前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

253.私の会社員時代、やってらんない記憶.8

私は比較的早く結婚したのですが、この会社ではそれは別段珍しい事では無く、割と若くして結婚されている先輩も大勢いました。そんな環境でもあった為、私も抵抗無く結婚する事が出来ました。しかし私の結婚した頃にはまだ嫌な先輩達は存在していました。元々イジメに会っていた私だったので、この結婚に対してもかなりイジられました。

とにかく私の会社は業歴が古く考え方も古い会社でした。まず私のような社内結婚では無い事に色々言われました。なぜって言われても本当に困ったものでした。奥さんは会社の事が分かっている会社内から選ぶべきだという持論です。前から付き合っていた彼女がいたからです、って言うのもどうかと思うので、その辺の質問は無視していました。また妻は働いていたので、いつまで働かせるのかと良く聞かれました。別にその家庭の勝手でしょって感じですが、いちいち本当にうるさかったのです。本当に「やってらんね〜」という感じでした。

そして一番参ったのが、結婚後も、飲みに連れていかれる時に電話一本掛けさせてくれない事でした。今みたいにケータイがあれば問題無いのですが、この時代は電話が連絡手段の全てです。新婚とは言え容赦ありません。ただでさえ帰りが遅いのに、いきなり飲みに連れていかれる訳ですから、本当に参りました。妻だって食事を作って待っていたり、色々な相談事があったりする事も考えられます。しかし、そんな事はお構い無し。理由としては、妻をそんなに甘やかせるなという事でした。その理由に、「やってらんね〜」と思いながら付き合わされます。そして二次会に連れて行かれた時のある日、この時は何か約束があった時で、さすがに妻に連絡しました。そして二次会のスナックで電話をしたのです。「まだ捕まっているから今日も遅くなりそう」、と電話していたら、突然、先輩が顔を出して来ました。「何電話してるんだ?」と言い寄って来ました。私は妻に連絡をしていると言ったその言葉と同時に受話器を取られ、先輩が妻に説教を始めました。

「男たるもの、外には敵が数十人、、、」と、講釈を話し始めました。すると妻はそれに逆ギレしたのでしょう、先輩と電話口で言い合いになってしまいました。そして最後には妻の方から電話を切ったものですから、先輩の気持ちが収まりません。その後、先輩は私に向かって、気の強い嫁だと言いふらしました。それに私が逆ギレ!。こんな事をされて怒らない人の方がおかしいと言い、二次会の会場は荒れに荒れてしまいました。全くこの時は、「やってらんない」程度では治らず、ふざけんなと言う感じでした。何で人の家庭にまで入って来て掻き回すのか、この人達は何がしたいのかが、本当に理解不能でした。

この頃のこの会社の家族は、殆どの奥さんが専業主婦でした。私も毛色が違いますが、仕事をしているという、自分達の奥さんと違う毛色の私の妻にも、先輩達は理解出来なかったのでしょう。その後も、結婚したのだから子供は出来たかとか、いつまで働かせるんだとか、本当にパワハラ全開状態でした。そのうちにこの連中は一人一人転勤して行き、妻に対するパワハラは収まって行きました。ちょうどこの頃、昭和から平成に変わる頃は女性も外で働くという過渡期だった事もあり、会社内でも結婚で辞める女性、所謂、寿退社をする人は少なくなって行きました。その後世間では、DINKsと言う言葉が流行り出し、私達は暫くは子供を作りませんでしたので、まさにこれを地で行く感じで見られるようになりました。こんな私達が派手に見えたのでしょう、先輩達は私達を理解出来なかったようで、その後は、仕事に対してのイジメは随分減って行きましたが、我々の結婚生活に対しては、何かに付けてイヤミや嫌がらせを受ける事は続きました。

これにはその後、面白いエピソードがあります。それから数年経過して、ある社内研修で、転勤して行った先輩達に会った時です。子供も学齢期に入ると何かとお金が掛かってきます。皆さん教育費で大変だと、そんな話しを聞いていると、突然先輩が、君の奥さんはまだ働いているのか、と聞いて来ました。当然です、と返事してまた怒られるのかと思った瞬間、「おまえの奥さんはいいよな〜、うちのかあちゃんはパートにだって行ってくれないよ」と言う言葉が返って来ました。空いた口が塞がらないとはこの事か。あれだけ妻を働かせるなと言っていた人間がこれかよ、って感じで改めてこの会社の連中には「やってらんね〜」と思ったのでした。

ここでちょっと補足をしておきます。上下関係の表現ですが、先輩=歳上の平社員や主任、上司=係長または班長またはグループ長、リーダー=課長または部長、店長はそのまま。社員=店の連中、担当者=営業部の連中、部下=私が上司やリーダーの時の部下。こんな感じでイメージしていただくといいと思います。

とにかく夜の付き合いには辟易していましたf:id:x-japanese:20220805092909j:image