前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

162.私のぶらぶら旅2

今回は昨年行った金沢です。金沢は北陸新幹線が出来たので随分と東京から近くなり、手軽に行けるようになりました。私の亡くなった父の実家が富山だった為、私が小さい頃から北陸はよく行っていました。しかし当時の北陸は本当に遠かった。北陸本線が電化される前は単線の所もあり、それこそSLも走っていました。帰省するのは大体お盆の時で、北陸本線が電化されてスピードアップされた後でも、上野を朝10時頃の急行に乗って富山の実家がある駅に着くのは夜の6時過ぎ位。実に8時間以上掛かっていたのです。特急に乗っても7時間程度は掛かっていたと思います。それが今では2時間足らず。初めて北陸新幹線に乗って金沢に着いた時は本当にびっくりしたものでした。

そんな訳で金沢のぶらぶら旅、しかし近江市場や兼六園では無く、あまり観光客が行かない海側をぶらぶらしたいと思います。この時はX-JAPANのToshIのコンサートが金沢であった為やって来たのですが、近江市場とか兼六園とか茶屋街は以前に数度来た事がある為、主にぶらぶらしたのは大野地区という所です。ここは江戸時代に北前船で栄え、また醤油の町として歴史がある地域です。また近隣に大型客船が寄港出来るターミナル港があるので、運が良ければマンションのような大型客船が間近で見れる運河もあるのです。また地元民がよく使う金沢いきいき市場も近くにあります。

今回は妻も一緒。冬の時期に金沢駅からここまでは6㎞弱あり徒歩では厳しいので、まずは近くの金沢クルーズターミナルまでバスで行きます。これは金沢駅からデータイムでも1時間に一本程度走っているので、これで現地入り。まずはクルーズターミナルの展望デッキで日本海を眺めたら、早速、金沢いきいき市場へ歩きます。金沢と言えば近江市場が有名ですが、最近は観光地化されてしまい地元の人が買い物が出来ない位になっている反面、こちらはアクセスの問題で観光客があまりおらず、また値段も安いので穴場的なスポットのようです。まずはこの市場がある港をぶらぶら。雪は無いですが、やはり北国の冬の風景というのは何かジーンと来るものがあります。f:id:x-japanese:20220112080241j:image

そして、市場をぶらぶら。この時はコロナも収まっていた時期だったので、前日行った近江市場は混んでいたのですが、ここはゆったりとした感じです。蟹はもちろん、ノドグロや色々な魚が並べられ、店員さんもしつこくなく、我々のような観光客には見やすい市場です。一角にはそこで買って食べられるスペースもあり、その時は蟹をひたすら食べている女性と家族連れがいました。妻は、来る前までは蟹でも食べようかと思っていたようですが、おそらく地元の方達なのでしょう、その人達の食べ方がとても慣れていて、自分はあんな綺麗に食べられないと断念していました(笑)。結局何も食べずに市場を出て、以前から行きたかった、からくり記念館に向かいます。

運河沿いを歩いていると、途中、大野お台場公園という公園があったので見学。ここには北前船をイメージした舞台がある円形劇場があります。中々珍しい形の野外の円形劇場ですが、コロナでもなければここで色々な催し物が行われているのかと思うと残念な気持ちになり、コロナ禍が早く収まらないかと思いました。f:id:x-japanese:20220112081641j:image

その先に、からくり人形の博物館、からくり記念館があります。この建物は、今や金沢駅のシンボルとなった鼓門のモデルとの噂もあり、木を交差させた外の柱が特徴でちょっと変わった造りをしています。この時は館長が直々に、色々とからくり人形の歴史や仕掛けを面白おかしく説明してくれて、とても楽しく過ごせました。館内には色々と展示物があり、ここに一日中いても飽きないのではと思いましたが、時間もあるので泣く泣く次の目的地へ向かいました。f:id:x-japanese:20220112083132j:imagef:id:x-japanese:20220201075223j:image

館長が見送ってくれた時、目の前にある運河には時折大型客船が通るが、その光景が必見との事でした。その姿は目の前で大きなマンションが動いているように見えるそうです。そこから大勢の乗船客が手を振っており、平和な時間を実感するそうです。今はコロナ禍で外国船が全く来なくなり寂しいと嘆いていたのが印象的でした。

そんな外国船の入船の光景を想像しながら運河沿いを歩き、次の目的地、ヤマト麹パークに向かいます。ここは工場敷地その物を見学施設にしており、まるで探検しているようでとても面白いと思います。中ではガイドツアーもあり工場見学も出来、売店はもちろん、ちょっとしたレストランがあり、またケーキも売っている喫茶室もあります。ここのチーズケーキが絶品だったので、ぜひ行って食べて欲しいと思います。f:id:x-japanese:20220112084303j:image

ここも一日中いても飽きない感じで、その後も暫く工場内をぶらぶら、運河沿いの創業の小路という場所は何とも言えない雰囲気があり、いつまでも居たい感じでしたが、ここも泣く泣く後にしました。

この後は帰りに使う予定の、大野港というバス停に向かいます。もちろん帰りのバス停の場所と時間の確認という意味でしたが、そこは鉄チャンの私です。それだけではわざわざ寄りません。このバス停は昔の北陸鉄道の終着駅だったようで、その雰囲気が残っているとの事で行ってみました。既に廃止から40年近く経過しているので面影は無いですが、不自然な空間と道路があり何となくそんな物かなと思った程度でした。しかしそこでびっくりしたのは、私達が乗ろうとしていたバス便は、なんと最終バスである事が分かりました。それを逃してしまうと次が無いと思うとちょっと緊張が走り、それからは時計を見ながらの行動となりました(笑)。これも地方にありがちな事で、私なんかは鉄チャンなのでこんな事には慣れていたのですが、妻は本当にびっくりしてました。

その後はこの地区では有名な寿司店、宝生寿司で遅い昼食です。昼時は予約は必須と情報がありましたが、この日は平日の1時過ぎ。それ程混んでなく美味しいお寿司を食べられました。このお店も中々のレトロな外観ですが、しかし中に入るとしっかりしたカウンターや客席があり、いい感じで食事が楽しめます。f:id:x-japanese:20220112091828j:image

そしてその後は、3時近くに出発するバスの時間まで、大野の街をぶらぶら。ここは古くから関東の銚子や野田と並ぶ醤油の産地として有名であり、先ほどのヤマト醤油の他にも醤油の蔵元があります。昔栄えた街並みもレトロな雰囲気を醸し出しており、街の中にも蔵を利用したカフェや、興味を引くような店舗もあります。最後に大野日吉神社にお参り。ここは遠く白山連峰や金沢港が一望出来るので、ぜひ立ち寄りたい場所です。

この日は冬の比較的いい天気の日でしたが、それでもやはり風は冷たく、時折雪混じりの雨が降り、ぶらぶら旅にはイマイチな感じでした。出来ればもっと気候のいい時期にまた来たいと思いながら、バス停に向かいました。所要時間はこの日はバスの乗車時間を含め6時間半位でした。金沢はつい近江市場とか兼六園方面に観光客は行きがちですが、ぜひこういった場所にも足を運びたいものです。f:id:x-japanese:20220112110009j:image