営業担当が素早く他社の攻勢の情報を掴み、早くリアクションする事が何より大切です。「時は金成り」という感覚が無い社会人は、今後更に厳しい時代になって行くと思います。
「お客様は神様です」、の言葉も最近は「本当かな〜?」と、思う事も多くありました😅。