前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

235.ジジとお孫のハチャメチャ鉄チャン旅.5

神社を出て秩父駅に向かうと、直ぐ近くに秩父夜祭の会館があります。ここも面白そうなのですが、まだ小さいお孫ちゃんには多分見せても興味無いだろうと思い、これはもう少し大きくなってからにして、秩父駅に向かいました。この秩父鉄道秩父駅は、地方の鉄道としてはかなり立派な建物です。秩父市の産業センターも兼ねているのか、中には物産館もありお土産やお弁当も豊富にあり、事欠きません。ここでお弁当や少しお土産も買って、いよいよSLがやって来るホームへ入ります。この改札は駅員さんがいる改札で懐かしい感じでローカル気分満載です。これから始まるSLの旅のテンションがあがります。

ホームには家族連れや鉄チャンで結構な人がいました。秩父鉄道のSLは復活したのは1988年ですから、既に30年以上も走り続けているのです。初めてこれを撮影しに来たのは、驚くなかれ、お孫ちゃんの母親である娘がまだ私の妻のお腹の中にいた時で、一緒に見に連れて行ったのでした。その時を思い返すと、身重な妻を遠出させるのは大変なので車で行き、妻の母にも一緒に付いて来て貰ったのを覚えています。そんな事なら妻を置いて1人で来れば良かったのですが、妻の気分転換と私のSL見学を兼ねて計画した変則的な小旅行だったのです。もちろん、その時は撮り鉄はせず、とある駅でSLを見て、秩父神社や荒川を散策して帰りました(あ!、この荒川の河川敷で散策と称して撮り鉄しました。すみません😅)。そんな思い出に耽ってふと我に返り周りを見回すと、すぐ傍には私の妻とその時妻のお腹の中にいた娘と、お孫ちゃんがいます。私の横には下の娘も。この光景を見ていると、あれから30年経ったんだという時の流れの速さと、こんな幸せが待っているなんてとその時は想像も出来なかった事を思い出し、少し感無量になってしまいSLが来るのも忘れてしまうくらいでした。

すると遠くからSLの汽笛が聞こえて来ます。ホームの端の方にSLがやって来るのが見えました。私はもちろんSLを見るのが楽しみですが、お孫ちゃんがどんなリアクションをするのかがとても楽しみでした。そして段々と黒い塊が近づいて来ます。それが目の前にやって来ます。30年前はまるで遊園地の乗り物のようだったこのSLも最近は余計な装飾も無くなり、また時間と共に貫禄も出て来て中々いい雰囲気です。f:id:x-japanese:20220609153220j:image私はいつものように感慨深くSLを見ていました。

そして、肝心のお孫ちゃんはどうか気になり見てみると、何だか腰が引けてるようにも後退りしているようにも見えました。お孫ちゃんは、さっきのラビュー号とは違いSLはどうもイマイチのようでした😅。真っ黒な鉄の大きな塊で、煙突から煙が出て、蒸気のシューシューという音が響きます。今まで私のビデオでSLは見てますが本物はもちろん初めて。その後、色々とSLを見せて回りましたが思ったようなリアクションは見られずに、発車時間となったので急いで列車に乗り込みました。

この列車は、復活当時は旧国鉄の旧型客車が使われていましたが、最近は冷房設備のある客車に代わっています。色は茶色く塗られており、旧型客車の雰囲気を出している感じです。出入口の扉はもちろん開きませんが、窓は昔と同じように開くので昔の列車の雰囲気を味わえます。車内は適度な混み具合。私は先頭のSLが見えるように、窓を顔が出ない位に開けて、お孫ちゃんに見てみるように言いました。SLなのでそれ程早く走る訳ではないのですが、車内の人には迷惑は掛からないように気をつけました。娘にはお孫ちゃんが手を出さないように注意しておきました。お孫ちゃんは開く窓が珍しかったようで、直ぐにそこから外を見始めました。それにはかなりのリアクションがありました。思えば最近の電車は窓なんか開きませんよね。それが珍しかったようで、開いた窓から暫く外を見ていました😄。f:id:x-japanese:20220609165641j:image
f:id:x-japanese:20220609155419j:imageその間、我々は交代でお弁当を食べました。お孫ちゃんにも少しずつ食べさせて、楽しい乗り鉄は順調に進みました。と、思いきや、お孫ちゃんが目に不調を訴えます。どうもSLの煙や煤が目に入ったらしく必死に目を擦り始めました。それからは急いで窓を閉め、目薬を挿したり濡れティッシュで顔を拭いたりとテンヤワンヤ😅。ゆっくりお弁当を食べる暇も無く、あっという間に終点に着いてしまいました。それにしても目薬まで持って来ている自分の妻には驚きました😳。さすが子育て経験者。この時は我が妻ながら凄いと思いました🥹。

終点の三峰口では、SLはターンテーブルで向きを変える必要があります。これがまるでイベントのように人が集まって来ます。駅からも近く、我々もそこまで歩いて見に行きました。ここでもお孫ちゃんはあまりSLには興味を示す感じは無く、ターンテーブルの周りの広場で妻や娘と遊んでいました。私だけ仕方無くそのイベントを見てました😅。そしてお孫ちゃんは駅に止まっている銀色の電車の方に興味を持ちました。あれに乗りたいと言い出して、仕方無く駅に向かいました。そして帰りもSLに乗る予定がこの電車で秩父に戻る事になったのです。こんな事もあろうかと帰りのSLの切符は買わないで本当に良かったと思いました😅。

SLに乗らないのならば撮り鉄をやるかと、その電車に乗り途中の駅で下車して走るSLを見ようとお孫ちゃんに言いましたが、リアクション無し。女性軍にお許しを得て、影森駅で下車して私が良く行くいつもの撮影地へ向かいました。この撮影地は昔、撮り鉄でよく妻や娘達を連れて来た場所です。ここでお孫ちゃんとSL撮影に来れたなんて、またまた少し感傷的になってしまいました。しかしいつもの場所は既に鉄チャンで一杯なので、近くの踏切でゆっくり見る事にしました。女性軍はまた始まった私の撮り鉄に半ば呆れながら、近くで日陰を探しそこで待っていてくれました。f:id:x-japanese:20220609172923j:image

そしてSLがやって来ます。踏切で待っていたので当然警報器が鳴ります。するとお孫ちゃんは「ジジ、ダメー」と言って踏切から離れるように騒ぎます。「大丈夫だよ。SLが来るから見ようね」と言っても聞きません😅。お孫ちゃんに逆らう訳にも行かず仕方無く女性軍の所まで戻りました。そしてSLは迫力あるドラフトと共に通り過ぎて行きました。妻達はそれを見て大笑い🤣。やはりお孫ちゃんにはSLはまだ早かったかなと思いました。

そしてまた影森駅に戻り、銀色の電車がやって来るとお孫ちゃんは大騒ぎ。やっぱり電車がいいんだなと納得して家路に着きました😅。西武秩父駅まで戻り、ラビュー号の指定券を取り、時間まで駅のフードコートで皆んなでお疲れ様の一杯をやりました🍺。お孫ちゃんにはもちろんジュース。そのビールは、この初めての小旅行のようにちょっと苦い味がしました。中々思い描いたようにSL好きにはなってくれない感じなのが分かりました。しかし、お孫ちゃんが鉄道好きになってくれた事で十分。こんな小旅行を今後も沢山できると思うと、人生薔薇色な感じがして本当に嬉しかったのを覚えています。