前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

207.鉄チャン旅行の思い出9 流し撮り編

流し撮りって言葉、知ってますでしょうか?走って来る車両を追いかけてカメラを水平に動かし、後ろの景色を流す撮影技法です。後ろの景色が流れる事で車両が浮き上がる感じで、とてもカッコイイ写真となります。これは結構難しく最初は失敗続き。なので中々お目当ての列車では試す事が出来ません。増して本数が少ない列車では失敗は許され無いので、この写真は大体たくさん走ってくる列車の写真が多かったのです。失敗してもまたすぐに撮れると思うからこそできる撮影でした。またこの技法は列車の速度にも関係があります。速度が速い列車ほどやり易く、逆に遅い列車は難しくなるのです。

これは東海道線を走る貨物列車です。この日は雨が降って来て仕方なく駅で撮影した物です。この機関車も当時はたくさん走ってました。東海道線の貨物は速度が早いので、流し撮りには適していました。これは比較的決まった写真です。f:id:x-japanese:20220313062107j:image

この技法は理論的には簡単なのですが、とにかくやってみると難しい😵。手動カメラの撮影は、大きく分けてシャッタースピードと明るさの度合いの絞りから成り立ちます。一般的にシャッタースピードが速いとブレの無いしっかりとした写真が撮れます。なのでこのシャッタースピードが速いといくら車両を追ってカメラを動かしても、背景もしっかり撮れてしまうので流し撮りになりにくいのです。必然的にシャッタースピードを遅くする必要があります。すると今度は全体的にブレるリスクが生じるのです。しかし決まるとそれはそれはダイナミックな写真となるのです。

これは明け方の西日暮里駅での上野行き夜行列車です。まだ新幹線がない時代、ここは東北本線高崎線のいい撮影場所でした。これはイマイチかな。思ったより遅い速度でやって来た為、少しブレています。大好きな機関車でしたがあまり走っていかなかったので、流し撮りの撮影には随分勇気が要りました。

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シャッタースピードを遅くする為には光量を少くすればいい事になります。するとまだ暗い朝方、または夕方、あとは天気の悪い日。またわざとフィルムの感度を下げた物を使うか、光量を落とすフィルターを使うか、色々やり方があります。私は資金的な問題もあった為、この撮影をやる時は朝方か夕方、または天候の悪い日を選んでやっていました。

この撮影手法はとにかくしっかりとカメラを構える事に尽きます。中には三脚を使って縦ブレを防ぎ撮影していた人もいましたが、その方法は中々上手く行かず、私は脇を締めカメラをしっかり構え、やって来る列車を追ってカメラを動かしシャッターを切る感じで撮影していました。脇が甘くなると大体手ブレを起こし失敗します。とにかく両腕の肘をお腹の左右の肋骨の所に当ててしっかり固定するイメージで撮影していました。これは本当に難しい撮影でした。

しかし、この流し撮りはしっかりした技法で撮影したにも拘らず失敗する事が多かった反面、偶然に上手く撮れる事も多かったので、そう言った意味では悩ましい写真でした。また撮影する列車の速度が早ければそれだけカメラを平行移動し易くなり縦ブレが起きにくくなるので、列車の速度も重要な鍵となっていました。なのでせっかく準備万端で待っていても、肝心のお目当ての列車がノンビリやって来ると、途端に撮影が厳しくなったりもしたのでした。

これは飯田線の旧型電車です。それ程早く走って来る訳ではないので流し撮りには適さなかったのですが、まだまだたくさん走って来ていたので、適当に撮ってみたらこんな感じに撮れました。それにしても本当に流し撮りは難しい。本当に満足した出来栄えの写真はとうとう撮れませんでした。f:id:x-japanese:20220315212547j:image

最後に、これはうちの犬をケータイで流し撮りしたものです。鉄チャンを離れても、カメラ撮影の技法はさまざまな所で役に立ちました。特に子供の運動会の写真なんかはよく流し撮りをしたものでした。この時は犬に合わせてケータイを斜めに動かす感じで中々難しく、何回も挑戦したのです。しかし、結構躍動感がある写真になると思ったのですが、やはりケータイのように自動だと、イマイチ思った通りの写真にならないです😵。昨今、何でも自動で便利な世の中になりましたが、自分の思いという意味では画像にそれが現れず、何か味気ない感じがします。確かにケータイは本当に便利で気軽に撮影が出来ます。しかし、これからはここぞという時には手動に拘ってみようかと思っています。               f:id:x-japanese:20220314163027j:image